高野龍神国定公園


●概要

 高野龍神国定公園は、和歌山県の東北部に位置する高野山・龍神温泉を中心に、これに接し、伯母子山地と称される奈良県の山稜部を含む地域で、和歌山・奈良両県にまたがる南北約30km、東西約10kmの広がりを持つ山岳景観と宗教的人文景観に優れた公園です。

 この公園の北部には約1200年前、弘法太子が開基した山岳宗教の聖地高野山や立里荒神を祭る荒神岳があり、中央部には本地域最高峰の護摩壇山(1,372m)や伯母子岳(1,344m)があり、南部には古い歴史を持つ山峡のいで湯、龍神温泉があります。

 また、県境部を北から陣ヶ峰、水が峰、白口峰、護摩壇山と1,000m級の山稜が南北に走り、この山稜の東面はイワナ棲息地の南限地帯として著名な十津川の源流が、西面には有田川・日高川の各原流が解析し、それぞれV字型の深い谷を作り所々に瀑布が見られます。

 この公園一帯は、古くから林業が盛んで、森林はほとんどが人工林ですが、一部には自然林がよく残されています。

 特に高野山周辺にはスギを主とする自然林がよく保存されているほか、国有林には“高野六木”と呼ばれているコウヤマキをはじめ、マツ・スギ・ヒノキ・モミ・ツガの原生林が残されています。また、護摩壇山周辺から伯母子岳稜線部一帯には、モミ・ツガ・ブナの原生林とツツジ類の群落が見られ、屋根の北側斜面に植生するブナは特定植物群落に選定されています。

 昭和55年に高野龍神スカイラインが開通し、高野山・大阪方面からの到達性が良くなり、また、展望タワー・休憩所・園地等が整備されたことにより、高野山・龍神温泉への行楽に加えて護摩壇山・伯母子岳・荒神岳等の登山・ハイキングにも広く利用されるようになりました。



●関係自治体

  十津川村  野迫川村



●沿革

 昭和42年03月23日     高野龍神国定公園指定
 平成02年04月06日
公園計画の変更



●地種別面積(ha)

村及び県

特別保護地区

特別地域

普通地域

公園区域

第1種

第2種

第3種

合 計







十津川村

39

160

1,020

1,219

1,219

野迫川村

263

1,090

2,584

3,937

3,937

小計

302

1,250

3,604

5,156

5,156

和歌山県

154

830

1,160

11,502

13,646

396

14,042

合計

154

1,132

2,410

15,106

18,802

396

19,198