県立月ヶ瀬神野山自然公園


●概要

 月ヶ瀬と神野山はともに大和高原の東北部に位置し、月ヶ瀬は梅の名所として、神野山は大和高原の代表的な山として、また、ツツジの名所として多くの人々に親しまれています。

 この公園は、これら二つの名所と周辺地域の自然景観を保護し、利用施設を整備するために、昭和50年、奈良県立自然公園としては最後に指定された公園です。

 月ヶ瀬は数百年の歴史と梅樹一万本を擁し、五月川の渓谷景観に調和して梅渓とも呼ばれ、観賞樹林の名所吉野の桜とならび全国的な存在です。昭和39年に高山ダムが完成し、多くの梅の老樹が水没(3,950本)して、様相が一変したが、地元月ヶ瀬梅渓保勝会等の努力で補植がすすめられ、現在一万本の梅樹に達しています。

 神野山は標高618.8m、ゆるやかなスロープを描いた円錐形の大和高原における秀麗な山で、ツツジの名所として知られているほか、付近には天然記念物にも指定され、延長500mにわたって大小の黒い岩石がるいるいと重なり合い、火山の溶岩の流れを思わせる鍋倉渓い、大塚の森、神野寺等興味地点も多く、地形・地質上野外教育の場として格好の場所です。5月上旬には全山ツツジで色づき、九十九夜には近隣の老若男女がそろって登山する「神野山参り」の習慣が伝わっています。

 この神野山において、昭和60年から6年かけて奈良県置県100年を記念し、県・村等により林内に遊歩道を設け、丸太を組み合わせてつくるログハウスや木工館・森林科学館等が整備されました。これは「奈良県100年の森」と呼ばれ、県民の憩いと森林学習体験の場として果たす役割は大きなものとなっています。また、交通の便の良さから大阪方面からのハイキングやレクリエーションのための利用も今後増加するものと思われます。



●関係自治体

   奈良市  山添村



●沿革

   昭和50年07月01日 県立月ヶ瀬神野山自然公園指定



●地種別面積(ha)

市村

特別保護地区

特別地域

普通地域

公園区域

第1種

第2種

第3種

合 計

奈良市

-

-

209

101

310

23

333

山添村

-

11

69

94

174

-

174

合計

-

11

278

195

484

23

507