土庫病院

橋口 泰弘 先生

医療法人健生会 土庫病院
ジュニアレジデント
橋口 泰弘(はしぐち やすひろ)先生

研修期間:研修医1年目
出身:鹿児島県
出身大学:奈良県立医科大学

〒635-0022 奈良県大和高田市日之出町12-3
TEL:0745-53-5471
FAX:0745-53-5857
病院URL:http://www.kenseikai-nara.or.jp/dongo/

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  • 医師を目指したきっかけについて、教えてください。
     大学を卒業後、化学薬品の製造業で研究職をしていました。もちろん化学が好きでしたし、それなりの遣り甲斐もありましたが、母が看護師で、姉が医師という家庭環境でしたから、医療にも興味があったんですね。化学企業でフラスコを撹拌したり、そういった実験器具に囲まれてというよりも人と接する仕事がしたいと思うようになり、その中で遣り甲斐を感じられたのが医師だったんです。人生は一度きりですし、親からもサポートを受けられる環境にありましたので、29歳のときにチャレンジすることになりました。宅浪して、3年かかりましたよ。もともと2年という約束でしたが、「これで駄目なら就職します」という泣きの1回で何とか合格することができました。
  • 学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。
     奈良医大は再受験組が多く、その人たちと仲良くなりました。また、年齢が離れている若い人たちともそれなりに和気藹々と過ごしましたね。バーベキューや下呂温泉に一緒に行ったりしました。卒業旅行が一番、楽しかったです。部活動は社会医学研究会、いわゆる社医研に入り、ホスピスで月に1、2回のボランティアをしていました。
  • 大学卒業後、研修先を土庫病院に決めた理由をお聞かせください。
     ほかの病院とも迷った時期はありましたが、奈良の民医連には大学3年生のときに実習に行ったのがきっかけでずっと連絡を取り合っていたんです。その中でスタッフの方とフットサルをしたり、仲良くなっていたので、悪いイメージがなかったんですね。5年生の終わりに土庫病院に実習に行ったときも、先生方だけではなく、ほかの職員の方々も気さくに声をかけてくださって、雰囲気の良さを感じました。そういったフィーリングによるところが大きかったです。
  • はじめて土庫病院に来た時の印象について、教えてください。
     一言で言えばアットホームな感じがしました。医局以外のほかの部署との壁があまりなく、連絡を取りやすそうでした。土庫病院には一つの医局しかなく、全ての医師がそこに集まっているので、医局内の連絡もスムーズですね。
  • 研修内容について、教えてください。
    橋口 泰弘 先生 4月は他職種研修です。検査室、食事を作っている食養科、医事課、看護部、訪問看護などに行きました。どんな部署がどんな仕事をしているかを見て、私の顔も覚えていただいたんです。私も職員の方々の顔を覚えていきました。模擬入院もしたんですよ。模擬患者として入院し、入院患者さんが外来を通って、どういう経路で入院して、検査して、退院するのかを1泊2日で体験したんです。5月は手技研修でした。6月から主治医として患者さんを持たせていただくので、電子カルテの操作も含めて、基本的な手技を学びました。6月から半年は内科研修です。その後の3カ月は救急科、2年目は産婦人科が1カ月半あり、外科、小児科、地域医療、精神科で終わりです。色々な調整をしていただきましたし、自分で動けるような力はついてきたように思います。
  • 土庫病院での研修はイメージ通りですか。
     そんなにイメージしていなかったので、こういうものなんだなという感じですね。ほかの病院での研修もが験できないので比べることも難しいですし、受けている研修以外の研修も知りませんから、特に違っていたということもないです。
  • どのような姿勢で初期研修に取り組んでいますか。
     言われたことだけをやるのではなく、自分から指導医の先生に対して、何か意見を持っていけるようにと心がけていますが、難しいですね。心がけは良くても、中身が伴っていないところがよくあります。それから、患者さんに対しては失礼のないことも心がけています。高齢者の方が多いので、馴れ馴れしい口調になってしまうこともありがちですが、ある程度の信頼関係を築けるまでは節度をもって対応したいです。
  • 指導医の先生のご指導はいかがですか。
     指導医の先生は2人いらっしゃいますが、必ずどちらかの先生が指導についていただけるという体制です。何か困ったときにはコンサルトできるような環境ですが、すぐに答えをいただけるというわけではなくて、自分ではどう思っているか、どういう方針を持っているかということを必ず聞かれるので、自分の答えを持つという勉強になっています。
  • 当直の体制について、教えてください。
     内科研修の間は月に2回でした。体制としては病院全体として上級医が2人、それに初期研修医がプラスという形になります。
  • 当直ではどのようなところが勉強になっていますか。
     どんな患者さんが来るか分からないので、どの患者さんの場合も勉強になっています。ある程度はステレオタイプの対応もあり、型にはまったところからの研修ではありますが、その患者さんに合わせて検査などをしていきますので、電話が鳴るたびに、どんな患者さんがいらっしゃるんだろうと不安や恐怖感はありますね。
  • カンファレンスはいかがですか。
    橋口 泰弘 先生 定期的に行っている勉強会としては毎週火曜日の夕方から臨床推論の勉強会があります。指導医の先生が症例を提示され、経過を見ながら鑑別疾患を挙げて、この疾患は何かということを皆で考えていきます。
     水曜日にはその週に入院された患者さんの新入院カンファレンスがありますので、そこでプレゼンしています。金曜日の夜はウィークエンドカンファレンスです。自分の持っている患者さん全員の症例をプレゼンします。カンファレンスではプレゼンが求められますが、症例のプレゼンには慣れていないので、毎回、悪戦苦闘しています。
     また、4月から3、4カ月かけて、各専門の先生方が頭痛、発熱、症候学などの勉強会をしてくださいました。
  • 他職種との関わりについて、教えてください。
     連絡もとりやすいですし、世間話もする間柄なので、何か困ったことがあったり、相談したいことがあったら、すぐに連絡をしています。病院全体として、全員の顔が見えるという関係を作っていますから、働きやすい職場であると思いますね。
  • どんな医師になりたいですか。
     行く科によって変わってくるでしょうが、漠然とした言い方をすれば、あまり診療科にとらわれないような医師になりたいなとは思っています。何か困っていたり、身体に不調をきたしている患者さんが来られたときに、「ちょっと私、それ専門じゃないので、専門のところに行ってください」と言うよりも、少しでも患者さんのためになることができるような医師、力になれて、頼られる医師になりたいです。
  • 休日の過ごし方について、教えてください。
     基本的に日曜日が休みなので、小学生の息子と遊んだりすることが多いですね。大型バイクでツーリングすることもあります。土曜日は隔週で休みで、仕事のときは午前中までの勤務ですが、勉強会などがあれば出席しています。また、学会も土曜日にあることが多いので、学会に行くこともあります。休みは前もって決めるので、学会に行く日は出勤日にしています。
  • 病院のPRをお願いします。
     土庫病院は199床という小さい病院ですし、初期研修医もそんなに多くないので、症例や手技に関してはかなり豊富にあります。お互いに顔の見える関係で仕事をしていますので、仕事をしやすく、アットホームな感じです。私がこの病院を選ぶポイントにもなったことでもあります。研修医だからといって意見が言えないこともなく、意見を言いやすい雰囲気があるのがいいところです。
  • これから研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。
     病院を選ぶポイントは人それぞれ違いますから、メッセージやアドバイスは難しいですが、どこの病院に行ったとしても、動くのは自分なので、自分次第なのかなというのは言えますね。私は病院の中身を比較して決めたわけではなく、フィーリングに合うところを選びました。外から見ても分からない部分は絶対にあります。私は社会人をしていたので、それが分かっていましたから、フィーリングで選んで良かったです。十分、悩んで決めた病院が一番いいんですよ。病院見学では隅々まで見ることはできませんが、ある程度の雰囲気をつかめますので、行ってみてください。気になる病院があれば、可能な限り、実際に見てみることをお勧めします。

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