奈良県西和医療センター

原田 涼香先生

奈良県西和医療センター
ジュニアレジデント
原田 涼香(はらだ すずか)先生

研修期間:研修医2年目
出身:大阪府
出身大学:奈良県立医科大学

〒636-0802 奈良県生駒郡三郷町三室1丁目14-16
TEL:0745-32-0505
FAX:0745-32-0517
病院URL:http://seiwa-mc.jp/

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  • 医師を目指したきっかけについて、教えてください。
     高校3年生まではこういうことをやっていきたいということがあまり決まらないまま、何となく受験勉強をしていました。3年生になり、塾の講師に進路について相談したときに医学部を目指してみたらどうかとアドバイスを受けたのがきっかけです。それから、医学部を目指して勉強すると同時に、医師について調べていくうちに遣り甲斐のある職業だと感じるようになりました。
  • 学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。
     部活動はせず、家庭教師や個別指導のアルバイトを頑張っていました。自分が教えた生徒が大学に入学したり、大学を卒業したという報告を受けると嬉しかったですし、人に教えるのは楽しいことだなと学ばせていただきました。
  • 大学卒業後、研修先を市中病院に決めた理由をお聞かせください。
     市中病院か大学病院かということであれば市中病院が良かったです。大学病院は圧倒的に人数が多く、それによるメリットももちろんありますが、私は比較的、少人数で、多くても10人ぐらいのところで研修したかったんです。市中病院は大学病院のような珍しい疾患を診る機会は減りますが、コモンディジーズをしっかり診たいと考えていました。
  • 研修先を西和医療センターに決めた理由をお聞かせください。
     私は消化器外科志望だったんですが、初期研修では内科をきっちりやりたいなという希望がありました。内科の中では循環器内科に最も興味があり、西和医療センターは循環器に強みがある病院でしたので、こちらに決めました。
  • 消化器外科を目指したきっかけについて、教えてください。
     ポリクリです。もともと内科系か外科系で言えば外科系に興味があったのですが、消化器外科には興味がなく、脳神経外科が良かったんです。でも、ポリクリで消化器外科の面白さを感じ、私もやってみたいと思うようになりました。
  • 研修内容について、教えてください。
    原田 涼香先生 ポイントは2点あります。カリキュラムの自由度が高いこととレクチャーが多いことです。カリキュラムに関しては必修と選択必修を埋めたら、8カ月ぐらいが選択になるのですが、院内はもちろん、奈良県立医科大学附属病院や奈良県総合医療センターにもスムーズに行かせていただけます。興味のあるところを優先して研修できるよう、融通を利かせていただいています。地域医療では奈良県立五條病院に行くことが多かったのですが、私の場合は将来を考え、国保中央病院のホスピスに1カ月、行かせていただきました。前例がなくても話を進めていただき、向こうでもよくしていただけたのは有り難かったですね。
     レクチャーは主に月曜、水曜、金曜の夕方か夜、1時間から2時間あります。他科の先生やコメディカルスタッフも来てくださり、初期研修医に必要な知識を中心に色々なことを教えていただいています。このレクチャーのお蔭で、今まで見過ごしていたことを注目するようになったりしました。循環器が強い病院ですので、毎週金曜日には心電図や聴診の講義もありますし、2カ月に1回、外部の先生による講義もあります。
  • 今までどういったローテートをしてきましたか。
     外科2カ月、内科、腎臓内科2カ月、消化器内科2カ月、循環器内科2カ月、麻酔科2カ月、大学の消化器外科2カ月、小児科2カ月、大学の救急科2カ月、放射線科が2カ月、国保中央病院のホスピスに1カ月、今が2回目の循環器内科が2カ月、残り3カ月はハートランド信貴山で精神科を1カ月、最後が2回目の麻酔科を2カ月です。
     外科は最初の2カ月だけでいいのかなと思っていましたが、上の先生方に知っていただくことも兼ねて大学病院にも行ったんです。入局への偵察という気持ちもありました(笑)。
     循環器内科では術前術後の管理なども含めて内科的な部分を学びました。麻酔科は手術に直結してきますし、麻酔科の先生方も私が消化器外科志望ということを知ってくださっているので、消化器外科症例に優先的に入れてくださったんです。自家麻酔で知るべきことなど、私の進路を踏まえた指導でしたので勉強になりましたし、最後にもう一度、回らせていただくことにしています。
  • 西和医療センターでの研修はイメージ通りですか。
     初期研修医の人数が少ない病院を希望していたわけですが、各科に一人ずつしか回らないので、ほかの人がどこまでできているのか分からず、日常の比較対象がいないことが心配ではありました。しかし、ずれはどこかで生じてくるものですし、上の先生からも気づかせていただけますので、余程、出遅れていない限りは問題にならないように思います。
     研修内容は期待通り、もしくは期待以上に経験させていただき、勉強になりました。プログラムの自由度も高かったですね。大きな病院では回りたい科があっても、既に何人かが希望していることがあると聞きますが、当院ではマイナー科でも空いてさえいればすぐに入れます。外の病院にもスムーズに行けたことも良かったです。
  • 外の病院での研修はいかがでしたか。
     外の病院に出て良かったことはこの病院の便利なこと、恵まれているポイントが分かったことです。病院自体のローカルルールが結構あるものなのだということをこの段階で見せていただいたのは勉強になりました。
  • どのような姿勢で初期研修に取り組んでいますか。
     個人的な考えですが、「研修医は雑用してなんぼ」です。一番の下っ端なんだということを意識しつつも、卑屈にならず、雑用に見えることでも学ぶことは多くあるので、余裕があるときには積極的にさせていただいたりしています。当直では採血やルートを看護師さんが全てしてくれるのですが、これは医師の仕事、これは看護師さんの仕事だと分けてしまうのではなく、私にとっては有り難い手技だと思って、経験させていただいています。
  • 指導医の先生の指導はいかがですか。
     どの科の先生も非常に親切です。当院は誰が指導医だとはっきり設定していない科の方が多いんです。内科系は上の先生が「一緒に名前を入れておくよ」と言ってくださるので、一緒に診させていただいて、相談させていただくという形です。循環器内科には10人以上の指導医の先生がいらっしゃいますが、それぞれの指導方法が違います。ほとんどをご自分でなさる先生もいらっしゃいますが、9割方を初期研修医に任せてくださる先生もいて、カルテ上での定期的なチェックを受けるなど、色々なパターンの指導を受けたことが面白かったですね。
  • 当直の体制について、教えてください。
     年末年始を除けば、月に最低5回、希望があれば6回で、平日4回、週末1回が基本です。勤務自体は日勤帯の終わり、17時15分から翌日の朝8時半までです。人員的な体制としては、内科医師が1人、CCU当直が常に1人いますので、循環器科医が誰か1人は泊まっています。外科系は1人、日によっては小児科や産婦人科、心臓血管外科も1人います。初期研修医が少ないので、枠を全て埋めることはできませんが、輪番の日を優先する形で初期研修医が配置されています。内科系は幅広く一般的な患者さんをとりますが、外科系はターゲットが絞られてくるので、初期研修医は興味のあるところを見てよいということになっています。自分が内科で診た患者さんが脳神経外科の手術が必要であれば、脳神経外科の先生に紹介しますが、内科の患者さんが引き続いて来ていても、内科の先生にお願いして、脳神経外科の手術に入ることもできるんです。内科が落ち着いてきたら、小児科の処置だけさせていただくこともできますし、好きなように動かせてもらっています。
  • 当直ではどのようなところが勉強になっていますか。
    原田 涼香先生 日常業務の中で初期研修医が主導権を握って何かをするという機会は少ないですが、当直は一番前に立って仕事ができる場です。今は日中の外来も部分的にお手伝いをさせていただいていますが、数が限られますから、外来の機会としては当直がいいですね。最初は上の先生がされていることを見学するのが基本ですが、半年後からは初療をして、ある程度、結果が出揃ったときに上の先生が合流してくださることもあります。上の先生によって、パターンは異なりますが、最終的には必ずバックアップがあります。最初の問診、検査、診察をほぼ初期研修医に任せてくださる先生も多いですが、重症の患者さんであれば最初から一緒に診てくださるので、不安なことがありません。放置されず、勉強もさせていただけるので、安心して研修に臨めました。
  • 他職種との関わりについて、教えてください。
     非常にやりやすいです。大学病院ではCTやMRIにあたって丁寧な説明が必要だと聞きますが、当院はハードルが低く、すぐに撮れる環境だと思います。その分、放射線技師さんと関わることが多いですが、無理なことを言っても、嫌な顔をせず、気さくに、すぐに走って対応してくださっています。臨床工学技士さんも親切にしてくださるので、助かっています。
  • どんな医師になりたいですか。
     もちろん患者さんのことを常に考えている医師になりたいのですが、ただ優しくするだけが患者さんのためでもないですいし、理想としては厳しくしないといけないところは厳しくして、優しくするべきところは優しくしてということですね。例えば、生活習慣病の人には生活指導をきっちりしていかないといけないのですが、ついつい「じゃ、もういいですよ」といったことを言ってしまうので反省しています。結局、患者さんのためにならないですからね。今は厳しく指導するときの技を習得したいと思っています。
  • 休日の過ごし方について、教えてください。
     休みの日は友達と食事に行くか、インディーズバンドを見にライブハウスをうろうろしているかという感じです。友達と集まりやすいので、大阪に出ていくことが多いですね。西和医療センターのある王寺にはこれまで全く縁がなく、どんなところかよく分からずに来てしまいましたが、大阪の延長のようなイメージも若干ありますね。大阪へのアクセスがいいので、大学時代よりも大阪に行く機会が増えました。
  • 病院のPRをお願いします。
     初期研修医は何も分からない状態で働き始めるので、他科の先生方やコメディカルスタッフとの垣根が低い市中病院は周囲からのサポートや見守りがあるという意味で、本当に有り難い環境です。当院はその環境を享受できる病院ですよ。カリキュラムやレクチャーといった特徴ももちろんありますが、こういった全体の環境が最も大事だと私は思いますので、この点を推したいですね。
  • これから研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。
     私の場合はこの病院が自分に合っていたのでラッキーでした。皆さんも機会があるなら、積極的に見学に行って、病院それぞれの雰囲気が自分に合っているかどうかをしっかり確認した方がいいですね。同じような規模の病院でも、病院の雰囲気は病院によって違いますし、自分がそこに馴染みやすいかどうかということが、漠然としたことですけど、とても大事です。奈良県西和医療センターにも是非、見学に来てください。

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