市立奈良病院

平井傑先生

市立奈良病院
ジュニアレジデント
平井 傑 (ひらい すぐる) 先生

研修期間:2010年4月~2012年3月
出身:奈良県香芝市
出身大学:奈良県立医科大学
卒業年度:2009年度
(※所属は2012年3月インタビュー当時)

〒630-8305 奈良市東紀寺町一丁目50番1号
TEL:0742-24-1251
FAX:0742-22-2478
病院URL:http://www.nara-jadecom.jp/

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  • 医師を目指したきっかけを教えてください。
     高校2年生の時に自閉症や依存症等の精神疾患に興味を持ち、精神科医になりたいと思ったのがきっかけです。現在も精神科医になりたいと思ってはいますが、初期研修の中で地域医療に触れたことがきっかけで家庭医という医療の形に興味を持ち、3年目以降は地域医療(家庭医療専門医)に進む予定です。
  • 学生時代のお話を聞かせてください。
     大学で合気道部の主将をしていました。合気道2段を取りましたし、西日本医科学生総合体育大会(西医体)では5年の時に3位になりましたので、自分としてはかなり頑張ったと思います。国試については、6年の夏で実習と合気道の大会が終わり、それからは勉強一本に集中しました。
  • 大学卒業後の研修先に市中病院、大学病院どちらにするのか迷いましたか。
    少し悩みましたが大学は仲間が多いため、学生生活の延長線上に見えてしまいました。自分がやらなくてはいけないことが大学病院より沢山あって大変だと思いましたが、自分の環境を変えるために、市中病院に行こうと早い段階で決めていました。
  • 研修プログラムの中で良いところや改善して欲しいところについて教えてください。
     自分にとっては地域医療の研修がとても良かったです。
     プログラムでは、1年目は青森の診療所に1ヶ月間、2年目はまた同じ青森に1ヶ月間、その後新潟に1ヶ月間と合計で3ヶ月間行かせてもらったのですけれども、最高の体験をしました。
     国が定めた必修内容をクリアするだけであれば、本来11ヶ月の選択可能期間が残るのですが、うちの病院の場合は、選択必修で小児科・産婦人科・外科系科目が標準的に組み込まれているので、自由に選択できる期間は5ヶ月だけです。適度に自由ですし、選択必修をあまり考えずにすむので自分としては逆に楽でした。スーパーローテートに近いので、広く多く経験したいという方にはすごくマッチしたプログラムだと思います。そして、残りの5ヶ月間の内容についても、臨床研修のボスである西尾先生に相談したところ、「いいよ」と二つ返事を頂いて、すんなりと希望が通りました。ただ今後は、募集人数が増えてきているので、どうなるのかちょっと分からないですね。
     唯一うちの病院で困ったところは、院内に食堂がないことですかね。職員食堂も患者さん用の食堂もないので少し困っています。地下1階にローソンがあり、仕出し弁当の配達もあるのですが、やはり食堂がある方がいいですね。
  • 研修の中で勉強になったことを教えてください。
     自分が経験した症例を発表するカンファレンスがとても勉強になっています。救急当直の時の患者さんの場合は、ファーストタッチをやらせて頂くこともあります。その時の経験症例を発表する時に、各先生方から色々な忌憚のない意見を頂くのですが、「患者さんの生活背景とかも、ちゃんと聞いたの?」など色々と問われます。「あっ、(しまった)やっていません。」ということもあります。勉強になることばかりです。
  • 失敗談をお聞かせください。
     点滴をしている腕の同じ血管から採血をしてしまったため、すごく薄い血液を採取してしまって大騒ぎになってしまったことがあります(笑)。検査結果がほとんど点滴の成分になってしまい、顔が真っ青になったことを覚えています。指導医からは、同じ事をやらかした研修医が以前にもいたと言われました。
  • 研修医のコミュニケーションについてはいかがですか。
     情報共有や意見交換はよくしますね。みんな違う科を回っているので、次に回る科について、先に回った人から感想を聞いて、教科書は何を買ったらいいとか、逐一情報共有していました。
     研修医センターには初期研修医、後期研修医、総合診療科の先生とみんないますし、電子カルテもあります。患者さんのことで指導医の方には聞きにくいことも、先輩にはしっかり聞けます。
  • 他職種との関わりについて教えてください。
     コメディカルの方にも心臓エコーなどの検査のコツを教わったりしました。リハビリ室の技師さんには患者さんのリハビリの進み具合を教えて頂くなど、他職種の方との関わりはすごく多いですね。
  • 指導医の方の指導はいかがですか。
     指導医の方々はみなさんそれぞれのやり方というかスタイルをお持ちです。かと言ってそれを押し付ける訳でもなくて、「こういう風にした方が良いかもしれないよ」と言われます。1年目は少し違っていたかもしれませんが、2年目の時には指導医の先生から「私はその時にそのように考え、このように行動するけど、それについて君ならどうする?」というような感じで教わっていました。私の意思や意見を尊重して頂いていたのかもしれません。
  • これから進む専門(後期研修)について教えてください。
     後期研修は初期研修のローテートの中で決めた家庭医療プログラムに進む予定です。元々なりたかった精神科医を諦めた訳ではありませんので、家庭医としての基礎を持ちつつ精神科医を改めて目指してもいいとも考えています。
     地域医療で研修に行った青森や新潟では、もうそろそろ雪が降るからとか、観光シーズンに入っておりホテルが忙しいからとかで入院を先に伸ばしてくれと言われ、職業や家庭など患者さんの生活がダイレクトに見えてきます。当面、僕はそういう医療に携わっていくつもりです。
  • どんな医者になりたいですか。
     これから3年間、家庭医療プログラムに進むにあたり思うことは、もし目の前に診て欲しいと願う患者さんがいるのなら、専門がどうのこうのではなく、取りあえず診てあげられる医者になりたい。
     もし、整形外科が遠いなら、取りあえず痛み止めぐらいは打ってあげる。小児科が遠ければ、風邪ぐらいなら診る。こんなイメージですかね。
  • 何か心に残るエピソードはありますか。
     実は、僕は鍵っ子だったので自炊能力が自然と身につきました。その中でお菓子に興味を持ち、作ってみたところ面白かったので趣味の一つになってしまいました。
     2年間の研修の間、研修でお世話になった先生や看護師の方々に、一つの診療科の研修が終わるたびに感謝の気持ちを込めてお菓子をプレゼントしました。皆さん本当にありがとうございました。
  • 市立奈良病院を選んで良かったですか。
     研修先を市立奈良病院に決めたのは、ポリクリの時の印象でした。奈良医大の神経内科のポリクリの一環で1日だけ市立奈良病院に行くことになりまして、その時の市立奈良病院の印象がすごく良かったのでここを選びました。「広く受け入れられる人を育てる」という売りにもひかれました。うちのように定員枠があまり大きくない病院は、何でもかんでも自分のところに回ってくるので、看護師さんからもよく電話がかかってきます。
     この2年間とても忙しかったですが満足しています。僕は何でも自分でできる様になりたかったのだと思います。
  • 医学生に向けてメッセージをお願いします。
     うちの病院の先生方は他の困っている医療機関の応援に行っておられます。宮城県の被災病院で疲弊した常勤の先生方に少しでも休んでもらうため、昨年6月にうちのボスである西尾先生が土・日に応援に行かれたときに、僕も同行させてもらいました。病棟の留守番程度だったのですが、色々な先生方とお話しができて、自分の進路を決める上でとても参考になりました。
     地域医療の研修は本当に面白いですよ。行った先の診療所長など、現地で実際に地域医療に取り組んでいる先生の生の声を直接聞ける訳ですから間違いありません。せっかくの初期研修の2年間なのですから積極的に色々な所に行って、色々な科に興味を持って見て回って欲しいですね。
     お互い24歳頃に医者になって、40年ぐらいは続けられる仕事じゃないですか。2、3年ぐらいは遠回りしても関係ないと思いますよ。ぜひ一度見に来てください。 
  • タイムスケジュール
    06:00 起床
    07:00 出勤
    08:00 病棟業務
    12:00 昼食
    17:00 業務終了
    18:00 研修医室で自己学習
    19:00 研修医室で夕食
    20:00 研修医室で自己学習
    22:00 帰宅
    24:00 就寝

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