市立奈良病院

上野 優樹先生

市立奈良病院
ジュニアレジデント
上野 優樹 (うえの ゆうき) 先生

研修期間:研修医1年目
出身:奈良県奈良市
出身大学:奈良県立医科大学

〒630-8305 奈良市東紀寺町一丁目50番1号
TEL:0742-24-1251
FAX:0742-22-2478
病院URL:http://www.nara-jadecom.jp/

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  • 医師を目指したきっかけについて、教えてください。
     高校生の頃、理系と文系を選ぶ瞬間がありましたが、そのときは医師になるといった考えはなく、数学や物理が得意だという流れで理系を選びました。いざ大学受験というときになって、理系の中で職業を考えるにあたり、人に接することができる職業ということで医師だと思ったんです。人と最も近く接することができ、人と話すことによって、何かを生み出す職業なのだと感じましたね。
  • 学生生活ではどんなことが思い出に残っていますか。
     空手部での活動です。西日本の大会では団体で準優勝したり、3年生のときに西医体の競技責任者となり、全大学をまとめて、日程調整などをしました。きつかったですが、一番の思い出です。
  • 大学卒業後、研修先を市中病院に決めた理由をお聞かせください。
    上野 優樹先生 一番の理由としては大学病院よりも市中病院の方が医師同士の距離が近いと感じたことです。大学でも上級医の先生と気軽に話せますが、市中病院はより密な印象を受けました。市中病院の方が初期研修医一人あたりができる仕事が多そうでしたし、任せていただけそうでした。ポリクリを回ったうえで、5年生の終わり頃から病院見学を始めたのですが、市中病院の初期研修医が自主性を持って仕事をしているのを見たのが大きかったです。大学は診断のついた、珍しい疾患を診られるのがいい点ですが、市中病院の先生たちのように全部を把握する姿勢を身につけたいと思いました。
  • 研修先を市立奈良病院に決めた理由をお聞かせください。
     整形外科に興味があったからです。6年生になる前は県外の病院に行ってみたくて、救急車が多く来る病院や経験の積める病院に憧れていましたが、6年生になった頃に奈良県に残りたいと考えるようになりました。市立奈良病院は整形外科が有名ですし、整形外科に熱心に指導してくださる先生方がいらっしゃるので、ここで経験させていただきたい、このまま奈良県に残って整形外科医になりたいと思い、選びました。
  • 整形外科を目指したきっかけについて、教えてください。
     5年生でポリクリが始まった頃はどの診療科に行くかを全く考えていなかったのですが、5年生の半ばに、空手の試合で怪我をして、初めて救急車に乗って病院に行き、脱臼を整復していただいたんです。処置としては簡単なものですが、こんなに簡単な処置で人を楽にしてあげられるのはいいなと感じました。整形外科の疾患は疾患らしさが少ないものもあるので、整形外科医は医師らしくないと敬遠する人もいますが、簡単な動作で効果を上げられるのは患者さんの満足度の高さに繋がる仕事だと思いました。
  • はじめて市立奈良病院に来たときの印象について、教えてください。
     6年生の初め頃に整形外科の実習で来ました。新築なので綺麗でしたし、初期研修医が初期研修医とは思えないぐらい優秀だと感じました。研修医同士や指導医との先生との雰囲気も良かったですね。話しやすいだけでなく、しっかり教えていただけそうでした。今の私たちもそういうふうに教えていただいたのだから、下の人たちに気さくに話しつつも、しっかり教えようという姿勢が出てきていて、良い循環になっていると思います。
  • 研修内容について、教えてください。
     当院のプログラムで一番いいのは地域医療が3カ月あるところです。ほかの病院は通常1カ月ですが、地域に行って、色々な場所で経験を積んできた先生方と1カ月ずつ回ると、違った視点を得られます。同じ病院内をずっと回っていると視点が定まってきてしまいますが、ほかの先生方を見て、「こういう患者さんとの接し方もあるのか」とか、「こんな内服の方法もあるのか」といった視点を得られるのが貴重です。地域医療は1年目に1カ月、2年目に2カ月あり、それぞれでできることは変わります。1年目は見学や簡単な診察が中心ですが、2年目では病院によっては診察室で診察をしたり、検査にも携われたりします。開業医の先生のようなこともさせていただけますので、そういう機会が3カ月あるのは有り難いです。
  • 今までどういったローテートをしてきましたか。
     総合診療科を2カ月、地域医療1カ月、整形外科1カ月、救急科2カ月、循環器科2カ月を経て、今は小児科を2カ月、回っています。
  • 市立奈良病院は総合診療が有名ですね。総合診療科での研修はいかがでしたか。
     上級医の先生方から熱心な指導がありました。最初の2カ月は業務に慣れるまでが忙しく、ばたばたしたり、薬の出し方なども分かりません。そんな中で、患者さんへの接し方や、診察して、治療して、退院までという流れを教えていただきました。忙しかったので、そこまで覚えていないのですが、先生方のフォローをいただきつつ、医師はこんなふうに働くのだということを実感できましたね。
  • 市立奈良病院での研修はイメージ通りですか。
     イメージは土曜、日曜も出勤して、全く寝られないというものでしたが、意外に仕事に忙殺される感じがありません。これは当院の良いところでしょう。自分の時間もありますし、院外の友人と遊ぶ時間もあります。
  • どのような姿勢で初期研修に取り組んでいますか。
     周囲の初期研修医ができることは私もできるようになりたいです。私の知らないことを話している人がいれば、私も調べて、追いつこうとしています。ほかの病院の人に会ったときに話についていけるように知識量を蓄えたり、目の前のことをできる限り、しっかり行っていきたいです。
  • 指導医の先生のご指導はいかがですか。
     とても熱心で、忙しくても時間があれば構っていただいています。難しい疾患の患者さんが当たったりすると、先生方が「大丈夫」と声をかけてくださって、忙しさの面でも、メンタルの面でも支えていただいています。
  • 当直の体制について、教えてください。
     月に当直が4回、日直が1回ですね。日によって違いはありますが、1年目の初期研修医1人、2年目の初期研修医1人と上級医という体制です。後期研修医が当直に入る日もあるので、人数は2人から4人です。
  • 当直ではどのようなところが勉強になっていますか。
    上野 優樹先生 患者さんを最初に初期研修医が診るというのが当院の特徴です。命に関わるようなときはすぐに上級医の先生も来ますし、そうでない場合はファーストタッチで診断などを考えさせてもらっています。検査も自由に出させてもらっているので、一人一人の患者さんをしっかり診ることが勉強になります。無駄な検査を出したときなどは「どういう意味だ」という質問があり、よく教えていただいています。
  • カンファレンスはいかがですか。
     無駄なカンファレンスは少ないですね。フィードバックのあるカンファレンスです。話させるだけではなく、しっかり指導が入って、突っ込みも入れていただいています(笑)。カンファレンスごとに勉強になりますし、どの診療科のカンファレンスでも研修医のために行っているという雰囲気があります。
  • 他職種との関わりについて教えてください。
     非常に気軽に応じてくれて、話しやすい方が多いです。よく教えていただいています。放射線技師さんにはレントゲンのこと、薬剤師さんには投薬のことなどを話しかけていただいています。
  • どんな医師になりたいですか。
     身内に医師がいないので、全く分からないのですが、患者さんと楽しく話せるような医師になりたいです。患者さんに気軽に相談してもらえる存在でいたいですね。
  • 休日の過ごし方について、教えてください。
     受け持ちの患者さんがいるときは毎朝、診に行き、状態をチェックしています。そのあとは学生時代のように友達と遊んだり、飲みに行ったりですね。
  • 病院のPRをお願いします。
     当院は総合診療科が有名ですが、私がいいなと思っているのは勉強会です。朝7時30分から勉強会をしていて、私は学生時代は勉強会という言葉自体が嫌いでしたが、当院の勉強会は上級医の先生のもとで研修医が開くもので、レベルの近い知識を出し合っています。知識を統一したり、知らないことを学べたり、上級医の先生からフォローしていただけることを働きながらできるのは有り難いですね。
  • これから研修病院を選ぶ医学生に向けて、メッセージをお願いします。
     私が学生の頃は経験を積みたい、救急車が次々に来る病院がいい、多くの患者さんを受け持ちたいなどと考えていました。しかし、自分の能力をしっかり見極め、余裕を持てる研修病院を選んでほしいです。辛いことがいいことではありません。見学を通して、自分のレベルに合った病院を選びましょう。その点、当院は辛すぎず、しっかり教えていただけるところが私にはとても良かったです。

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