天理よろづ相談所病院

桒田博仁先生

天理よろづ相談所病院
ジュニアレジデント
現在、内分泌内科シニアレジデント
桒田(くわた) 博仁 先生

研修期間:2008年4月~2010年3月
出身:奈良県桜井市
出身大学:奈良県立医科大学
卒業年度:2007年度
(※所属は2010年3月インタビュー当時)

〒632-8552 奈良県天理市三島町200番地
TEL:0743-63-5611
FAX:0743-63-1530
病院URL:http://www.tenriyorozu-hp.or.jp/

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  • まず、医学部を目指した動機から、お聞かせください。
     医師というのは、小、中学生のときから、『人の役に立つ』という実感ができる仕事だと思っていました。実際に決定したのは高校生のときです。大切な試験の前に熱を出してしまい、開業医の先生のところにうかがったんです。初めて行ったクリニックだったのですが、熱心に対応していただきました。薬もパッと出すのではなく、「試験のときに眠くならないような薬にするね」と言っていただいたりして、こんな医師になりたいなと改めて考えるようになりました。
  • 大学時代の思い出をお話しくださいますか。
     実家は公務員をしながら、農業もするという兼業農家なんです。田んぼのほか、林業もやっていまして、かなり忙しく、私もずっと手伝っていました。学内の思い出としては文化祭ですね。出店を出したり、吉本の芸人さんを呼んだりなど、同級生全体で作り上げました。盛り上がりましたよ。
  • 初期研修の病院に、天理よろづ相談所病院を選ばれたのはどうしてですか。
     4つか5つの病院を見学に行き、最終的に大学病院か天理よろづ相談所病院かで迷いました。天理よろづ相談所病院に決めたのは総合病棟研修などでの教育体制がしっかりしていることと、見学に行った際に、患者さんに熱心に対応している先生方を見て、こんな熱い先生方と一緒に切磋琢磨したいと思ったからです。
  • そのイメージは変わっていませんか。
     今もイメージ通りですね。12人の同期がいるのですが、仲良く頑張っています。熱心で、誠実な人ばかりで、良い仲間と巡りあえて、本当に良かったです。
  • 初期研修でのローテート順を教えてください。
     1年目は総合内科4カ月、小児科2カ月、総合内科2カ月、麻酔科4カ月です。2年目は腹部外科2カ月、循環器内科2カ月、産婦人科2カ月、精神科1カ月、地域医療1カ月、整形外科1カ月、総合内科4カ月です。地域医療では、都市型の研修として大西内科医院に1週間、山添村の国保波多野診療所に1週間、天理よろづ相談所病院白川分院に2週間行きました。
  • 将来の専攻科を決めていらっしゃいますか。
     2年目の夏に内分泌内科に行こうと決めました。学生時代から1年目までは循環器内科を目指していたのですが、心筋梗塞の患者さんが高脂血症や糖尿病も患っておられることが多く、まずはこのような疾患を学ぶ必要があると思ったんです。そのうえで、将来は循環器内科にシフトしても良いかなと考えています。
  • 天理よろづ相談所病院の研修プログラムの特徴について、お聞かせください。
     総合内科が充実していることと麻酔科が4カ月あることです。期間が長いので、気管挿管、中心静脈穿刺などのほか、研修医があまりやらない硬膜外麻酔などの手技も経験できます。将来、内科を目指す人であっても、麻酔科の知識は必要なので、良いシステムだと思います。
  • 天理よろづ相談所病院の研修で、勉強になっているのはどんな点でしょうか。
     教育体制がしっかりしていることと指導医の先生方の指導が上手なことでしょうか。指導医の先生方は答えを出してくれるだけでなく、答えに辿り着けるような糸口を与えてくださるんですね。カンファレンスも充実していますので、分からないことをその場で聞けます。特に総合病棟でのカンファレンスはとても良かったです。
  • 総合病棟について、ご説明くださいますか。
     総合病棟は2つのナースステーションから成り、81床を持つ、研修医の教育を主な目的として開設された混合病棟です。入院の患者さんは各科専門外来と総合外来から、研修医の教育目的を考慮して選ばれます。入院患者さんの大部分は内科系で、循環器も消化器も問題があるような患者さんが来られます。研修医は1年次で数人、2年次は10人前後の患者さんを受け持ち、患者さんごとに専門医が主治医責任をもった指導医としてつき、診療科部長の回診を受けます。患者さんの診療科が異なる場合には指導医もそれぞれつきますので、同時に多数の専門診療が経験できます。単科の疾患を診るだけでなく、心筋梗塞で循環器内科の診察を受けた患者さんが肺炎になってしまった場合など、1人の患者さんを全人的に診られる点で勉強になりますね。
  • 総合病棟のカンファレンスはどのような雰囲気ですか。
     6科の診療科部長がそれぞれ週に1回開いています。その他にも毎朝のモーニングカンファレンスでは新規の患者さんについて症例が呈示されます。そこで上級医の指導を仰ぐのですが、熱心にディスカッションできる、良い雰囲気です。
  • 当直の体制について、お聞かせください。
     1、2年目の研修医が1人ずつとシニアレジデントが1人です。そしてバックアップとして、スタッフの医師が1人つきます。回数は月に4回程度です。
  • 初期研修に際し、何か不満はありますか。
     ほとんどありません。ほかの病院と異なり、選択期間が全くないのですが、強いて言えばこの点ですね。しかしながら来年度からは選択期間が設けられるようです。
  • 初期研修の中で、印象に残っていることはありますか。
     患者さんから「ありがとう」と言われると、嬉しいですね。中学3年生の男の子が入院してきたことがあり、とてもシャイな子でしたので、最初はあまり打ち解けられなかったんです。でも、元気になって退院するときに、手紙をくれたんですよ。読みながら、良かったなと思いました。
  • 逆に、辛かったことはありますか。
     自分の担当患者さんの治療がうまくいかず、どれだけ治療しても治らないときは辛いです。
  • 失敗談をお聞かせください。
     当番を忘れていて、遠くに出かけてしまったことがあります。急いで戻ったので、何とか間に合いましたが、冷や汗ものでした(笑)。
  • 指導医の先生のご指導はいかがですか。
     とても熱心で、丁寧ですね。単に答えを教えてくださるのではなく、研修医が考えるべきことを鍛えてくださる指導です。
  • コメディカルの方々とのコミュニケーションはいかがですか。
     放射線科の技師さんは非常に優秀な方が揃っています。分からないことは直接、尋ねていますが、いつも丁寧に教えてくださいます。
  • 今後のご予定をお聞かせください。
     後期研修は天理よろづ相談所病院の内分泌内科で行う予定ですが、それから先については未定です。患者さんを全人的に診て、患者さんの痛みが分かる医師になりたいと思っています。
  • 現在の臨床研修制度について、ご感想をお願いします。
     私がこの病院を選んだのはスーパーローテート制度があったからなので、もちろん良い制度だと思っています。満足できる2年間を過ごせました。
  • 臨床研修病院を選ぶ方にアドバイスをお願いします。
     「どこの病院に行っても、やる気があれば良いよ」と聞きますが、私はどこの病院でも同じではないと思います。やる気だけでなく、きちんとした受け皿がないといけません。見学に行って、研修医が働く姿をよく見てください。その病院が自分の考え方や将来の希望に合うかどうか、じっくり見極めると良いでしょう。
  • 最後に、ご趣味など、プライベートについてお聞かせください。
     ダム湖に行って、魚釣りをするのが好きです。80センチほどの鯉を釣ったこともありますよ。ただ、研修医になってから一度も行っていないので、時間を見つけて、また行きたいですね。
  • タイムスケジュール

    総合病棟研修の場合

    06:30 起床
    07:00 出勤
    07:30 モーニングカンファレンス
    08:30 病棟回診
    10:00 カンファレンス
    12:00 昼食
    13:00 病棟業務
    18:00 夕食
    18:30 病棟業務
    20:00 退勤
    21:00 勉強
    24:00 就寝

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