大和高田市立病院

岡村隆仁先生

大和高田市立病院
指導医
岡村 隆仁(おかむら りゅうじ)先生

大和高田市立病院 副院長
(※所属・役職は2011年3月インタビュー当時)

〒635-8501 大和高田市礒野北町1番1号
TEL:0745-53-2901
FAX:0745-53-2908
病院URL:http://www.ym-hp.yamatotakada.nara.jp/

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  • プロフィール
    1956年東京都立川市で生まれ、大阪市で育つ。
    1981年京都大学医学部を卒業後、京都大学第2外科で研修を行う。
    1982年高知市立病院で勤務した後、京都大学大学院で肝移植の研究を行い、1992年学位を取得する。
    その後京都市立病院での勤務を経た後、1999年大和高田市立病院に着任。
    2001年から同病院の外科部長に、2003年から副院長に就任する。また2004年から京都大学医学部臨床教授を兼任する。
    専門は消化器外科・乳腺外科。日本外科学会指導医・専門医、日本消化器外科学会指導医・専門医、消化器がん外科治療認定医、日本乳癌学会専門医、日本がん治療認定医機構暫定教育医など。
  • 先生の研修医時代のお話を聞かせてください
    岡村:当時は、もちろんスーパーローテートの研修でなく、外科一筋で研修を行っていました。そのころの大学病院での研修と言えば、雑用は全て研修医の仕事で、点滴作りや看護師が行うはずの仕事もよくしていましたね。
  • 先生は外科一筋ですが外科の魅力とは
    岡村:病気を手術で治せるという点です。自分の能力を試されるところがあり、うまくいった時の達成感が大きいですね。難しい手術が終わり無事に退院された時には本当にうれしくなります。逆にうまくいかなかった時は大変な失望感を味わうことになります。そのショックが今後の自分のスキルアップの糧になると思っています。
  • 大和高田市立病院は外科が充実しているようですが
    岡村:外科だけでなく、消化器内科や他の科も充実していますが、外科は症例が多いこともあり、外科医師も8人います。スタッフ5名と後期研修医3名で、若いドクターが活躍しています。最近では腹腔鏡下の手術症例も多いですね。これからの医療は、腹腔鏡下手術が重要になってきますので若い方に魅力があるようです。当院では胆石・胃癌・大腸癌の他、虫垂・脾臓・膵臓も腹腔鏡下に手術を行っています。症例数は胆石で年間100例くらいですかね。胃癌は早期癌が多く、ESD症例の増加で腹腔鏡下手術は少なくなりましたが、年間20~30例、大腸癌はほとんど腹腔鏡下に行いますので年間40~50例くらいですね。
  • 現行の研修医制度については
    岡村:研修医にとっては良い制度だと思います。たとえば内科を6ヶ月間研修することは、将来他の科に進む医師にとってもとても良い経験になりますね。最近では、研修科の選択の自由度が高くなり、さらに制度が改善されました。我々指導医も、研修医に対し、「将来進むつもりのない科でも今の研修が将来きっと役に立つよ」と励ますようにしています。ただ医局制度が崩壊したことは大きな問題ですね。以前は大学が関連病院に医師を派遣していましたが、今は各病院で医師を確保する必要があります。
      もうひとつ変わったことは、私達の頃と違って、今は指導医が研修医に対して優しくなりましたね。もちろん、私自身もとても優しいですよ。
  • 大和高田市立病院の研修の特徴を
    岡村: 研修医と指導医の間に若手医師が入って研修を行う屋根瓦方式を採用しています。年齢の近い医師から教わった方が具体的でわかり易いことも多く、また教えることで学べることもあり、若い医師達にとって有益な学習法と考えています。
    また研修医の自主性を重んじていますので、先ず研修医に自分で考えさせたことを先輩の医師が確認し、適宜修正しながら指導しています。例えば救急では2年目の研修医がファーストコールを受けます。指導医が常にそばにいますが、まず研修医自ら考えた後、指導医が指導し治療方針を決定しています。数多くの救急症例を経験すると、大変勉強になります。
    さらに救急のトレーニングと並んで、麻酔科の研修期間は約1ヶ月間ですが、その間に約100例の挿管を行ってもらいます。将来進む科によっては、全く挿管することがない可能性もありますので、生涯忘れることがないように研修してもらうようにしています。
    2年目の選択科の自由度が高いのも特徴です。耳鼻科2週間、皮膚科2週間などの細切れ研修も可能です。各科の部長にも理解してもらっています。
  • 研修医は何名くらいですか
    岡村:大和高田市立病院は、独自の研修医だけでなく、京都大学とのたすき掛けプログラムもありますので、多いときには1学年4~5名となります。大体は2~3名ですね。
  • 勤務環境はいかがですか
    岡村:病院の向かいに大きな池のある公園がありまして、とてもきれいな場所です。各科に若い医師が多く、研修医にとって居心地のよい環境だと思います。
    さらに研修医もきちんと休みが取れる体制にしています。 また女性医師(スタッフ)が増えたこともあり、女性医師専用の休憩室も用意しています。出産や育児のために忙しい女性医師のために、9時から5時までの勤務で、当直なく、入院患者も受け持たない制度もあります。
  • 指導する立場として学んでほしいことは
    岡村:患者さんの気持ちがわかるドクターになって欲しいですね。「患者さんの立場になって」と、よく言いますが「自分の家族だったらどうするだろうか?」という考えを常に持って治療を行うことを心掛けて欲しいと思います。
  • 最近の研修医の方々はいかがですか
    岡村:当院の研修医はみんなまじめです。外科では毎朝8時からミーティングを行いますが、遅刻する者も全くいません。とてもよく勉強しています。
    ただ得て不得手がありますので、自分の適性にあった科を選んだ方が良いこともありますね。1年目から虫垂炎の手術ができる人もいれば、糸結びの苦手な人もいます。
  • 研修医の必要な心構えは
    岡村:医療では絶対に間違ってはいけないことがあるのを理解して欲しいです。例えば抗癌剤治療や糖尿病の治療では、医療行為で命を失うこともあり得ます。病院として、研修医の処方を厳重にチェックしていますが、自分の行った治療に責任を持つことを覚えなければなりません。医療は物を作る仕事と異なり、生命に関わる行為であるという自覚を持って、仕事をして欲しいと思います。
  • 医学生に対してメッセージを
    岡村:当院は京都大学の関連病院というイメージが強いかもしれませんが、実際には京都大学出身の先生だけでなく、奈良医大出身の先生も大勢います。学閥にとらわれないのが特徴です。明るく楽しい研修をお約束しますので、ぜひとも一度見学に来てください。

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