大和高田市立病院

濱戸教行先生

大和高田市立病院
指導医
濱戸 教行 先生

大和高田市立病院 内科(消化器)
(※所属・役職は2013年3月インタビュー当時)

〒635-8501 大和高田市礒野北町1番1号
TEL:0745-53-2901
FAX:0745-53-2908
病院URL:http://www.ym-hp.yamatotakada.nara.jp/

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  • 当院の特徴やポジションについてお聞かせください。
    濱戸:奈良県には奈良県立医科大学という大学病院があり、当院大和高田市立病院はそれを補完するような地域の中核病院としての役割があると思っています。大学病院でなければ治療できないような症例を除いて、基本的には本院だけでほとんどの症例が完結できるといった特徴があると思います。
  • 先生のサブスペシャリティについて教えてください
    濱戸:私は消化器内科が専門です。胃カメラや大腸のカメラ、ERCPといった内視鏡を中心とした検査、消化管出血に対する内視鏡的止血術や大腸ポリープの内視鏡的切除などの治療、総胆管結石や膵癌胆管癌による閉塞性黄疸の治療などを行っています。B型肝炎やC型肝炎の治療、潰瘍性大腸炎やクローン病の治療も行っていて、消化器内科としては、何でもやっている状態ですね。
  • 消化器内科に進まれたきっかけについて教えてください。
    濱戸:基本的には最初から内科医しか考えてなかったです。大学の卒業時点では循環器内科医になりたいと考えていました。天理よろづ相談所病院で研修を行いまして、後期研修が終わる段階でも迷っていました。京都大学出身で天理よろづ相談所病院の消化器内科に在籍していた先輩の先生に相談したところ、その上の先生から直接電話がかかってきて誘われ、それがきっかけで消化器内科に入りました。
  • その魅力や面白さについて教えてください
    濱戸:内視鏡的なことですが、難易度の高い胆管の石を内視鏡で採石したり、胆管にステントをねらい通りに留置できたとか、外科的手技に近いおもしろさみたいなところが魅力的かなと思います。例えば血液内科や内分泌内科、神経内科などでは、手を動かすことが少ないかなと思います。もちろん循環器内科などでは、カテーテル治療などの処置があって消化器内科と似ていると思いますが、色々な処置によって患者さんを治すという実感がわくところが魅力的です。サブスペシャリティは消化器内科ですけど糖尿病や髄膜炎、血液疾患なども診ているので、内科一般的に症状や検査所見から色々考えて診断をつけて治療するというおもしろさがあると思います。
  • 先生の受けた初期研修について教えてください
    濱戸:天理よろづ相談所病院で初期研修を受けましたが、かなり引っ込み思案だったので、できの悪い研修医だったと思います。今もそうだとは思いますが、積極的な人にはどんどん患者さんを受け持たせるというようなところがあります。手取り足取り教えてくれないので当初は、消極的な人にはあまり患者さんを受け持たせていただけませんでした。しかし、麻酔科研修に他の研修医が異動したりして、総合病棟で研修する人数が少なくなった時期から半強制的に受け持ちが増えていき、それでだんだん実力がついてきたのではないかと思います。肝臓癌や膵癌の末期や広範な脳梗塞など致命的な患者さんも多くて、半年位で7人位亡くなりましたが直接患者さんやその家族といろいろ話をする経過で患者さんの最後をどう迎えたらいいかとかいろいろ学習しながら力がついてきました。あとは1年目が終わってから麻酔科研修に行きまして、人工呼吸器の使い方や挿管など実際に手技的なことをマスターすることで自信になりました。時間がたつにつれ否応なしに実力をつけさせてもらったという感じですね。
  • 現在の研修、スーパーローテートについてはどう思われますか
    濱戸:最初からストレートに行くよりは、様々な科を経験して色々な研修を受けることは非常に大事なことだと思いますね。当時の天理よろづ相談所病院の総合病棟では、内科はもちろん外科も小児科も同時に患者さんを受け持っていました。今の研修制度がない時期から先駆けてやっている所でした。私はそういう研修が必要だと思い、大学に残らずに天理病院に行って研修を受けたので、研修医にとって今のシステムは良いと思います。
  • 初期研修の特徴を教えてください。
    濱戸:本院では、研修の段階でかなり色々なことを手技を含め経験させてもらえるのじゃないかなと思います。特に内科の方は、救急救命センターほどではないですが、救急車で多くの急性期の患者さんが運ばれてきます。そういう患者さんを最初から指導医と一緒に受け持ち対応力を身に付けられますし、専門科は多くはないですが、上級医の先生と一緒に色々な症例を経験できると思います。
    2年目からはファーストコールで最初の救急患者さんを診てもらうなどが一つのポイントになっているのかなとも考えています。
  • 指導の際に心がけていらっしゃるのはどんなことでしょうか。
    濱戸:やっぱり患者さんの立場にたった医療ができるかどうかですよね。患者さんの身になって考えることができるかということが大事かと思います。あとは基本的な診察の手技や病歴のとりかた、カルテの書き方などですね。病歴に基づいて考え、その問題点から診断して治療をする一通りの流れをマスターすることです。
  • 研修医に対して、これだけは肝に銘じておくべきだということをお聞かせください。
    濱戸:患者さんの立場にたってまず考えるということが大事ですね。後は何でも積極的にやるということですよね。
  • これから研修病院を選ぶ医学生に対し、研修病院を選ぶポイントはどのようなことでしょうか
    濱戸:大学病院はどうしても専門的な疾患とかが多くなりますので、コモンディジーズを経験して実際の診療の実力を身につけるのには地域の中核病院がいいかなと思います。
    後期研修も症例を多く経験しないと身につかない手技もあるので、研修医の多い病院より地域の中核病院がいいかなと思います。
  • 最後に、再度病院のPRお願いします。
    濱戸:研修医にとっては非常に実力が身につく病院だと思います。特にコモンディジーズについては非常に研修には魅力的な病院かなと思いますすね。病院としては、地域の中核病院として地域の開業医から紹介もたくさんありますので、地域医療に役立っているという自負はあります。奈良の地方の病院で医師が集まりにくいので、ぜひ研修医としてきて実力をつけていただき、そのまま残って実力を発揮していただければありがたいなと思います。

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