教育長メッセージ

 教育長のメッセージ
  
 皆さん、こんにちは。このページでは、奈良県教育の現状や課題、それらに対しての取組や今後の方向性などについての思いを、県民の皆さんにご紹介いたします。

平成27年 仕事始め 職員への挨拶

 新年あけましておめでとうございます。皆さんには、心新たに仕事始めの日を迎えていただいたことと思います。
 昨年4月の教育長就任以来、私は「学校は、子どもの不可能を可能にするところである」と、機会あるごとに話してきました。奈良県の子どもたちの可能性を大いに引き出し、伸ばすための努力に終わりはありませんが、その地道な努力が実を結んだ一つの出来事が昨年にありました。
 本県の教育に関する課題の一つである「体力・運動能力」に関わって、「平成26年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」結果で全国平均には少し届かなかったものの、前年度からの伸び幅が中学男子で全国1位、中学女子で全国2位の報告がありました。この躍進は、学校で子どもたちの指導にあたった教職員並びに県や市町村教育委員会の協働の賜だと思っています。
 この成果を、本県教育の懸案となっている「学力・学習意欲」や「規範意識」の向上にもつなげていかなければなりません。また、県内の不登校児童生徒が増加傾向にあり、この課題解決にも更に力を入れて取り組まねばなりません。そのためには、まず、子どもたちの「学ぶ意欲」を向上させることが重要であると考えています。意欲は全ての力の源であり、意欲の向上は、学力や体力の向上につながり、目標や志をもつことにもつながります。子どもたちの可能性を最大限に伸ばす「鍵」がそこにあります。
 子どもたちの「学ぶ意欲」をかきたてるためには、教員が学び続け、学ぶことの面白さを常に感じながら、学ぶ喜びを伝えることが大切です。教員は「教えるプロ」であると同時に「学び続けるプロ」でなければならないと考えています。県教育委員会は学び続ける教員を支援するために、県立教育研究所での教員の専門性を高める研修の多様化、中学校区単位での授業研究への指導主事の派遣などを推進していきたいと考えています。
 また、新年度の4月からは、新しい教育委員会制度がスタートします。首長主宰による総合教育会議が設置され、大綱の策定など首長部局と連携して教育行政を推進していくことになります。教育委員会制度の大きな節目となる年にあたり、奈良の教育が大切にしてきたこと、これからも大切にしていくことを見極めながらも、変えるべきところは勇気をもって変革していかねばなりません。皆さんには、自分自身の頭脳を柔軟に保ち、状況の変化に対して機敏に対応しながら職務に取り組んでいただきたいと思います。
 今年も、本県教育に携わる各々が、常に自己の資質・能力の向上に努め、本県教育の諸課題に対して「チーム奈良県」として取り組み、本県教育の充実に向けて力を合わせて歩んでまいりましょう。
 本年が皆さんにとりまして、明るく希望に満ちた実り多い年となりますよう心から祈念申し上げ、新年の挨拶といたします。
 

 平成27年1月5日
                                       県教育委員会教育長 吉田 育弘