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明治四十一年 大演習ニ関スル書類(奈良県行政文書1-M41-9f) (所在:奈良県立図書情報館) めいじよんじゅういちねん だいえんしゅうにかんするしょるい

記入年月日 2018/07/15

表紙
徽章
池田宏復命
所在地
奈良県奈良市大安寺西1-1000
区分
歴史資料 | 文書・書籍・絵図・地図など
指定内容
県指定有形文化財

※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。

歴史文化資源の概要
明治42年(1909年)に明治天皇を迎えて行われた陸軍特別大演習の準備書類です。この際の行幸は、明治天皇が奈良県の地を踏んだ最後の行幸になりました。なお、奈良県は前年に陸軍特別大演習が行われた栃木県・茨城県に事務官を派遣し、前例調査を行っています。この際派遣されたのが、内務省に入省し奈良県で初めての府県勤務中だった池田宏でした。池田は、前年はそれぞれ100万円の予算規模を持つ両県で20万円の費用を折半すればよかったが、予算規模60万円の奈良県はそれを1県で負担せねばならず、「頗ル其料理ニ苦慮」と復命に記しており、本書にこれが採録されています。平成20年度に一括で県指定文化財となった「奈良県行政文書」のうちの1点です。
地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
演習準備のため、大規模な土木工事がさかんに行われました。演習間際に特に問題になったのが、演習予定地での稲の早刈り問題です。演習直前に当時の青木良雄知事は、稲の生育の遅れを理由に特別大演習の期日繰り下げを求めましたが陸軍に一蹴されています。こうした県民生活への影響が大きかった陸軍特別大演習の準備過程が分かり、後に繰り返される行幸の先例を形作っていくという点においても重要な史料です。
当資源と関連する歴史上の人物とその概要
池田宏(1881-1939年) 静岡県出身の内務官僚。後に内務省の初代都市計画課長や官選の京都府・神奈川県知事を歴任しました。 明治天皇(1881~1912年) 第122代天皇。父孝明天皇の急死を受け即位し、維新前後の政変、憲法発布、日清・日露戦争を経験し、激動の明治時代そのものを象徴する人物となりました。
当資源と関連する文献史料
この際の大演習準備に関する簿冊は、奈良県行政文書に約20点弱含まれています。
問い合わせ先
奈良県立図書情報館 公文書・地域研究係
電話番号
0742-34-2111

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