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永田藤兵衛宛原敬自筆当選祈願(吉野郡下市村永田家文書) (所在:奈良県立図書情報館) えいだとうべえあてはらたかしじひつとうせんきがん

記入年月日 2018/07/15

原当選祈願
封筒裏
所在地
奈良県奈良市大安寺西1-1000
区分
歴史資料 | 文書・書籍・絵図・地図など
指定内容

※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。

歴史文化資源の概要
18×69cm、郵送した封筒(22×8cm)入り。本紙末尾には「明治36年9月」とあり、封筒からは22日の消印が読み取れます。当時官職にはついていなかった原敬が、政友会幹部として大阪に滞在し、関西地方の各府県で行われた県会議員選挙の陣頭指揮を執っていた時期に記したものです。文面は、「貴下衆望を負て起つて候補者となられ」「地方の為め并ニ本会為に充分御奮闘必す当選の栄を期せられ度」とするある種定型的なものではあるものの、原がこまめに自派候補の動向に目配りし、勢力扶植に努めていたことがわかります。請求記号68-163-3.4.1[当選祝電、書簡一括]中に含まれる一点の文書です。
地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
永田家文書は膨大であり、整理や調査は近代の山林、鉱山、吉野銀行等経営文書を中心に進められていますが、受け取った時期ごとに仕分けされた明治~大正期の来信が大量に残存しており、本文書もそのうちの一点です。こうした資料の整理を進めていけば、従来手薄だった近代奈良県域の諸側面を解明する資料が発見される可能性も高いです。藩閥の牙城を切り崩し「平民宰相」とうたわれることになる原のこの自筆当選祈願もその一つです。
当資源と関連する歴史上の人物とその概要
原敬(1856-1921年) 盛岡藩家老の子として生まれました。立憲政友会を基盤に首相となります。 永田藤兵衛(1871-1924年) 吉野郡下市に生まれました。山林地主としての蓄積を基盤に、数多くの公共事業や会社の設立にも携わりました。
当資源と関連する文献史料
原は後年公開されることを想定して日記をつけており、第二次世界大戦後『原敬日記』として出版、公開されました。明治後期から大正期までの政治を検討する際にはまず参照が必要な基本資料として定着しています。
問い合わせ先
奈良県立図書情報館 公文書・地域研究係
電話番号
0742-34-2111

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