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元興寺古図 (所在 : 奈良県立図書情報館) がんごうじこず

記入年月日 2018/06/21

元興寺古図
所在地
奈良県奈良市中院町11
区分
歴史資料 | 文書・書籍・絵図・地図など
指定内容

※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。

歴史文化資源の概要
58×73cm。軸装に仕立てた肉筆の元興寺伽藍復元想像図です。本図では、廻廊は中門両脇から出て金堂に連なり、廻廊の東と西に東金堂と西金堂、講堂の東西と北に三面僧坊を描いていますが、実際は東金堂・西金堂はなく、僧坊は講堂の北に東室二組、西室二組がありました。恐らく本図は、興福寺の伽藍配置を参考にして描かれたようです。彩色は、堂舎の柱が朱色と黄色に、連子窓には紺色、瓦に鼠色が使われています。図中の五重塔や観音堂は安政6年(1859年)に焼失するので、焼失以前に描かれたものかもしれません。
地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
元興寺は南都七大寺の一つです。飛鳥の地にあった法興寺が平城遷都にともない京内に移され、元興寺と改められました。近世初期、元興寺はすでに天平時代の大寺の姿はなく、大半は宅地化し、塔跡の他は遺跡としても残らず、資材帳も伝わっていないため、復原が困難でした。しかし、戦後行われた極楽坊本堂、禅堂の解体修理により、これが東室南階大房の後身であることが分かり、講堂基壇の東北隅の位置が発掘で確認されました。金堂基石なども昭和50年(1975年)に調査され、伽藍中軸上に南大門・中門・金堂・講堂が並び、廻廊は中門両脇から出て講堂に連なる伽藍配置であることがわかりました(『大和古寺大観』第三巻)。
当資源と関連する文献史料
『大和古寺大観』第三巻
問い合わせ先
奈良県立図書情報館 図書・公文書課 公文書・地域研究係
電話番号
0742-34-2111

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