ナスの病害

ナスの病害

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モザイク病

被害の特徴と発生形態

葉はモザイク症状となり、えそ斑を生じることもある。果実は硬く小さくなり、内部が褐変する。タバコモザイクウイルス(TMV)、キュウリモザイクウイルス(CMV)などが主な病原ウイルスである。TMVは接触・種子・土壌伝染し、CMVはアブラムシにより伝染する。




苗立枯病

被害の特徴と発生形態

子葉~本葉1~2枚の頃に地際部が侵されしおれ、枯死する。坪枯れ状に発生し、多湿条件下で多発する。

 

 


灰色かび病

被害の特徴と発生形態

施設栽培でとくに発生が多い。あらゆる部分に発生するが、果実や葉についた古い花弁から始まることが多い。曇雨天が続いて多湿になると多発する。




菌核病

被害の特徴と発生形態

茎葉に発生し、病斑部に白色綿毛状のカビが生じ、白い固まりとなり、後に直径3~4mm程度の黒色のネズミ糞状の菌核を形成する。地上部に落ちた菌核が伝染源となり、20℃前後で菌核は発芽し、子のう盤をつくって子のう胞子で空気伝染する。低温、多湿条件で多発し、ハウス無加温栽培の被害は大きい。茎の過繁茂は発病を助長する。


すすかび病

被害の特徴と発生形態

ナスの葉に発生する。初め裏面に白っぽいカビが密生した小斑点を生じ、後拡大して灰褐色のススで覆われたような病斑となり落葉する。ハウス栽培で2~4月頃に多湿条件下で発生が多くなる。


黒枯病

被害の特徴と発生形態

ナスのハウス、トンネル栽培で主に葉に発生するが、茎、果実に発生することもある。葉には黒色の斑点が現れ、1cm前後の不正円形の病斑となり、輪紋が見られることがある。種子伝染する。5~6月頃ハウス内が高温多湿になると多発する。


うどんこ病

被害の特徴と発生形態

ナスうどんこ病は下葉から発生し、葉面は初め小麦粉をまぶしたようになり、後に灰色となる。葉柄や果梗にも発生し発病が多いときは下葉から落葉する。気温28℃前後でやや乾燥気味の時に発生しやすい。



褐紋病

被害の特徴と発生形態

苗床から本圃まで引き続いてナスに発生する。葉、茎、果実に発生し、大きな病斑で輪紋を生ずる。円形であるが、癒合して不正形になることもある。種子伝染し、高温多湿時に発生しやすい。



疫病

被害の特徴と発生形態

ナス綿疫病は、果実に白色綿毛状の菌糸を密生する。ナス根腐疫病は根がおかされ、地上部が萎ちょうする。ナス疫病は主に苗で発生する。ナス褐色腐敗病は、果実、茎、地際部に発生し、果実では白色粉状のかびを生じる。本菌はトマト、ウリ類にも感染する。被害植物とともに卵胞子が土壌中に残存し越冬し、遊走子によって伝染する。土壌伝染、水媒伝染するので多湿低温条件や湿地での被害が大きい。




半身萎凋病

被害の特徴と発生形態

施設栽培、夏秋栽培ともに発生する。下葉の葉脈の間が黄化してしおれる。初期には枝の片側から起こり、茎を切断すると導管が褐変している。ナスのほか、イチゴ、トマト、各種の花き類など多くの植物を侵す。発病適温は25℃前後で、地温18℃以下や30℃以上では発病しにくい。また土壌が湿潤状態で発病しやすい。




褐色斑点病

被害の特徴と発生形態

葉では初期褐色の小斑点を生じ、後に融合して1~1.5cm前後の不整形病斑となる。病斑周辺には、白色粉状の子実層が見られる。伝染は担子胞子によるもので、地上2mの葉にも発生が見られる。果実では、がくの下部に斑点を生じ、後に輪紋状に腐敗する。発生時期は主に秋期で梅雨期にも発病が見られる。



ウイルス病

被害の特徴と発生形態



青枯病

被害の特徴と発生形態

細菌病であり、株の一部の茎葉が日中に急にしおれ、夜間、曇天の日には回復するが、数日後には回復しなくなり、株全体が青枯れとなる。茎を切断すると導管が褐変しており、白濁した粘液を分泌する。土壌中に長期間生存し土壌伝染する。露地栽培では、夏期高温時に発生する。ナス科を含む100種以上の植物を侵す。



白絹病

被害の特徴と発生形態

主に茎の地際部が侵され、暗褐色でややくぼんだ病斑を形成し、茎をとりまきくびれる。被害部に白色絹糸状の菌糸を生じ、のちナタネ種子様の菌核を多数つくる。菌核の形で土壌中に残り越冬する。ハウスでは5~6月頃、露地では7~9月の降雨後に発生が多い。


 
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