カキの害虫

カキの害虫

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カキノヘタムシガ
被害の特徴と発生形態
樹皮等の裂け目などにマユで越冬し、5月下旬~6月上旬に第1回の成虫、7月下旬~8月上旬に第2回の成虫が発生する。産卵は芽、枝梢で、芽に多く、幼虫は芽から食害を始める。

ヒメコスカシバ
被害の特徴と発生形態
5月下旬~6月上旬と8月中旬~9月上旬に成虫の発生ピークがみられ、枝の岐部、新梢の付け根、粗皮下部に産卵し、幼虫が樹皮の下部を食害する。幼虫態で越冬し、同じ場所でマユを作って蛹になる。

クロフタモンマダラメイガ
被害の特徴と発生形態
4月下旬~5月上旬、6月下旬~7月上旬、8月中旬~9月上旬に成虫が発生し、枝幹の岐部に産卵・食害し、幼虫は樹皮下部を食害する。幼虫で越冬し白いマユを作って蛹となる。

ハマキガ類
被害の特徴と発生形態
葉、ヘタ、果実を食害し、果実表面に食痕を残す。コカクモンハマキは5月中、6月下、7月下旬に、チャハマキは5月下、7月中、9月下旬に成虫が発生する。他にアトボシハマキが5月下~6月中旬、8月下~9月中旬に2回成虫が発生する。



カキホソガ
被害の特徴と発生形態
年5回発生し、第3・第4世代の被害が大きい。幼虫は葉に指頭大の潜入痕を作る。

イラガ類
被害の特徴と発生形態
イラガは年1~2回の発生で枝上の硬い繭中老熟幼虫で越冬し、5月と8~9月に幼虫が見られる。ヒメクロイラガは年1~2回の発生で、土中のやや薄い所の繭中老熟幼虫で越冬し、幼虫は7月に大発生するが、9月には少発生しかしない。集団で食害する。ヒロヘリアオイラガは年2回の発生で枝幹上に繭を作り、幼虫は6~7月と8~10月に発生する。

チャミノガ
被害の特徴と発生形態
年1回の発生で幼虫越冬し、5月末まで加害し、6月~7月中旬に成虫になり、幼虫は7月下旬頃から10月頃まで加害する。

オオミノガ
被害の特徴と発生形態
年1~2回の発生で老熟幼虫で越冬して、7月~8月に幼虫が加害する。



マイマイガ
被害の特徴と発生形態
年1回の発生で卵態越冬し、4月~5月に食害し、6月下旬~7月に羽化して産卵する。

フジコナカイガラムシ
被害の特徴と発生形態
年3回の発生で幼虫または成虫で皮部の裂け目、荒皮の内部などで越冬する。4月頃から外へ出て5月中、下旬には産卵が盛んである。6月下旬~7月上旬には幼虫が発生し、8月中旬には再び幼虫が発生する。10月中頃から越冬場所に移動する。樹皮下や誘引ヒモの結束部などに集中越冬する傾向がある。

オオワタコナカイガラムシ
被害の特徴と発生形態
幼虫で白い繭を作って枝幹で越冬し、4月中・下旬頃から成虫となって葉裏に卵のうの形成を始める。幼虫は6月中旬頃に最盛期となる。秋までに2回脱皮して3齢で越冬する。

ツノロウムシ
被害の特徴と発生形態
1回の発生で受胎した雌で越冬し、6月下旬~7月上旬にふ化幼虫が見られる。スス病を併発する。

クワシロカイガラムシ
被害の特徴と発生形態
年2回の発生で、ウメやモモに寄生しているものと異なり5月中・下旬と8月上・中旬にふ化幼虫が見られる。第2世代の幼虫は果実に寄生し品質を落とす。
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カメムシ類
被害の特徴と発生形態
7月から10月頃まで果実を吸害し、被害部は変色、凹入する。7月~9月上旬に吸害されたものは早期落果することがある。チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシが加害するが、奈良県ではチャバネアオカメムシが主体である。
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コガシラアワフキ
被害の特徴と発生形態
誘殺灯には6月上旬~7月下旬にかけて飛来する。果実に陥没被害を与え、カメムシの被害痕よりやや小さい。幼虫は付近の雑草などで繁殖する。
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カキクダアザミウマ
被害の特徴と発生形態
越冬成虫は若葉を巻きその中に産卵し、約30日で成虫となる。新成虫は主として6月中旬から7月上旬に多く発生し、果実を加害し、粗皮下に潜伏し越冬する。年1回発生でカキの品種に関係なく被害を与える。
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ミカンキイロアザミウマ
被害の特徴と発生形態
花に大きく依存し、花粉を食べると産卵数が多くなる。エノコログサ、シロツメクサ等の雑草の花で増殖し、野外でも越冬する。開花時と果実の着色期(特に早生)に飛来して果実を加害する。
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チャノキイロアザミウマ
被害の特徴と発生形態
多食性で念8~9回発生する。品種間差が顕著で平核無で最も果実被害が大きく、伊豆、松本早生なども軽度の加害痕が残る。
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キクイムシ類
被害の特徴と発生形態
ハンノキキクイムシ、サクセスキクイムシ、アカマツザイノキクイムシ、タブノコキクイムシ、ミカドキクイムシなどが同時に加害している。本県ではハンノキキクイムシが最も多い。寒凍害、晩霜害などで発芽が遅れると被害が発生しやすい。
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ドウガネブイブイ
被害の特徴と発生形態
6月~8月にかけて葉を食害する。苗木では被害が大きい。
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ハダニ類
被害の特徴と発生形態
カンザワハダニ、ナミハダニなどが加害する。カンザワハダニが加害すると葉はうどんこ病と類似の黒斑が生じ、果実は食害部が隆起する。ナミハダニが寄生した場合は葉、果実とも白い小斑が生じて光沢が失われる。
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