第219号 H25/9/1

 

「E-夢 はっしん!」

しか 奈良県教育委員会メールマガジン しか
sarusuberiE-夢 はっしん!サルスベリ

平成25年9月1日(日)
 ≪ 第 219 号 ≫

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発行:奈良県教育委員会事務局企画管理室

畑の南瓜に学ぶ

 
                                     
県立教育研究所 教科教育部長 藤本 教子   
 
 猛暑が続いたこの夏、我が家の菜園では、南瓜が伸び放題になっていた。隣の畝の茄子や胡瓜に絡みつき、瓜に覆い被さり、通路に伸びて歩くのもままならない。「かぼちゃのつる」という小学校低学年の読み物資料が思い出される。
 県立教育研究所に勤務するようになって、小学校の授業や教材に接する機会が増えた。長年、高校生を見てきた私にとっては、新たな学びの連続である。
 「かぼちゃのつる」は、昭和41年に当時の文部省が出した『小学校道徳の指導資料第3集』に収蔵され、半世紀近くを経た今も使われている。かぼちゃが周囲の忠告を聞かずに勝手に道までつるを伸ばし、そのつるを車に切られてしまうというお話だ。わがままな気持ちを抑え、自分勝手な行動をせずに生活することについて考えさせる資料だが、最近では、安全、防災教育の観点からも使われているそうだ。
 子どもを取り巻く環境は昭和40年代とは大きく異なり、子どもが畑の南瓜を目にする機会が減っただけでなく、日常生活における、「わがままをしない」「我慢する」という経験の質も変わってきたように思う。そんな中、この資料で、節度ある生活態度の重要性をどう考えさせていくのだろうと思いきや、教室では、場面の絵あり、ペープサートあり、役割演技ありで、子どもたちは、かぼちゃや登場する生き物になりきって、それぞれの気持ちを生き生きと表現しているという。さらには、子ども自身の気持ちや考えを、無理なく引き出していく授業に、頭が下がる思いがする。
 勝手気ままに伸び放題の畑の南瓜は、一見たくましく見えるかもしれないが、そのままでは、しっかりとした実は育たない。適切に手入れをし、剪定や誘引をしてこそ、立派な実を結ぶ。子どもたちの個性を生かして、伸び伸びと育てつつ、成長過程に応じて、だめなものはだめと理解させ、自分の為すべきことを考えさせることの大切さを、改めて南瓜に教えられたこの夏であった。


 

高校生による家庭教育啓発チーム「きらら」140を結成しました

人権・地域教育課   


 8月4日、奈良県立大学において、家庭教育啓発チーム「きらら」140(わん・ふぉーてぃ)の第1期開講式を実施しました。開講式では、生徒代表の奈良高校鈴木ひかりさんの「誓いのことば」、天理大学の千原雅代教授による「子どものこころを理解する」というテーマでの記念講演、また、コミュニケーション能力の向上を目指したアクティビティ等が行われ、このチームのキャッチフレーズである「My innovation 2013!」~今ない未来は自分で創る~の達成を目指した取組が始まりました。
 チーム「きらら」は、将来、親になる世代の高校生が、家庭教育等に関する啓発活動を実施することにより、子どもが育つ環境としての家族の役割等、家庭の教育力の重要性に気付き、地域を担う自立した社会人となるために必要な資質、能力を身に付けることを趣旨として県教育委員会が結成したものです。今後、「ふれあいフェスタ2013」や「家庭教育セミナー&イベント」等で県民への家庭教育に関する啓発活動を行うとともに、さまざまな活動や研修を通して、自立心や主体性、国際性などを備えた人材の育成を目指します。
 なお、チーム「きらら」の活動については、県HPの人権・地域教育課のページでもご覧いただけます。

   「きらら」140の名称について
      きらら:げんな みいの なっこ みんなで育てよう!
      140:参加メンバーの数140人(平成25年8月1日現在)

      ※メンバーは、参加するイベントや活動ごとにいくつかのユニットを結成


きらら1きらら2きらら3

         ※ お問い合わせ先
            人権・地域教育課
            TEL 0742-27-9857   FAX 0742-23-8609


【今、学校では・・・】 目次に戻る

【1】大和野菜を栽培しよう


大和郡山市立筒井幼稚園 園長 西田諭泉   

 

 本園では、今年度「たくましい心と体を育むために」という研究主題のもとに“生きる力”の源となる心情・意欲・態度を培う保育を積み重ねています。その取組の一つとして、きゅ筒井幼稚園1うり・トマトなどの夏野菜の他に、大和の伝統野菜である、丸なす・紫とうがらし・ひもとうがらし・黄金まくわ・大和まな・祝だいこん・半白きゅうり、三尺きゅうりなどを季節に合わせて栽培、収穫、 調理して食べる体験を大切にしています。子どもたちは、土作りから苗植え、水やり、肥料やり、草引き・・毎日友達や先生と一緒に育てます。「今日は野菜に元気がない」と心配。「どうしてかなあ?」と先生と一緒に考えると、「水をあげよう」と思いつきます。こうして野菜の様子を見ながら一生懸命自分たちが育てる中で、野菜に愛情を感じていきます。そして待ちに待った筒井幼稚園2収穫の日、紫とうがらしを持ってみんなで園長に報告!「園長先生、お料理してください」フライパンで炒めると紫色のとうがらしが、緑色に変わります。 「すごい!」「変身した!」・・みんなで分けて食べたとうがらしの話は、その日に持ち帰った「おいしかったカード」 に保護者の方が、子どものつぶやきを記入し次の日に提出されます。子どもたちの感動の声は「炒めたら緑に変わってびっくりしたよ。」「ちょっとにがかったけど、食べ筒井幼稚園3たよ!」「苦手な野菜を食べられたのがうれしかったみたいです」等々。7月には筒井れんこん(大和野菜)栽培のはす畑へ行きました。「筒井れんこんは日本一美味しいれんこんだよ。」とおじさんから聞き、大きなはすの葉を一人ずつもらって、葉の上で水玉をころがして遊びました。
 大和で昔から栽培されてきた伝統野菜を知り、味わい、地元への愛着を深めながら、次世代に伝えていくとともに「睡眠を十分にとる・朝食をきちんと食べる・排便をして登園する」という習慣を身に付け、心も体もたくましい子どもに育てていきたいと思っています。

【2】地域との交流の場 校内農園活動

奈良市立登美ヶ丘北中学校 校長 吉川俊美   

 本校敷地内には約 700平方メートルの農園があり、玉ねぎ、じゃがいも、カボチャ、 トマトなど約10種類の作物が栽培されています。空き地が畑として耕され、地域住民 の協力により農園として管理され、毎朝夕、丹精を込めて農作業が行われています。 夏はカレーパーティ-、冬は芋煮会の年2回の収穫祭を開催することで、まごころ込 めて育てられた農作物を地域住民および保護者とともに楽しくいただいています。
  第1学期終業式前に、地域への感謝を込めて環境美化奉仕活動を行いました。この日に合わせて、約60名の地域住民および保護者の協力により、農園で収穫された夏野菜をふんだんに使ったカレーパーティ―を実施していただきました。容量80リットルの大鍋三つが用いられ、6月以降に収穫されたジャガイモ、玉ねぎ、ニンジンなど約 120キロを煮込んで、参加者 500人分のカレーが炊き出されました。奉仕作業を終えた生徒たちは、各教室で“地産”の味を堪能しました。「学校で採れた野菜だけど、売っているものよりうまかった」とみんな大喜びでした。
このカレーパーティ―を通して、全校生徒・教職員および地域からの参加者の心がひとつとなり、この地域で生きる喜びと感謝の心を分かちあう良い機会となりました。また、非常災害時に備え炊き出し訓練を兼ねることで、地域を守るたくましい人材として中学生に育ってほしいとの願いもこめられていました。

登美ヶ丘北中が校1登美ヶ丘北中が校2登美ヶ丘北中が校3
校内農園 地域との絆の場 防災鍋でカレー炊き出し 500食 みごと完食!


 
 子どもたちが郷土を理解し食文化を伝承していくための資料「奈良県の郷土料理集」(県教育委員会作成)の中から、料理レシピをピックアップしてお届けしています。

★ 今月号のレシピは       
 
豆乳くずもち         
   ~パンナコッタ風~」 ★

(右の画像をクリック!→)
豆乳くずもち

〔ちょっと一言〕
 吉野本葛は、和菓子や日本料理に使われる高級食材です。名前の通り吉野地域の特産物で、良い水と、寒冷な気候が葛粉の精製に適していて、「吉野晒し(よしのざらし)」という伝統の製法で作られています。
 今回は、吉野葛と豆乳を使って葛餅にしました。きな粉でなく、カラメルソースで洋風にアレンジしています。一度試してみて下さい。
 

 

【 お知らせ 】 目次に戻る

【1】「なら教育リポート ~まなびだより~」今後の放送予定   

  県立教育研究所   

  奈良テレビ放送「ゆうドキッ!」(午後6時~午後7時)の中で、午後6時45分~50分頃に放送します。

   ○9月  4日(水) 先生の研修講座
               県立教育研究所

   ○9月11日(水) 奈良県立青翔中学校開校に向けて
               学校教育課

   ○9月18日(水) 「少年の主張」奈良県大会
               奈良県くらし創造部 青少年・生涯学習課


   ■過去の放送分は
こちらの Webページでご覧いただけます。

         ※ お問い合わせ先

           県立教育研究所 教科教育部 調査情報係  
           TEL 0744-33-8907  FAX 0744-33-8909

【2】第35回「少年の主張」奈良県大会
     ~中学生の「声」を聴いてください~

くらし創造部 青少年・生涯学習課   

 「少年の主張」奈良県大会は、中学生による主張発表大会です。今年は、6,206作品の応募がありました。大会では、13名の中学生がそれぞれの「主張」を発表します。
 中学生の皆さんが日頃感じ、思い、考えていること、同年代の皆さんや大人の皆さんへのメッセージなど、様々な「声」にぜひ耳を傾けてください。
 王寺町立王寺中学校吹奏楽部による演奏のアトラクションも大会を盛り上げます。ぜひ、会場にお越しください。

  日 時:平成25年9月8日(日)      13:30~16:20(13:00開場)
  会 場:王寺町やわらぎ会館 イベントホール
  発表者:入賞者13名
  * 入場無料・申込不要

○ 詳細については、こちらをご覧ください。

          ※ お問い合わせ先
            県青少年・生涯学習課 指導育成係
            TEL 0742-27-8615 FAX 0742-27-9574



 【報道発表資料 】8月1日~8月29日  目次に戻る

        • 2013年08月29日史跡秋の特別公開についてnew!
           
        • 2013年08月27日平成25年度全国学力・学習状況調査の結果new!
           
        • 2013年08月15日全国中学校体育大会に出場する団体・個人
           
        • 2013年08月07日奈良情報商業高校・簿記部の表敬訪問について
           
        • 2013年08月07日公立学校施設の耐震改修状況等調査結果
           
        • 2013年08月07日平成26年度教員採用試験第1次試験の結果について
           
        • 2013年08月01日チーム「きらら」140を結成します

 【 編集後記 】 目次に戻る

 暑い夏でした。猛暑、酷暑、激暑(?)勝手な言葉をつくりたくなるほど、今年の夏は厳しかったですね。熱中症などで体調を崩された方も多かったようです。夏の疲れが秋口に出てきます、体調には十分ご注意ください。 さて、今月号の「巻頭言」は県立教育研究所 教科教育部 藤本部長の「畑の南瓜に学ぶ」です。子どもたちの成長のはやさは、まさしく植物のツルを伸ばして伸びていくごとくですね。夏休みを過ごして、また一段と成長した子どもたちが、教室にあふれていることでしょう。「今、学校では…」のコーナーでは、大和郡山市立筒井幼稚園の「大和野菜を栽培しよう」と奈良市立登美ヶ丘北中学校の「地域との交流の場 校内農園活動」です。どちらも地域との交流の中で、食育から生きる力へ、学ぶ力を育てておられます。  メールマガジンのアンケートにご協力ください。また、取り上げてほしい記事や、紹介してほしい学校の取組等がありましたら、本メールマガジンの下部にあります宛先までご連絡くだ さい。



 
 

 

橿原考古学研究所  
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