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認知症になっても、住み慣れた地域で暮らし続けられるように。 |
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認知症は、高齢者の7人に1人が発症するといわれている身近な病気です。
県内の認知症高齢者は約5.3万人(平成24年)で今後も増加が見込まれています。また高齢者だけでなく、65歳未満で発症する「若年性認知症」もあります。
認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けていけるよう、認知症への正しい理解が必要です。 |
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「認知症」を知りましょう
~早期発見・早期対応が大切です~ |
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認知症について、漠然としたイメージはあっても、正しく理解している人は少ないのが現状です。認知症を正しく知り、早期に対応することで、症状の進行を遅らせたり、落ち着いて準備を整えたりすることができます。 |
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加齢によるもの忘れと認知症によるもの忘れの違い |
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加齢によるもの忘れ |
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体験の一部を忘れる
たとえば…
食事の献立が思い出せない |
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認知症によるもの忘れ |
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体験したこと自体を忘れる
たとえば…
食事をしたこと自体を忘れる |
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症状について気になるときは、かかりつけ医、もの忘れ外来、市町村の地域包括支援センターなどに早めに相談しましょう。 |
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認知症サポーター養成講座
~認知症を学び、支える~ |
認知症を正しく理解し、偏見を持たず認知症の人や家族をあたたかく見守る応援者、「認知症サポーター」の養成講座を県内各地で開催しています。
認知症への理解を深めるため、一緒に認知症サポーターになりませんか?
詳しくは各市町村「認知症サポーター養成講座」窓口へ。 |

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地域で支えるために
~三郷町~ |
三郷町では、「認知症を予防できるまち、認知症になっても安心して暮らせるまちづくり」をテーマに取り組みを進めています。
認知症サポーター養成講座は、一般住民や小学6年生を対象に実施しています。町の老人会・企業などへ出前講座も行っており、現在、サポーターは1961名です。(平成29年1月末時点)
また、病院の協力による「認知症相談会」、早期発見・治療につなげるための「認知症ミニ講演会」など、さまざまな取り組みを行っています。
「認知症の人が住みやすいまちは誰もが住みやすいまち」の考えのもと、認知症という病気を一人でも多くの人に理解してもらい、皆で支え合える地域をつくっていきます。 |

三郷町地域包括支援センターの皆さん |
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認知症を正しく理解し、さりげない支援を |
認知症の人への対応の心得は3つの「ない」です。
(1)驚かせない
(2)急がせない
(3)自尊心を傷つけない |
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認知症は、加齢によるもの忘れなどとは全く違う「脳の病気」です。外見だけでは分からないので、本人の「わがまま」と誤解されるケースもあるかと思いますが、決して本人のせいではありません。
また「認知症」と一口に言っても、脳の病変部分によってさまざまな症状が現れますので、一人一人に合わせた対応が重要です。
認知症によるさまざまな行動や心理症状についても、実際には何かしらの意味や原因があることが多いのです。周囲の人が適切にサポートしたり、時間をかけて丁寧にコミュニケーションを図ることが大切です。 |
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日本認知症学会認定専門医
社会医療法人高清会 高井病院 神経内科 原 健二(はらけんじ)副部長 |
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「認知症」になってもたくさんのサポートがあります! |
自身や家族など、いつなるかもしれない「認知症」。
県では、認知症になっても住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、市町村や関係者と協力しながら、さまざまな取り組みを進めています。 |
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「認知症初期集中支援チーム」 |
認知症の早期診断・早期対応を目的とした専門チームが、平成30年度までに県内全市町村に配置されるよう人材育成などの支援に取り組んでいます。 |
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現場をピックアップ! ~宇陀市~ |
宇陀市では、平成27年度に、認知症になっても安心して暮らし続けられるよう、必要な制度や地域資源などを整理したガイドブックを作成しました。
家族が「認知症かな」と思ってから6ヶ月以内に診断に至ったのはわずか15.7%であったことから、平成28年7月から「宇陀市医療介護あんしんセンター」に認知症初期集中支援チームを設置しました。これまでに60~90歳代までの幅広い年代を対象として、その人に応じた支援に繋げてきました。
専門医の助言のもと、主治医や専門職とより円滑な連携が図れることで、認知症の方の課題がより明確になり目標を持って対応できます。 |

宇陀市認知症初期集中支援チームの皆さん
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認知症疾患医療センター |
地域の医療機関や福祉関係者と連携しながら、認知症に対する治療などの支援をするため、県の指定により設置しています。
認知症の早期発見・治療のための専門的な診断や治療だけでなく、関係機関との連携や、地域住民への啓発活動も行っています。
他にも、認知症によるさまざまな行動や心理症状、医療に関する相談が受けられます。
※鑑別診断にはかかりつけ医からの紹介状が必要です。
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奈良県立医科大学附属病院
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(医)平和会 吉田病院
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(一財)信貴山病院ハートランドしぎさん
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(医)鴻池会 秋津鴻池病院
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家族や介護者への支援 |
認知症の人だけでなく、介護者にも精神的な支援が必要です。
認知症の人を介護する家族が、認知症やその介護技術を学ぶとともに、家族同士の交流の場となるよう、「家族のための奈良認知症介護教室」を開催しています。 |
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認知症の人だけでなく、その介護者に対しても、周囲の理解や支援が大切です。介護者のイライラした気持ちは、そのまま認知症の人にも伝わり、それがさまざまな行動や心理症状につながることがあります。「介護者への支援」と言っても、特段難しいことをするのではなく、日常の挨拶やちょっとした言葉を掛けてもらうだけで、介護者は元気になれます。「自分のことを気にかけてくれる人がいる」と思えるだけで、気持ちが安らぎます。
多くの人は「認知症」についての漠然としたイメージはあっても、いざ自分や家族が認知症になると、どうして良いかわからず悩んでしまいます。「認知症の人と家族の会奈良県支部」では、県の委託を受け、電話での相談に応じています。 |
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(公社) |
認知症の人と家族の会
奈良県支部 代表 屋敷 芳子(やしきよしこ)さん |
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「家族の会 電話相談」 |
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火・金曜日 10時~15時、土曜日 12時~15時(※祝日は休み) |
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「認知症」になってもできること、たくさんあります! |
認知症になると何もできなくなると思われがちですが、実際にはできることがたくさんあります。
認知症の人が生き生きと活躍できる地域の場や活動を紹介します。 |
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「きずなや」では、「認知症の人が働ける場所」として、奈良市の追分(おいわけ)梅林を後世に残そうと、認知症の人と地元の人が一緒に活動しています。
認知症の人は「サービスを受ける側」と思われがちですが、実際にはできることもたくさんあります。また、本人にとっても「できる」ということが自尊心につながります。 |

「きずなや」の皆さん(恩塚さん、岩井さん、若野代表理事)と小谷さん |
(一社) |
SPSラボ
若年認知症サポートセンター きずなや 代表理事 若野 達也(わかのたつや)さん |
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夫が53歳の頃、「何回も同じことを言う」「探し物が多い」など様子がおかしかったのですが、更年期障害によるものだと思っていました。その後、夫が55歳の時に受診して初めて「若年性認知症」と診断されました。
市役所で「きずなや」のことを知って参加しています。本人も、「一緒に作業をする仲間がいる」ということが楽しく、やりがいにつながっています。「きずなや」に行った日は、家でも「今日はこんなに大きな木を運んだ」などの話をすることもあります。通える所があり、仲間がいることが、大きな支えになっています。 |

若年性認知症と診断された小谷勉さんと妻の弘子さん |
小谷 勉(こたにつとむ)さん・弘子(ひろこ)さん |
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若年性認知症の人への支援 |
65歳未満で発症する若年性認知症は、まだあまり知られておらず、本人や家族が気付きにくいという課題があります。
また、働き盛りの人が発症した場合、家計や就労の不安など、高齢者とは違う問題も生じます。
県では、若年性認知症の人や家族を支援するため、「奈良県若年性認知症サポートセンター」の設置に向けて検討を進めています。 |
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一緒にいるから大丈夫!
RUN TOMO-RROW(ラン伴(とも)) |
認知症になっても安心して暮らせる地域づくりを目指し、認知症の人もそうでない人も皆で一緒にタスキをつなぎながら日本を縦断するイベントです。
平成23年から始まり、平成28年には北海道から沖縄まで日本を縦断しました。
奈良県内では、平成28年9月24日に十津川村からスタートし、10月1日、2日にかけ、県内12市12町4村にまたがる全8ルートを縦横断しました。
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