やりたかったことは「ケーキを売ること」ではなく
「この店に来てくれたお客様に幸せな時間を提供すること」
やさい菓子工房 ココアイ オーナーパティシエ 原田 知里さん
(橿原市在住)
-お店を開店されるまでを教えてください。-
ピアノの調律師をしていました。辞めてからは実家の洋食屋で自作のお菓子を提供しながら手伝いをしていました。そのころ近くで店舗に空きができ父親からお店を出すことを勧められました。一度は断りましたが、何をして生きていきたいかを考えた時に誇りに思える仕事がしたい。家族を持って子どもを育てたい。そして、生まれ育った土地で「何かワクワクすることを提供し、地元に恩返しがしたい」と思い、開店することを決めました。
-身体にいいことを一番に考えるようになったきっかけは。-
子どものころからアトピー性皮膚炎で、23歳の時に特にひどくなりました。お医者様からアトピー性皮膚炎にとって良くない物は食べないように言われ食事制限も行いました。すると1週間で症状が回復し、その時に食事が身体に与える影響の大きさを知りました。
甘いものは「心の癒やし」であり、豊かな人生には必要不可欠なものです。身体に優しいお菓子で笑顔になってもらいたいと思い、今では素材にとことんこだわって一つひとつ心を込めて作っています。
-ご夫婦で仕事・家事・育児を分担されていると伺いました。-
2人の子どもが小さいうちに今しかできない夫婦での子育てをしたい、との思いから、どんな小さなことでも相談し、建設的に問題を解決していけるよう相手の立場を考え、夫婦で常に話し合うようにしています。また、サラリーマンだった夫が会社を辞め、お店の経営面に参入してくれたことで経理が落ち着きました。
ずっと感覚的でおおざっぱなところがコンプレックスでしたが、夫に言わせれば私にしかできない仕事がここにあるらしく、苦手を克服する努力より、得意なところを伸ばすよう意識しています。
原田さんから女性へのチャレンジメッセージ
何もかもできなくてもいい! 頭で考え過ぎていたらスタートは切れません。知識も経験もない、だからこそ周りの人が助けてくれました。自分の想いがあればそれに共感し助けてくれる人がいる。また、その想いは人を巻き込む力にもなります。
これからはお店を成長させ、一人でも必要としてくださるお客様のもとに喜んでいただけるお菓子を届けられるよう努力し、私自身の活躍の場も広げていきたいと思っています。