市民生活協同組合ならコープ

ならコープ

市民生活協同組合ならコープ(奈良市)


奈良に「寄り添う」ことで、地域の人の満足が見える面白さ

“コープ”・“生協”と聞くと、食料品・日用品の配達や移動店舗での販売、コープ共済などがまず思い浮かぶでしょうか?しかし、ならコープの事業はそれだけにはとどまりません。

夕食や水の宅配、電気事業、そして安心してくらせる地域づくり、社会貢献、環境保護など多岐にわたる事業があります。その根底にあるものは、地元「奈良」の人の「生活」にぴったり寄り添うという思い。

そんな地域密着のコープだからこそ感じることのできる“仕事の面白さ”は、いったいどういったところにあるのでしょうか?




お客さまにとっての「単なる便利屋さん」でよいのかという気づきからのスタート

ならコープ
まずはならコープの事業について、人事部長の浜辺豊彦(はまべとよひこ)さんに、ご自身の体験を含めてお話を伺いました。


浜辺さんのキャリアの始まりは23年前の配達からでした。研修を終え一人で配達するようになり、2年が過ぎ、配達の業務を楽しく順調におこなっていたときに、ショックな出来事がおこります。

何度も配達し顔見知りになっていた組合員(お客さま)の一人が、注文をやめてしまったのです。理由を尋ねると、車の免許を取って自分で買い物に行けるようになったからもう配達はいらない、ということでした。

「まさかそれだけで簡単にやめはるとは思ってなかったです。自分の仕事ってただ商品を運ぶだけの便利屋なんやなとショックでした。

そのとき思いました。もっと組合員さんの生活が良くなるようないろんな提案もしないといけない、10何種類もある生協の商品カタログを渡すだけでなく、その方に合った情報提供も必要だと。『ああ、生協って役立つな』と思ってもらわないとあかんと気を引き締めました。」



生活に密着し、提案・実行するのが私たちの仕事

ならコープ
浜辺さんは、「“生活”協同組合なんです、うちは。」と“生活”をとても強調されています。

「配達するだけなら誰でも良いし、極端に言えばドローンでもいいんです。私たちは組合員さんの生活を知り、さらによくするための提案をしていきます。自分が提案した話に納得いただいて、ご購入いただき、そしてあとも満足いただける。コープは毎週組合員さんを訪ねて行きますので、そんな“満足”が見えるのが最高に面白いんです!」



さらに、各地域に密着した事業を行っていることが、ならコープのもうひとつの特徴であり強みです。配達は都市部だけでなく奈良県全域で実施しています。

「奈良県は山間地域が多いですが、そこにこそ配達が必要です。コープの『人』が地域の『人』に届ける。そこが大きな強みであり自信です。

そういった強みを活かしてやっている取り組みのひとつに、『行政との見守り協定』があります。多くの高齢者に夕食宅配をご利用いただいていますが、宅配スタッフが利用者の異変に気付いたときは、地域の役場や民生委員さんと連携できるようにしています。この取り組みで実際に命が助かった方もいるんですよ。

このようにすべての取り組みが組合員さんの生活が起点という発想でやっています。」


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女性が働きやすくなるには、”制度”と合わせて”風土”作りが大切

浜辺さんは配達センターの副所長、採用担当などを経て、現在は人事部の部長。女性が働きやすい環境づくりを進めています。

「制度を作ることも大事ですが、その制度が持つ意味をみんなが理解し、制度を利用して働きつづけるということをどう実現するのかがもっと大事だと考えています。今は徐々にですが、社内でそういうことをどんどん勉強する“風土”ができてきていることを嬉しく思っています。

一方で、私が全然できてないと思うのは男性の育児休業の取得です。自分自身の経験で、子どもが小さいときに出勤時間が11時から20時だった時があったんですが、この時は出勤前も帰宅後も子供と過ごせる時間がとれたのです。

ならコープで、奈良のバサラ祭りに参加した際には、子どもも一緒に踊りに参加したり、農業ボランティアや、災害時の対応としてかまどベンチ(災害時に炊き出しが出来るかまどになるベンチ)の作成にも一緒に行きました。ならコープの行事に一緒に参加できたのは子どもが将来大人になったときにも良い影響を与えると思っています。ぜひ男性職員には、子どもさんと一緒の時間を持って欲しいです。

男女かかわらず、家事や育児にちゃんとかかわる時間を持つのは、将来的にも必ず生きてくると思います。ちなみに、私は今も洗濯・アイロンがけ担当です。」





一番の相談相手は職場の“先輩お母さん” 女性ロールモデル工藤利香(くどうりか)さん

ならコープ
次に、組織部くらし担当の工藤さんにお話を伺いました。工藤さんは、コールセンターに所属していた時に出産を経験、出産前・後の休業、育児休業を取得し、現在は時短勤務をしています。

― 出産後も働かれることには迷いはなかったのですか。

「一度入った職場で働き続けたいという思いはありました。でも本当は自分の気持ちは続けたいのと辞めたいのが半々で、結婚のときも妊娠したときも迷いがありました。夫や両親に相談したら『とにかく続けてみたら』と応援してくれたこともあって、産休・育休を経て働き続けています。

育休のときは、仕事のことはあんまり思い出さなかったです。3年まるまる子育てしようと思って、本当に楽しんでいましたね。」




― 「辞めたい気持ち半分」というのは、どういったところに不安があったからなのですか。

「どこの部署に復帰するんだろうか、育児をしながら仕事ができるんだろうかというのが一番の不安でした。また現場かな…とか考えると、もう辞めたいって。」




― 復帰された後はどうでしたか。また職場で支えてくれた存在は?

「幸い私は時間的に融通のきく部署へ復帰できました。今では、みんなで仕事をカバーできるような職場や、時間的な拘束が極力ないような部署に復帰できるよう、人事上も配慮がされています。先輩お母さんが職場にたくさんいて、産休前も復職後もいろいろ助けてもらったり声かけしてもらったり相談したりしていました。実際に働きながら子育てしている方たちなので、本当に相談しやすかったし助かりました。」



― 工藤さんが今働く上で大切にしていることはなんですか。

「ひとつは、自分が仕事をしている姿を子供にしっかり見せることです。実際に職場にもよく連れてきますし、家でもよく仕事の話をしています。子供が『今日は学校でこんなことがあって…』って言ったら、『ママも今日、仕事で怒られてな…』って話してます(笑)。これからも仕事は大変やけど楽しいよって、続けていたら見えるものがあるって伝えていきたいです!

もうひとつは、子育てしながら仕事をしていると、地域や職場の人、それから身内に助けられることが多いから、今度は自分が助けられる立場になれたらいいなと思っています。コープの事業は自分たちで運営して助け合う”協同組合”という仕組みであり、だから私が助け合いたいと思えるのもそこの部分とつながっているのかなとも思います。みんなで助け合って、いろんな人と楽しく過ごしたいです!」



ならコープ本部の外観(上)とエントランス(下)

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(建物に入ると木のいい香りが。右下にいるのは、ならコープマスコット、ならっぴです。)


編集後記
-大学生プロジェクトメンバーより-

浜辺さんのお話にあったように、実は私も今までコープのことを「便利屋さん」だと思っていた部分がありました。しかし、ならコープは、商品を届けるだけでなく、組合員との直接のコミュニケーションを大切にしながら生活に寄り添っている。そしてそのことが働くやりがいにつながっていくのだというお話がとても印象に残っています。地域の特徴を理解して、地域の人や生活に深く関わることができるならコープは、とても魅力的な職場だと感じました。

また、女性が働きやすい職場としてさらに魅力的なところは、育児休業から復帰する際は、時間的にゆとりのある部署で復帰できるなどの配慮があること、家事や育児のことを自然に考えられる男性を増やそうとしていること、出産の前も後も、先輩に相談できる風土があること、など、ならコープにはきめ細かいサポート体制が整っていることです。

人と接する仕事がしたいと考えている人は多いと思います。しかし、どのように人と関わるのか具体的なイメージはありますか?組合員と顔見知りになれたり、ありがとうの声をより近くで聞くことができたりする。そんな魅力のあるならコープについてさらに知りたい方は、ぜひEXPOに来てください!



市民生活協同組合ならコープ

所在地 奈良市恋の窪一丁目2番2号
従業員数 正規職員413人(うち女性55人)非正規社員1,236人(うち女性962人)
事業内容 無店舗事業、店舗事業、共済事業、宅配水事業、電気事業
HP https://www.naracoop.or.jp/


取材担当 奈良女子大学3年生 近田美紗子、奈良女子大学大学院 内田百香


記事作成:平成30年9月21日

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