社会福祉法人功有会

功有会

社会福祉法人功有会(広陵町)


「正直にやっていこう」を合言葉に
職員も利用者もすべての人が輝ける場所へ

1986年に事業を開始した社会福祉法人功有会。事業所は6箇所あり、デイサービスや老人ホーム等の高齢者向けの事業から始まりましたが、現在は児童発達支援のための事業所展開もされています。

「功有会」の名前の由来は「功績が有る組織」。利用者のより良い生活実現のために奉仕し、社会に功績のある組織づくりを目指しています。

超高齢社会を迎え、ますます需要が高まることが予測される高齢者福祉。その中で功有会はどのようなサービスを目指し、どのような職場作りをしているのでしょうか。


功有会
(取材に訪れた老人ホーム「大和園平和」)




「予防」と「在宅」が強み ~介護ニーズを先取り~

功有会
まずは人財育成部の渡辺真樹子(わたなべまきこ)さんに、お話をお伺いしました。

「『老人介護施設』と聞くと、多くの人は、認知症や身体的な状況から介護が必要な人だけが対象というイメージがあると思います。功有会でもそのような方を対象とした特別養護老人ホームを3つ運営していますが、デイサービスやショートステイ・訪問介護など、介護予防サービスや在宅介護のサービスもたくさん提供しています。」



今、介護業界に求められるものは「介護をする」ことだけに留まらず、「介護を予防する」「慣れ親しんだ住まいで過ごすサポートをする」ことにまで広がってきているそう。

「功有会は、特に自宅からの通所を受け入れるデイサービス事業に力を入れており、法人全体を合わせるとおそらく奈良県内で一番たくさん利用者の方にお越しいただいていると思います。最近の例では、県内でも珍しい温泉のでるデイサービスや介護予防に効果的なプールリハビリを実施していますが、全国から介護関係者が見学にこられています。これからの介護は在宅や地域中心となっていきますが、これらのノウハウがあることは功有会の大きな強みだと思います。」




うそをつかなくてよい職場づくり

功有会
功有会には「命」「事実」「居場所」の3つを大切にするという行動指針があります。

- 「事実」を大切にするというのは具体的にはどういうことでしょうか。

「介護の現場では、ちょっと目を離した隙に利用者がこけてしまい大ケガをするなど、小さな失敗が大きな事故に繋がることがあります。人は失敗を隠したくなるものですが、大切なのは悪い事実が発生した時に、その事実に対してどのように対処するかということです。だから私達は事実に目を向けることを指針にしているのです。」

功有会

事故が起こった際には「なぜそれが起こったのか」という検証を行い、利用者の家族に説明され今後にしっかりと活かされているそうです。

「私達は何か失敗をしても責められることはありません。逆に、失敗を隠そうとしたり、ごまかそうとしたりした際には、かなり厳しく注意されます。そうやって事実をしっかり見つめる環境を作っています。理事長も『正直にやっていこう!』が口癖で、ウソをつかなくてよい職場づくりをしています。それはもちろん、利用者やその家族との信頼関係を築くことにもつながります。」




女性職員が大半の職場だからこその「働きやすさ」

介護業界の職員は男性よりも女性の割合の方が高いところが多いため、子育てや介護などで女性が離職してしまうことが課題だそう。同様に女性の割合が高い功有会の働く環境はどうなのでしょうか。

「功有会の制度は、特別なものを作るというよりは、法で定められたものをしっかりと実践することを重視しています。
職場は女性が多い分、周りに育休経験者や子育て経験者が多く、育児を理由に休んだり早く帰ったりすることに理解があります。また、管理職も8割以上が女性なので、上司に相談しやすい環境も整っています。また幅広く事業を展開しているのでキャリアの幅も広がっています。
ぜひ育休・産休を取ってもらって、復帰後にまた一緒に働きましょう!という気持ちですね。」

今ある制度をあたり前にとれる安心感のある職場 女性ロールモデル 野上真依(のがみまい)さん

功有会
次にお話を伺ったのは、生活相談員の野上真依さんです。


- 功有会に入ったきっかけをおしえてください。

「音楽活動の傍らアルバイトをして暮らしていましたが、朝から働ける仕事を探していて見つけたのが功有会でした。介護の仕事に就きたい、と思っていたわけではないのですが、功有会は私の曾祖母が入所していた場所だったので、働いてみようと思いました。パートから入りましたが、今は正職員になっています。」



- 「介護職」と聞くと、「キツイ」という印象が強いですが、実際のところはどうですか。

「体を使う仕事ではありますが、今は介護器具などもあるのでめちゃくちゃ力が必要だということはありません。なにより介護はチームプレーで行い、ひとりで負担を背負うわけではないので、体力的な負担を『苦痛』だと感じたことは一度もありません。
利用者の抵抗にあったりキツい言われ方をすることがあったりで、初めのうちはそこが大変だと感じていましたが、今ではそういう場面で“あの手この手を考えて”利用者とコミュニケーションを図っていくことも一つの楽しみだと私は考えています。」



- では働いていく中で苦労したことや辛かったことはなかったのでしょうか。

「デイサービス施設のリーダーになった時が一番大変でしたね。自分より年上の職員をまとめなくてはならないというのがやりづらかったですね。しかし、周りに相談できる人もいましたし、周りの人にどう思われているかと気にするのではなくて、周りの人を信じてやってみたら上手くいくようになりました。」



- 働いていて嬉しかったエピソードをお聞かせ下さい。

「私はもともと音楽をやっていたので、利用者の方々の前でピアノや三線(さんしん)を生で弾いたり、歌を歌ったりする機会を作っているんですね。ある日、食堂で私が『上を向いて歩こう』を歌っていたら、もう寝たきりで発語できないはずの利用者の方が、一緒に歌ってくれたことがあるんです。それはすごく嬉しかったですね!」


功有会

- 女性が働きつづけるための功有会のアピール点はどこでしょうか。

「女性が多い職場であり、産休や育休を歴代の先輩方がしっかり取っているという実績があります。この育休や産休が取りやすい風土には安心感を覚えます。また、子供の体調不良などで急に休みを取らなくてはならないという状況になった際に、休みやすい空気があるというのも働き続けるためには大事なポイントです。
育児のために休みを取る、ということが“当たり前”になっている職場です。」



編集後記
-大学生プロジェクトメンバーより-

今回、功有会を取材して、私が最初に持っていた「介護職=大変そう」といったようなイメージが覆され、介護職の素敵なところをたくさん知ることができました。自分の中で、勝手に介護職に対して、あまり良くないイメージを作り上げていただけなのだなと思いました。

また、時代の変化に伴って、介護職の求められる役割や在り方は変わっていっているということも学びました。超高齢社会の中で、介護職の可能性ややりがいというものはどんどん広がっていくのではないかなと思いました。

ロールモデル、野上さんのお話では、野上さんが志していた音楽の道を、全く違う場所で活かせていることがすごく素敵だなと感じました。

女性が多いからこそ、女性が働きやすい職場であるということにも感動しました。何か新しい制度を取り入れることも確かに大切かもしれないけれど、当たり前のこと(法で定められていること)を当たり前にする、という方針が一番大切なのではないかなと思いました。

「将来、人や社会に役立つような仕事がしたい!」と考えている人や「誰かの笑顔の為に動いたり、人と接するのが好き!」という方は是非、EXPOに来て功有会のブースでお話を聞いてみてください。



社会福祉法人功有会

主な業種 介護・福祉

所在地 北葛城郡広陵町三吉169
従業員数 正規職員260人(女性220人)非正規職員310人(女性270人)(平成30年3月31日現在)
事業内容 特別養護老人ホームやデイサービスセンターなどの高齢者福祉事業、ほか
HP http://www.yamatoen.or.jp

取材担当 奈良女子大学1年生 矢部まどか、石丸早紀


記事作成:平成30年10月17日


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