「E-夢 はっしん!」









平成31年4月1日(月曜日)
≪第286号≫
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発行:奈良県教育委員会事務局 企画管理室
魅力と活力あるこれからの高校づくり
奈良県教育委員会
教育長 吉田 育弘
県教育委員会では、「魅力と活力あるこれからの高校づくり」をコンセプトとして、県立高等学校適正化実施計画を昨年度に策定し、県議会で可決いただきました。この計画は単なる生徒減少への対応ではなく、新学習指導要領も踏まえながら、高等学校教育の質をこれまで以上に高め、時代の変化に対応できるような未来の学校づくりを行うためのものです。
これまで、「普通科は進学、専門学科は就職」との硬直的な考え方のもと高校の選択が行われ、高校入学後も、普通科高校から大学、専門高校から企業に進むことがスタンダードであるかのような指導が行われていたことは否めません。私自身も、数十年前に数学の教員として担任をしていた頃には、偏差値で大学を序列化し、少しでも高い偏差値の大学へ入れることがよい進路指導であるというような考え方をしていた時期もありました。
しかし、少子高齢化やAI・IoTなどの進展、グローバル化の加速など、変化がますます激しくなるこれからの時代を生きる生徒たちにとって、高等学校教育がどのような役割を果たすべきなのかをしっかり考えなければならない時期に来ています。大学合格を目指したAIの偏差値が数学で70を超えたことに驚異を感じますが、AIは何かを好きになったり、自ら意味を考えて処理したりすることはありません。人間がAIを活用するためには、これまでのような偏差値と向き合う教育ではなく、生徒たちが自ら興味・関心をもって、得意なことをどんどん伸ばしたり、新たな価値を創造したりできるような教育をしていく必要があると考えています。
今回の適正化実施計画では、普通科高校を再編成し、時代の変化に対応した新しい高校づくりを推進します。県立国際高等学校では、ネイティブ教員による授業、第二外国語の学習、留学生の受け入れなどにより、これからのグローバル社会で活躍できる人材を育成します。また、県立大学附属高等学校については、「奈良の再発見を通して日本と世界に貢献する」という県立大学の建学の精神のもと、自ら課題を発見し解決する能力を最大限に伸ばすための学校づくりが行われようとしています。このほか、宇陀高等学校や奈良南高等学校には、介護福祉士や二級建築士、土木施工管理技士などの資格取得や大学への編入学を目指す専攻科を新たに設置します。
このように、県内の各高等学校で、生徒の個性や価値観と向き合い、長所を伸ばすような教育を展開することで、本県の高等学校教育の質をさらに高めていくことができると確信しています。
平成が終わり、新たな時代を迎える本年度、県立高等学校適正化実施計画を着実に実行し、新たな価値を創造できるような教育の元年になるよう、精一杯取り組んでまいります。
【1】平成30年度 奈良県教育委員会優秀選手賞等表彰式について
<保健体育課>
平成30年1月に制定した「奈良県教育委員会優秀選手賞等表彰規則」に基づいて、運動部活動に励み、顕著な功績があると認められる個人若しくは団体に対し、表彰しています。
平成31年2月5日(火曜日)、県立教育研究所において、平成30年度奈良県教育委員会優秀選手賞等表彰式が開催されました。
受賞者及び受賞団体
【優秀選手賞】
・団体 5団体
・個人 23名
詳しくはこちらをご覧ください。
※お問い合わせ先 保健体育課 学校体育係 TEL 0742-27-9861
【2】「元気なならっ子約束運動」に幼児、小学生が取り組みました
<教育研究所>
子どもたちの基本的生活習慣の定着、社会性の醸成、約束を守ることの習慣化を目的として、「元気なならっ子約束運動」を実施しました。平成30年度は、247園・所、19,410人の幼児とその保護者及び213校25,795人の児童とその保護者が取り組みました。
報告いただいた取組の中から、各園・所でも取り入れやすく、特色ある取組を家庭教育Webページで紹介しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
※お問い合わせ先 県立教育研究所 教育経営部 教育企画係 TEL 0744-33-8902
【3】平成31年度教育委員会事務局組織の主な改編について
<企画管理室>
県教育委員会事務局では、事業の推進や業務の効率化、新規事業に対応するため、組織改正を行いました。概要は次のとおりです。
(1)文化財保存課・文化財保存事務所の知事部局への移管
文化財の保存と活用の一体的な施策推進のため、文化財保存課および文化財保存事務所(文化財保護行政)を教育委員会から知事部局の地域振興部に移管します。
(2)組織名の改称
(1)「教育振興大綱推進課」を「教育政策推進課」に改称
従来から所掌している、教育委員会が所管する重点施策の企画立案、教育振興大綱の教育委員会各課室所における取組の進捗管理、達成状況の検証改善などに加え、高等学校学習指導要領等も踏まえながら、高等学校教育の質向上と再編成により「魅力と活力あるこれからの高校づくり」を推進するため、「教育振興大綱推進課」を「教育政策推進課」に改称します。
(2)教育研究所「研究開発部」を「教科・情報研究部」に改称
ICT教育環境整備における統合型校務支援システムの導入実証研究事業、県内全体の教育情報ネットワークシステムを構築するための取組等への対応、また、新学習指導要領の全面実施への対応にあたる組織としての性格を明確にするため、現在の「研究開発部」を、業務内容に即した「教科・情報研究部」に改称します。
※お問い合わせ先 企画管理室 秘書人事係 TEL 0742-27-9816
【4】平成31年4月教職員の人事異動について
<教職員課>
異動件数(退職含む)については、小・中学校が1,128件、県立学校が392件、事務局が131件で総数は1,651件となりました。異動総数は昨年と比して23件の増となりました。
本年の異動は、小・中学校では、多様な経験を積み重ねさせるため、採用後4年以上の初回異動者の他市町村への積極的な異動に努め、異動対象者の25.2%を異動しました。また、初回異動者以外の市町村間交流も積極的に進めました。
県立中学校・高等学校の異動は、前年度に比べ、退職が10件増、管理職異動が5件増となったが、異動総数は10件減となりました。また、特別支援学校では、7件増となりました。本年も、「教職員人事異動方針」を踏まえて、「平成31年4月教職員人事異動の重点項目」の実現に努めたところです。
具体的に小・中学校では、(1)新規採用後に配置された学校での勤務が4年以上となる者については、地域や学校の実情を考慮の上、全県的な視野に立って、県内全域の他市町村への異動を行う。その他の市町村間交流についても、積極的に異動を進め人材交流を活発化させる。(2)女性管理職の積極的な登用を進める。(3)管理職及び県教育委員会事務局指導主事等への若手教員の積極的な登用を進める。(4)人材育成を目的とした特別支援学校及び国公立学校等との交流、並びに小中一貫教育及び特別支援教育・通級指導の充実を目的とした小・中学校間の交流を積極的に進めました。
また、県立学校においては、(1)高等学校については、地域・学科間及び若手教職員の異動並びに多様な人事交流を進める。(2)特別支援学校については、新規採用後、4年以上の異動や異校種間の交流を進める。(3)管理職及び県教育委員会事務局指導主事等への若手教員等の登用を図りました。
■異動件数
小・中学校 県立学校 事務局 合 計
異動総数 1,128 392 131 1,651
退職 校長 61 15 76
教頭 12 5 17
事務長 8 8
一般 289 132 3 525
転勤 766 232 128 1,126
■校長・教頭への昇任件数 ※( )は女性で内数
小学校 中学校 県立学校 合 計
新校長 48(10) 12( 1) 16( 2) 76(13)
新教頭 51(15) 20( 2) 21( 1) 92(18)
※お問い合わせ先 教職員課 小中人事係・県立人事係 TEL 0742-27-9844・9846
【5】リーフレット「2019年度 学校教育の充実のために」を作成しました
<教育政策推進課>
「2019年度 学校教育の充実のために」は、新学習指導要領等を踏まえ見直しをした「奈良県学校教育の指導方針」と併せて、奈良県教育振興大綱に掲げる県教育委員会所管分野の施策の概要を理解いただくために作成しているものです。
県内公立学校の全ての教職員に配布し、学校教育の充実に役立てていただくとともに、Webページ等で県民の皆様に示すことにより、本県教育への理解と協力を求め、本県学校教育の充実・振興に資することを目的としています。
リーフレットはこちら をご覧ください。
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※お問い合わせ先 教育政策推進課 教育政策推進係 TEL 0742-27-9830
【6】「奈良先端科学技術大学院大学、奈良県立奈良北高等学校及び奈良県教育委員会の連携協力に関する協定締結式」について
<教育政策推進課>
平成31年3月26日(火曜日)、奈良先端科学技術大学院大学、奈良県立奈良北高等学校及び奈良県教育委員会が、情報科学分野での教育活動等を連携協力し実施することを通して、高校生の情報を活かす力を高め、柔軟な判断力と枠にとらわれない発想力を育むため、包括的な協定を締結しました。

協定書を手にする(左から)横矢直和学長、土居正明校長、吉田育弘教育長
※お問い合わせ先 教育政策推進課 教育政策推進係 TEL 0742-27-9830
県立王寺工業高等学校で取り組まれている「 DMG森精機加工機」の導入について紹介します。
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「社会とつながる実学教育の推進に関する研究」
~DMG森精機(株)との連携~
県立王寺工業高等学校
平成29年3月にDMG森精機(株)(以下DMGMORI)と奈良県が締結した「連携と協力に関する包括協定」を踏まえ、県教育委員会より「社会とつながる実学教育の推進に関する研究」指定を受けた(本校、奈良朱雀高等学校、御所実業高等学校がH30年7月指定)。
DMGMORIは、1948年(昭和23年)大和郡山市で創業、現在では工作機械の世界的シェアを誇る企業である。本校を含め3校に対しターニングセンタや5軸マシニングセンタといった最新の工作機械を無償導入していただくとともに人的支援(社員の講師派遣)を含め、県内の工業教育の促進に関し支援をいただくこととなった。
本校では、機械工学科3年生の実習授業において独自のテキストを用いた講義をいただき、「課題研究」の授業では、工作機械を使った「ものづくり」において、工法のアドバイス等様々なサポートを受けた。生徒のアンケートからも「5軸マシニングセンタが普及し、工程が全自動化されれば技術者不足を解消できる」といった意見も出てきており、日本や地域の課題について、生徒が主体的に考えようとする機会となっている。
来年度も引き続き3校に対して支援を受ける予定であり、CAMソフト(ESPRIT:DPテクノロジー製)を導入することにより、より複雑な形状の加工について、まず教員研修を実施していく予定である。生徒だけでなく教員も最新の技術を学ぶよい機会を得て、生徒の学びの質を高める環境を整備することができると期待している。

最新鋭の工作機械を用いた実習授業の様子(指導はDMGMORI講師と本校教員)

5軸マシニングセンタで作成した課題研究の作品の一例
県立五條高等学校定時制課程に66歳で入学した櫻本春雄さんは、平成31年3月1日に卒業証書授与式を迎えられました。同校を卒業された櫻本さんに、学校生活の思いや若者への抱負を綴ってもらいました。
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50年ぶりの学生生活
奈良県立五條高等学校定時制課程
平成30(2018)年度卒業生 櫻本 春雄
私は、66歳の時に、成人特例措置によって入学しました。試験を受けて合格し、初めて入学式で同級生と顔を合わせたときに、この若者たちと同じように学ぶことができるのか不安でした。なぜかというと、私は中学校を卒業した後、50年間勉強ということをしていなかったからです。でも、ここに来た以上やらなければならないと思い頑張る決心を固めました。
70歳を前にしての初めての高校生活は戸惑う事ばかりでした。やはり、現代の若者とは温度差がありました。考えること、思っていること、話題など、そして何よりも年齢の違い・・・・・・。勉強は、全ての教科でついていくことが難しく、テスト一つにしても限られた時間内で40点以上取るということはとても大変な事でした。それでも頑張って試験勉強をしました。
苦しいことばかりではなく、楽しい思い出もたくさんできました。中でも、クラスの皆で行き先を決めた北海道への修学旅行は特別な思い出となりました。北海道に到着し、あちらこちらと見学するのはよいのですが、私が一番年上だったので、若者に色々教えることが大変でした。普段、先生方が私たちに物事を教えるという事の大変さがよくわかりました。その晩、私の部屋に皆が来て色々世間話をしながら夜は更けていったことは生涯忘れません。
定時制の先生は、親切、丁寧に物事が分かるまで勉強を教えてくれる方ばかりで、非常に助かりました。その一方で、先生方が今の若者たちに指導をすることはとても難しいと思いました。なぜかというと、今の若者たちは、小さい頃からあまり道徳心を教わらない、私たちの頃のような躾もされてこない時代になったと感じるからです。これからの日本を背負っていく若者たちがこのままでいいのかと思います。若者の成長には学校、家庭、地域の教育力が必要です。私も4年間学んだ貴重な学生生活をこれからの社会に生かし、少しでも役に立つよう心がけたいと思います。そして若者たちも頑張ってくれることを願っています。本当に4年間ありがとうございました。


修学旅行(小樽市 レンガ倉庫にて 本人中央) 授業風景(本人手前左)


全日制課程との合同卒業証書授与式の様子 定時制課程卒業証書伝達式での挨拶の様子
(本人左側起立) (本人左側)
県教育委員会では、「魅力と活力あるこれからの高校づくり」を目指して「県立高等学校適正化実施計画」を策定し、議会で可決されました。
新しい学校づくりに向けた県教育委員会や各学校の取組を、今後このコーナーで紹介していきます。
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「第1回奈良県立国際高等学校 学校説明会」
県立国際高等学校は、日本や世界でグローバルに活躍することができる生徒の育成を目指して2020年4月に開校します。
2019年2月23日(土曜日)、24日(日曜日)の2日間、県立郡山高等学校、県立畝傍高等学校において、第1回の学校説明会を開催し、二日間で合計600名以上の中学生やその保護者、教育関係者の方にご来場いただきました。
説明会では、はじめに、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)で勤務されている塩見慶研究員からのビデオメッセージを紹介しました。塩見さんは、奈良県出身で、現在、人工衛星「いぶき」で宇宙から温室効果ガスを観測する仕事をされています。塩見さんからは、海外の言語や文化を学び、色々な人と協力して仕事をすることの大切さや激励のメッセージをいただきました。説明会前日には「はやぶさ2が小惑星リュウグウにタッチダウンした」というJAXAのビッグニュースもあったことから、参加した中学生は、大変興味深くメッセージに聞き入っていました。
その後、国際高校の使命や教育内容、学校生活等について、事務局から説明を行いました。
最後に、求める生徒像、授業内容、留学への支援、部活動などについて様々な質問をいただき、事務局から現時点での検討状況を説明しました。中学生の皆さんからは、第二外国語について、学びたい言語など積極的な提案もいただきました。
これらのご意見等も参考にしながら、国際高校が中学生の皆さんにとって、グローバル社会で活躍する夢を実現する場となることを目指して、検討を進めてまいります。
塩見さんのメッセージは国際高校リーフレットに掲載しています。
説明会の詳しい内容及び資料はこちらをご覧ください。
※お問い合わせ先 教育政策推進課 教育政策推進係 TEL 0742-27-9830
奈良県内の地域の産物や行事食、旬の食材を取り入れるなどの工夫をした、我が町・我が校自慢の学校給食の献立をご紹介しています。
献立画像をクリックしていただくと、分量や調理の方法を見ることができます。ご家庭でも、ぜひお試しください。
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★今月の地域★
*天理市・中学校
★今月の献立★
*主食:たけのこごはん
*牛乳:牛乳
*主菜:天ぷら
*副菜:じゃことこまつなの炒り煮
*汁 :すまし汁
★レシピ★
←画像をクリック
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〔献立紹介〕
ごはんは、春が旬の「たけのこごはん」にし、天ぷらには、衣に大和茶の粉茶を入れることで、見た目も春らしく仕上げました。「じゃことこまつなの炒り煮」の小松菜は、成長期に大切な栄養素であるカルシウムが多く含まれる野菜です。甘みのある味つけで、小松菜の苦みが苦手な子どもたちにも食べやすい工夫をしています。
2019年03月25日 高等学校等奨学金の新規貸与生を募集します
2019年03月22日 文化財指定書交付式・伝達式の開催について
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