第294号 R1/12/1

「E-夢 はっしん!」

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令和元年12月1日(日曜日)

≪第294号≫


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発行:奈良県教育委員会事務局 企画管理室


【巻頭言】 目次に戻る

子どもの頃の読書は、豊かな人生への第一歩?

                                      奈良県子ども読書活動推進会議委員

                                       奈良教育大学 教授 横山 真貴子

 「だって、赤ちゃんのときからの仲良しなのよう。捨てられない!」 今は、大学生になった長女が2歳ごろ、よく口にしていた言葉です。例えば、公園の砂場で遊び込んでいる長女に「もうおうちに帰るから、おもちゃ片付けよう」と声をかけると、こう言うのです。

 「何を言っているの?」とよく周囲の人に驚かれました。実はこのセリフ、当時長女が大好きだった絵本『ルウのおうち』(松谷みよ子文・武田美穂絵 講談社)の一節です。主人公のモモちゃんのクマのぬいぐるみのルウが家出します。そのルウを探すモモちゃんに、猫が「そんな汚いクマ捨てちゃえよ」と言うのです。その言葉に憤慨して言う一言が、このセリフです。長女にも大切にしているクマのぬいぐるみがありました。「大好きなモーリーを捨てるなんてできっこない!」 長女にとって、このセリフは最上級の「イヤ!」という表現だったのです。「イヤ」という言葉では表しきれない思いを、絵本の言葉を借りて表現していたのだと思います。

 「子どもの頃の読書は、豊かな人生への第一歩」 これは、国立青少年教育振興機構が2012年に実施した5000人を超える成人を対象にした調査から導き出された結果です。子どもの頃に本を読んでもらったり、自分で読んだり、図書館で本を借りるなど、本と関わる経験が多い大人ほど、自己肯定感や社会性、意欲・関心など、いわゆる非認知能力が高かったのです。

 本の世界にぐっと入り込み、主人公になりきって、ドキドキ、ハラハラ、物語の世界を体験する。泣いたり、笑ったり、豊かな感情を経験し、苦難を乗り越えた登場人物と一緒に達成感を味わう。物語世界で、心を動かし鍛える経験は、現実世界を生きていく礎になるのかもしれません。

 子どもたちが本に出会うためには、本を手渡す大人の存在が必要です。すべての子どもたちが豊かな人生の第一歩を踏み出せるように、本を届けたい。それは、子どもたちに未来を託す私たち大人の役割だと思います。


【スクープ 奈良TIME!郷土学習!】 目次に戻る

 奈良市立興東館柳生中学校で行われている、地元に伝わる「大柳生太鼓踊り」(県無形民俗文化財)の保存・継承に関わる取組について紹介します。

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~奈良県無形民俗文化財「大柳生太鼓踊り」の学習を通して~

                                         奈良市立興東館柳生中学校
教頭 森田 のり子

 本校では、奈良県無形民俗文化財である「大柳生太鼓踊り」に地域学習の一環として取り組んでいる。大柳生太鼓踊りは室町時代を起源とし、この地に伝わるもので、「シナイ」という檜のけずり皮をたくさん飾った重い竹をさらし1本で背中にくくり、「カンコ」という締太鼓を胸に吊り下げ飛び跳ね舞う、とてもエネルギッシュな踊りである。保存会の方をゲストティーチャーに全校でその歴史、伝統を守ること、受け継ぐことの難しさをも学ぶ。そして1年生は太鼓踊りの始まりには欠かせない「口上」(太鼓踊りの伝承を語った文)、2年生は、歴史や衣装・リズム・楽器などについての説明を、そして3年生は太鼓踊りの演じ手を務め、地域行事「ふれあい広場」で発表している。
 これまで地元の方の音源を使い、大太鼓と踊りのみを披露してきたが、今年は3年生が過去最多ということもあり、歌・篠笛・鉦のお囃子も、自分達の生演奏で披露することを目指した。保存会・地域の方々の指導を受け、全員がすべてのパートを経験したうえで、役割は、生徒達の自主性を大切にし、時間をかけて決定していった。ゲストティーチャーによる限られた練習は、指導する側も、指導を受ける側も回を増すごとに真剣さは増していった。1・2年生もその様子を見学することでまた、3年生の太鼓踊りに繋げたいと気合充分で本番を迎えることに結びつき、お囃子、大太鼓、踊りの息づかいまでもが一つとなった大柳生太鼓踊りを披露することができた。
 地域の方々には、かつて集落の氏子が長老の庭先で踊っていたその時間を思い出してくれていたようにも感じた。
この伝統文化を学ぶことを通して思うことは、人と人がなす口伝だからこそ、そこには様々なコミュニケーションがあるということである。生徒と地元の人々、生徒と生徒の協働がある。言葉だけではなく身体的なコミュニケーション、音によるコミュニケーションをとおして互いに一つの目標に向かう姿は共同体の意識の形成そのものであり、主体的な学びや対話的な学びがそこにはあったと思う。生徒たちには、この学びを原点として、人と人とのつながりを未来へと繋げていって欲しい。

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【はっしん! みんなの夢】 目次に戻る

 「第50回全国中学校ソフトテニス大会」の女子個人戦で優勝し、「JOC杯・第26回全日本ジュニアソフトテニス選手権大会」のダブルスとシングルス(望美さん)においても優勝した岩元さん姉妹に、ソフトテニスにかける思いや今後の夢を綴ってもらいました。

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ソフトテニスと出会えて

                               宇陀市立榛原中学校 2年  岩元 望美

                                           岩元 愛美

 私達が全国中学校ソフトテニス大会やJOC杯ジュニア五輪で優勝できたのは、今まで応援してくださった方々のおかげで、とても感謝しています。

 でも一番は、濱中先生の熱心なご指導と、これまで積み上げてきた練習が力強い支えになっています。また、先輩、仲間、保護者の方々、家族などたくさんの人たちに支えられて、今の私達があることを忘れずに練習に励んでいます。

 私達は幼稚園の年長組の時に、先にソフトテニスをしていた兄の影響でソフトテニスを初めて体験しました。とても楽しくて、打てば打つほどソフトテニスが好きになり、小学二年生で本格的に始めるようになりました。初出場した大会で負けた悔しさと、負けず嫌いの性格がうまく重なり、のめり込むようになりました。

 私達は双子で、幼い時から今でも、ささいなことでケンカもしますが、お互いに良いところ、悪いところが分かり合えるので仲直りは早いです。

 精神面や技術面で乗り越えないといけない課題がまだたくさんあり、「毎日の練習が試合本番!」と自分に言い聞かせ、次の大会でも「必ず優勝するぞ!」という強い気持ちで練習に取り組んでいます。

 近い将来は日本代表として世界に飛翔できるように日々成長し、今後も応援されつづける選手になりたいです。

 もちろん、学校生活や勉強も頑張ります。そして世界に誇る歴史遺産や自然景観に恵まれた奈良県を内外に発信できるよう日々前進し続けたいです。

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【魅力と活力あるこれからの高校づくり】 目次に戻る

 県教育委員会では、「魅力と活力あるこれからの高校づくり」を目指して「県立高等学校適正化実施計画」を策定し、議会で可決されました。
 新しい学校づくりに向けた県教育委員会や各学校の取組を、今後このコーナーで紹介していきます。

 【1】国際教養大学と教育連携協定締結! ~県立国際高等学校の現状報告~

 去る11月15日(金曜日)に、公立学校法人国際教養大学と国際高等学校、奈良県教育委員会の三者が英語と異文化理解に関する教育を更に充実させることを目的とする教育連携協定の締結式を開催いたしました。
 国際教養大学は、「国際教養教育」を教学理念に掲げ、グローバル社会のリーダーとなる人材を育成することを使命とされています。様々な大学ランキングにおいて、「国際性」や「教育充実度」などで第1位の評価を受けられるなど、世界を見据えたグローバルな教育方針が高く評価されています。学内の授業はすべて英語で行われ、学生には1年間の海外留学が義務付けられています。海外の連携大学は50カ国・地域の200大学にも及び、キャンパス内では多くの留学生が学んでおられます。また、2008年9月に開学された専門職大学院グローバル・コミュニケーション実践研究科では、「理論と実践の架橋」を基軸とした英語による高度な専門職教育を実施されています。
この度の教育連携協定締結式で国際教養大学理事長・学長の鈴木典比古様が御挨拶くださいました内容の一部を掲載します。
 『異文化理解の重要性を認識し、グローバルに行動できる人材を育成するという国際高等学校の使命は、本学の使命とまさに相通じるものであり、高大連携、グローバル人材育成という点から連携を図っていけるものと考えています。
魅力あるカリキュラムのもと、3年間の高校生活を通し、国際高等学校がどのような卒業生を輩出されるか、今から大変楽しみであります。』
 今回の協定により、国際教養大学の専門職大学院に本県英語教員を毎年派遣し、教員が実践的で高度な英語指導力を身に付けることが期待できます。また、大学が主催される英語教育プログラムに国際高校の生徒たちが参加したり、大学の先生方に出前授業をしていただいたりすることで、生徒の皆さんに国際社会で求められる主体性や英語による高度なコミュニケーション能力を身に付けることが可能となります。英語力の向上や様々な国・地域の方との交流は、異文化理解や多様な考え方を学ぶ好機となると思います。多様な人々との積極的なコミュニケーションを通して、グローバルな視点でものごとを捉え、国際社会の平和と発展に貢献できる力を身に付けられることでしょう。
 英語力の向上と異文化理解を深められる国際高校で、あなたも学んでみませんか。

 国際教養大学との連携協定締結式については こちら をご覧ください。

※お問い合わせ先  教育政策推進課 教育政策推進係 TEL 0742-27-9830

【2】リーフレット「魅力と活力あるこれからの高校づくり」を作成しました

 中学校2年生の進路選択の参考として県立高等学校適正化実施計画による高等学校の再編内容等を示すため、リーフレット「魅力と活力あるこれからの高校づくり」を作成しました。

 リーフレットはこちらをご覧ください。

※お問い合わせ先  教育政策推進課 教育政策推進係 TEL 0742-27-9830

【奈良の先生になろう】  目次に戻る

 

奈良県次世代教員養成塾(2期生)

 第2回講座を奈良学園大学で行いました。その様子や受講生の感想等をお伝えします。

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奈良県次世代教員養成塾第2回講座

 11月6日(土曜日)に、奈良学園大学にて奈良県次世代教員養成塾第2回講座を実施しました。第2回講座のテーマは「人間理解・他者理解を深める」で、「道徳的価値について、グループ討議などを通して、考え方や意見は多様であることを理解し、自分の見方や考え方、生き方を見つめる」ことを目標に、受講生は講座に取り組みました。
 これまでの生活の中で「伝える」ことの難しかった経験を振り返り、その理由を考えるとともに、自身の考え方を見つめ、生き方を考える学習を行いました。ワークシートに自分の考えを書いた上で、グループで討議したり、小中学生対象の授業を体験したりして、自身の課題に目を向けました。
 受講生は、気持ちを「伝える」ことの難しかった経験や「伝わらない」と感じたりしたことについて、グループ討議などを通して話し合いました。その中で、道徳的価値に関わる考え方は多様であることを理解し、自分の見方や考え方、生き方を見つめ直していました。

 受講生からは、次のような意見や感想がありました。

・今まで「コミュニケーションは難しい」という体験は何度かありましたが、今日の講座を受けて、今まで思いつかなかったような方法をたくさん知ることができ、よかったです。

・初めて知ることが多く、自分や周りの人について考えさせられる講座でした。様々な考えを理解し、子どもたちに教えていくことができるような先生になりたいと思いました。

・様々な考え方があることを当たり前に思い、楽しむことが大切だと思いました。

人の理解度はそれぞれ異なるので、一人一人に合わせて伝えることが大切だと思いました。

・グループワークが多いことで、他の人の意見を取り入れやすく、自分の意見との違いがよく分かりました。また、道徳の授業は教科書の内容についての話だったので、本当に授業を受けている気分になり、集中することができました。

・今日の講座でコミュニケーションの多様性を知ることができ、とても楽しかったです。人の心理にも興味があるので、活用したいと思いました。
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【すくすく給食! おすすめレシピ】 目次に戻る

 奈良県内の地域の産物や行事食、旬の食材を取り入れるなどの工夫をした、我が町・我が校自慢の学校給食の献立をご紹介しています。

 献立画像をクリックしていただくと、分量や調理の方法を見ることができます。ご家庭でも、ぜひお試しください。

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 ★今月の地域★ 
*奈良市・中学校

 ★今月の献立★
*主食:麦ごはん            
*牛乳:牛乳

*主菜:さんまの竜田揚げ

*副菜:奈良あえ 

    ごぼうのカレー風味あげ

*汁 :吉野汁

 ★レシピ★
 ←画像をクリック

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〔献立紹介〕

  「竜田揚げ」は、紅葉の名所である斑鳩町竜田川の白い波に浮かぶ紅葉に見立てた揚げ物です。ごぼうは、食物繊維が豊富なかみごたえもある食品で、大きめに切って奈良県産の米から作った上新粉と、子どもたちの好むカレー味の衣をつけて揚げました。「奈良あえ」には、奈良県の特産品“奈良漬”を使っています。吉野山が葛の産地であることから、葛粉を用いた汁物を「吉野汁」と呼びます。体も温まり、寒い冬にぴったりの料理です。

【お知らせ】  目次に戻る

「なら教育リポート ~まなびだより~」今後の放送予定

<県立教育研究所>

 奈良テレビ放送「ゆうドキッ!」(午後5時58分~6時55分)の中で、午後6時40分~45分頃に放送します。

 ○12月11日(水曜日) 「先生だからまなぶ ~STEAM教育エバンジェリスト研修~」

              県立教育研究所

 ○12月25日(水曜日) 「未来につながる力 ~奈良県次世代教員養成塾~」

              県立教育研究所

 ■過去の放送分は、 こちらのWebページでご覧いただけます。

 ※お問い合わせ先  県立教育研究所 教科・情報研究部 ICT教育係 TEL 0744-33-8907

【報道発表資料】11月1日~11月30日 目次に戻る

2019年11月20日 令和元年度奈良県いじめ対策委員会の開催
2019年11月15日 畝傍高校音楽部生徒の教育長表敬訪問
2019年11月07日 第28回奈良県産業教育フェア
2019年11月07日 Nara早寝早起き朝ごはんフォーラム
2019年11月07日 奈良県小学生陸上競技記録会の開催について
2019年11月06日 ユニセフキャラバンキャンペーンについて
2019年11月01日 高円高校教育長表敬訪問
2019年11月01日 奈良県教育委員会選奨の被表彰者の決定

【お願い】 目次に戻る

 取り上げてほしい記事や、紹介してほしい学校の取組等がありましたら、本メールマガジンの下部にあります発行先までご連絡ください。


奈良県先生応援サイト」はこちらから。または「奈良県先生応援」で検索してください。 

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