奈良祭時記

県民だより奈良 2020年3月号

奈良祭時記
ちゃんちゃん祭り
天理市 大和(おおやまと)神社
天理市の9つの地区が協力して行う祭り。
保存会の森口さん、出口さん、古家さん、中田さん、堀部さん、藤野さんにお話を伺いました。
ちゃんちゃん祭り
天理市提供
「ちゃんちゃん祭り」の由来と歴史
 毎年4月1日に大和神社で行われる例祭(神幸祭(しんこうさい))は、祭りの道中で鳴らされる鉦(かね)の音から「ちゃんちゃん祭り」の名で知られています。記録から、少なくとも600年以上の歴史があるとされ、かつて神輿の台として使用されていた石が今も神社の鳥居前に残り、「応永十四(1407)年」の文字が刻まれています。
にぎやかな「お渡り」
 「9カ大字(だいじ)」と呼ばれる市内9つの地区(町)が祭りに携わり、地区ごとに準備を進めます。各地区で1年交代の頭屋(とうや)と頭人児(とうにんご)(10歳頃までの男子)が選ばれ、地区を代表して祭りに参加します。
 祭りは朝10時の祭典から始まります。2基の神輿に祭神を移す御霊(みたま)移しの後、14時から神輿を移動させる「お渡り」が行われ、大和神社を出発します。「お渡り」では、参列者が地区ごとに列をなして、甲冑(かっちゅう)・裃(かみしも)・羽織袴・白装束姿や猿田彦(さるたひこ)(天狗)の姿となり、旗や鉾(ほこ)や風流傘等を手に、総勢約200人と馬6頭で大規模かつ豪華絢爛(けんらん)に練り歩きます。
 岸田町のお休み所に到着すると、神輿を置き、龍の口を開閉させながらその周囲を3周半回る「龍(たつ)の口舞(くちのまい)」が小学生により奉納されます。そして、中山町の御旅所(おたびしょ)へと移動し、食事と酒宴が大字ごとに催されます。また、大和稚宮(おおやまとわかみや)神社に神輿が置かれ、「御旅所祭」が行われます。「御旅所祭」では、「龍の口舞」そして、掛け声とともに樫(かし)の葉を頭上に舞い上げる「翁(おきな)の舞」の奉納などが行われます。
 17時に大和神社に戻り、御霊移しを行い、「龍の口舞」と「翁の舞」が奉納され、往復約4kmの移動を経て祭りは終了します。
お渡り
9カ大字で伝統をつなぐ
 手順や所作には、謎に包まれた部分が多くあります。「翁の舞」で田植えの所作があることから「五穀豊穣を祈願したのではないか」とも考えられています。
 市内9カ大字が協力して祭りを行うことで、地区同士の結びつきが強くなります。これからも、地区を超えて助け合いながら継承していきたいと思います。
森口さん、出口さん、古家さん、中田さん、堀部さん、藤野さん
森口さん、出口さん、古家さん
中田さん、堀部さん、藤野さん
行ってみよう!
大和神社 毎年4月1日
天理市新泉町306
電話 0743-66-0044
URL ooyamatohp.net/
大和神社
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電話 0742-27-8124
FAX 0742-27-5386
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