ならびと

県民だより奈良 2020年4月号

ならびと
令和元年の「秋の褒章」で黄綬褒章を受章された池田柏藻(和美)さんにお話を伺いました。
池田柏藻さん
鼈甲士(べっこうし)
池田柏藻(はくも)(和美)さん
縁の深い奈良・桜井市でのべっ甲細工作り
 貝彫刻職人であった兄の紹介で、16歳からべっ甲細工職人の下で透かし彫りの技術を学び、約10年間の修行を経て地元の桜井市に工房を構えました。
 池田工房は、細かな透かし彫りをべっ甲に施す熟練の技術が特徴です。その作品を称する「奈良べっ甲」という名前は、桜井市の上之宮遺跡でべっ甲が出土したことから、地元との深い関わりに縁を感じ、名付けました。
常に新しいアイデアを作品に
 お客様との直接のやりとりから新しいヒントを得るため、職人では珍しく、制作から販売まで自身で手掛けています。「自分だけのオリジナルのものがほしい」という女性の声を取り入れたアクセサリーは、全国各地の百貨店に足を運び、対話を繰り返した結果、生まれました。
 べっ甲細工は歴史のある美術工芸品ですが、常に新しいアイデアを取り入れることで、時代に合ったものになります。最近では、正倉院に納められている宝物の絵柄を取り入れたデザインや、貝、琥珀、珊瑚、白檀(びゃくだん)、カメオなどの素材と組み合わせた作品づくりなど、よりべっ甲に興味を持っていただけるように新しい挑戦を続けています。
正倉院柄連珠文様と三弁花の透かしペンダント
正倉院柄連珠文様と三弁花の透かしペンダント
カメオとべっ甲を組み合わせた作品
カメオとべっ甲を組み合わせた作品
べっ甲細工を次の時代へ
 現在、べっ甲細工の材料であるタイマイが入手困難などの理由から、職人が少なくなっています。技術の継承が難しくなるのと同時に、正倉院に納められているべっ甲細工をはじめとする文化財の保存・修復が困難になることが予想されます。そのため、1300年以上の歴史があるべっ甲細工を守るため、親から子へと技術を伝えるとともに、実演販売を通して、べっ甲細工やその技術を知ってもらう活動を続けてきました。
 今後も、さらに「奈良べっ甲」を広めていくため、東京を中心に透かし彫りの技法を見ていただける機会を増やしていきたいと思います。
県広報広聴課
電話 0742-27-8326
FAX 0742-22-6904
※「県民だより奈良」は県内の各家庭にお届けしています。
 市町村窓口、県の施設などにも配置しています。
※点字と声による「県民だより奈良」も発行していますので、必要な方は県広報広聴課へご連絡ください。
 県では、経費削減のために、「県民だより奈良」の裏表紙に有料広告を掲載しています。
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〒 630-8501 奈良市登大路町30
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