奈良オンリーワン酒米品種の育成 県酒造組合では、県産酵母と県産米を使用した酒造りに取り組まれるなど、県産の醸造用玄米(酒米)の需要は高まっています。現在、酒米‘露葉風’が県の準奨励品種として栽培されていますが、今後、県産酒米の付加価値を高めるため、奈良県独自の品種の育成を目指しました。 調査の様子
素麺やパンに適した新たな小麦品種の選抜 県の小麦奨励品種‘ふくはるか’は県内で栽培しやすく、製粉性やうどんへの加工適性が優れ、高タンパク質化すると素麺に加工できることなどから、県内生産者や実需者から高く評価されています。一方、県産小麦の主な用途であるパン用の実需者ニーズも大きく、また特産品である素麺により適した新たな小麦品種の導入が期待されています。そこで、パンや素麺に適した強力系小麦品種を選定し、併せてその栽培技術を確立することを目指しました。 強力系小麦品種の栽培試験 製パン性評価試験
作物の奨励品種の選定 水稲、小麦および大豆について、本県での栽培適性が高く、高品質安定生産が可能となる品種の選定を行いました。水稲では温暖化に対応した高温時の品質の安定等、大豆や小麦では実需者の評価が高いこと等も評価し、選定を行ってきました。
難裂莢性ダイズ「サチユタカA1号」を奨励品種に採用 本県のダイズは、主に集落営農や地域の担い手グループを中心に、水田を有効活用して、大規模かつ効率的に生産されています。 これまでの奨励品種「サチユタカ」は、多収で豆腐加工適性が高い特性を持ちますが、さらに難裂莢性(莢(さや)がはじけにくい性質)を導入した「サチユタカA1号」(育成:農研機構 次世代作物開発研究センター)が育成されました。この品種は、本県での栽培にも適しており、難裂莢性で、実質的な収量向上が期待されることから、平成31年3月に県の奨励品種に指定されました。 「サチユタカ」(左)と「サチユタカA1号」(右)の草姿 「サチユタカ」(左)と「サチユタカA1号」(右)の莢。「サチユタカA1号」の莢は乾燥が進んでもはじけにくい。