柳生町(上(かみ))と柳生下町(下(しも))の2つの地域では、柳生八坂神社を氏神とし、毎年10月の例大祭で神事芸能を奉納しています。 江戸中期には神事芸能を行った記録があり、地元の人たちにより脈々と受け継がれてきたことが分かります。
例大祭の朝は神事を主宰する家である頭屋(とうや)の家に集まります。紋付羽織袴から素襖(ソー)に着替え、祝詞(のりと)をあげ、頭屋の家に祀(まつ)られている氏神の分霊に相撲の舞、簓(ササラ)の舞、影向(ヨーガ)の舞を奉納します。食事などを済ませた後、庭に順番に並び、右回りに3回、円を描きます。一行には宮司も加わり、「ピー、ドン」と、笛と太鼓を奏でながら柳生八坂神社へとお渡りをします。御幣と御神体である楽器と装束を入れる「御神箱(カミサン)」もそのあとに続きます。到着後、舞台で相撲の舞、簓の舞、影向の舞を奉納します。2人1組で舞う相撲の舞は、ぴったりと息の合った2人の声や動作、簓の舞は竹で作られた楽器・ビンザサラの音色、影向の舞は扇子を使った舞と詞章(ししょう)が特徴です。一つ一つの動作を行う際には笛と太鼓が鳴らされ、例大祭当日、柳生八坂神社の境内は荘厳な雰囲気に包まれます。 お渡り前の宴では、謡(うたい)のことを「肴(さかな)」と呼び、酒も出され、皆がにぎやかに謡(うた)を謡います。酒に酔う者もいますが、いざ舞台に上がると気持ちが引き締まり、皆真剣な表情で舞を奉納します。
10年程前までは、柳生の宮座は柳生上・下の氏子の年長者各12人(「十二人衆(ジュウニンシュウ)」と呼ぶ)、両地域合わせて24人で構成されており、役割を1年ずつ交替し例大祭を行っていました。 しかし、現在は、担い手が減少し、柳生上・下の8人でこの伝統を守っています。「代々受け継がれてきた伝統を絶やさずに、次の世代に継承していかなければならない」との思いから、継承者を増やすため、地域の人へ広く声をかけています。
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