今から100年前の1922(大正11)年3月3日に、京都市で全国水平社が創立されました。水平社の運動は人間を尊重し、差別をなくそうとする取り組みです。その中心メンバーは奈良県出身の青年たちで、長い間、差別を受けながらも人間としての誇りを失うことなく生き抜いてきた先祖の生き方を受け継ぎ、全国の仲間とつながりながら差別をなくす運動に尽力しました。そして、その結成の場で読み上げられたのが、「日本の人権宣言」とも、世界初の「マイノリティの人権宣言」ともいわれる「水平社宣言」です。 この宣言の起草者である西光万吉(さいこうまんきち)は、「人間はいたわるべきものではなく、尊敬されるべきものだ」という信念を持ち、部落差別による苦悩を全ての人の苦悩として解決しようとしていました。「水平社宣言」は「人間を尊敬することによって自らを解放する」つまり差別する人をも尊敬することによって差別をなくすという考え方であり、「誰一人取り残さない」社会の実現につながるものではないでしょうか。あなたも、私も、自分らしく生きていくために、今、一番大切にしたいものは何でしょう。あなたは何を宣言しますか。
安堵町立安堵小学校 4年 近藤 麗愛(こんどう らいあ)さん
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