第34回奈良県新型コロナウイルス感染症対策本部会議

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新型コロナウイルス感染症の現状と、この夏を安心して過ごしていただくための取組 

令和4年8月10日 第34回 新型コロナウイルス感染症対策本部会議

 

資料全文(pdf 1798KB)

映像


 

 6月下旬以降、奈良県では新規感染者が急増し、その波は第6波を大きく上回る状況となっています 。

 第6波から主流となっているオミクロン株は、現在ではBA.5系統が中心となっており、その特性として、感染力は非常に強いものの、重症者の発生や、亡くなられた方のうちコロナが直接の死因と認められた方の割合は低く、実態を踏まえて冷静に対処することが必要です

 4月から運用している奈良県独自の療養先トリアージ基準は、 医療関係者のご努力によって正常に機能しており、直ちに医療体制が困難となる状況ではありません

 しかしながら、新規感染者数が高い水準で推移していることに対応するため、県では体制の整備を図っています

 奈良県では、実態に即した対策を行うことにより、社会経済活動を維持しながら感染の拡大に対処していきます。

 これから、お盆の時期を迎え、人の移動が活発になります。県民の皆様には、この夏を安心して過ごしていただくために、基本的な感染予防対策の徹底を、改めてお願いいたします。

 


目次

【1】奈良県の現状

1.感染動向

2.医療提供体制


【2】現状への対処

1.検査体制

2.保健所体制

3.クラスター対策

4.ワクチン接種の推進

 

【3】安心して過ごしていただくためのお願い

 

【1】奈良県の現状

 

1.感染動向

 

   奈良県では大阪府と同様に、6 月下旬以降、新規感染者数が急激に上昇しています。


 

 

図表

 

図表

 

 

 新規感染者を年代別にみると、第4 波以降、20 代未満の割合が高くなっています。

 また、第6波以降では、第5波と比べて10歳未満の割合が高い状況にあります。


図表

 

2.医療提供体制

 

   オミクロン株(第6波以降)では、それ以前に比べて重症化する割合が低い状況にあります。


図表

 

   重症者の年代内訳は、アルファ株(第4 波)、デルタ株(第5波)に比べて、70代以上の高齢者が非常に多くなっています。


図表

 

   現在、重症対応病床の占有率は39 %となっており、空き病床に多少の余裕がある状況です。


 

 

重症対応病床の占有状況


図表

 

 

 オミクロン株(第6波以降)では、亡くなった方のうち、直接の死亡原因が新型コロナウイルス感染症と認められなかった方の割合が増加しています。


図表

 

 

 新規感染者に対する「新型コロナが直接の死因と認められた方」の割合(死亡率)は、第5波以降、低くなっています。


図表

 

 

 現在まで、奈良県が独自に定めた「療養先トリアージ基準(※)」を支障なく運用しています。

(※)療養先トリアージ基準において“入院していただく方”は、
(1)酸素投与をはじめとした新型コロナのための入院治療が必要な方と、
(2)妊婦、人工透析患者、外傷・持病の治療の必要な患者など、新型コロナ以外の傷病のための入院治療等が必要な方
としています。


 

 

入院病床の占有状況


図表

 

 

<参考>療養先トリアージの状況


図表

 

 

【2】現状への対処

 

1.検査体制

 

  外来診療・検査体制の強化


 

 

 感染者の急増により、外来診療・検査のニーズが高まっています。


図表

 

 

 今後も、県民の皆様に、外来診療・検査を継続して提供できる体制を整えるため、医師会のご協力を得て、検査キットが不足する医療機関に対し、国から無償で譲渡される検査キットを、診療用として緊急的に供与 【※】します。


 

 

 また、医師会のご協力により、一部の医療機関において、症状が軽く重症化リスクの低い方(希望者)に、検査キットを配布 【※】していただきます。

 現在、医師会において、検査キットを配布していただける医療機関をとりまとめていただいており、準備が整い次第、配布を開始します。


【※】 医療機関への緊急的な供与と希望者への配布は、あわせて約20万回分の予定

 

 

  新型コロナウイルス検査促進事業の実施


 

 

 お盆期間の帰省で移動の予定がある場合など、無症状の方を対象に、無料で新型コロナの検査を受け付けています


○対象者

(1)無症状の方で、イベント・旅行・帰省等の社会経済活動を行われるにあたり陰性確認が必要な方

帰省や旅行、大人数での会食、大規模イベントの事前検査にもご利用いただけます。

 検査実績(令和4年7月1日~8月1日)3,902件

(2)無症状の方で、感染リスクが高い環境にある等のため感染不安を感じる県民

 検査実績(令和4年7月21日~7月25日)3,579件
     (令和4年7月26日~8月1日)6,150 件

 

((1)、(2)のいずれも、濃厚接触の可能性がある方は対象外。)

図表

 

○検査実施事業所

 お盆期間のイベント・旅行・帰省等の移動前後の無料検査は、全国1万3千箇所以上の拠点で受け付けています(各都道府県のホームページ等に掲載)。

 県内の無料検査の実施事業所(71箇所。うち8箇所は、お盆期間も無休。)については、下記URL で公表しています。

https://nara-package.jp/

図表

 

※実施期間について、(1)は令和4年8月31日まで。(2)は 令和4年7月21日から当面の間。 実施期間に変更ある場合は、県ホームページ等でお知らせします。
※検査実績は、令和4年8月1日時点の速報値。

 

2.保健所体制

 

  保健所の対応


 

 

 感染者の増加に対応するため、これまでから、保健所業務の外部委託や電話応答の自動化をはじめとして、保健所機能の維持に努めてきました。


図表

 

 

 

 現在のオミクロン株(BA. 5)は、「感染力が非常に強いものの、症状の軽い方が多く、重症化のリスクが低い」という特性のため、保健所では、入院治療が必要な方から優先して連絡させていただいています。

 しかし、6月下旬以降の感染者の急増によって、症状の軽い方や重症化リスクの低い方に対し、保健所からの連絡に遅れが生じています。


 

 

そこで、追加の対応として、
(1)保健所への応援体制をさらに充実させるとともに、


 

県庁等からの応援職員を順次増加させ、
8月3日からは
 郡山保健所 26名
 中和保健所 27名
 計53名 の応援体制

 
   (2)新型コロナに感染された場合に必要となる情報を、より早くお知らせできるよう、情報提供を強化しています。  
 

 新型コロナの外来診療・検査を行う医療機関の協力を得て、「検査結果が陽性になった患者様へ (次項目)」を配付

 

図表

図表

 

 

3.クラスター対策

 

  新型コロナ感染対策責任者による感染予防対策


 

 

 第6波以降、新規感染者に占める10 歳未満の割合が大幅に増加したこと、また、重症者に占める70代以上の割合が非常に多いことから、学校、保育所、高齢者施設等での感染対策、クラスター対策が重要です。

 すでに、新型コロナ感染対策責任者の登録が完了し、責任者には、感染対策マニュアル等の実践責任者となって、各施設で感染予防対策を励行していただいています


 

 

 さらに、医療機関、高齢者施設の責任者等を対象に、感染症専門医による、それぞれの施設の特性に合わせた 「新型コロナクラスター対策 緊急セミナー」を開催しました(8月6日~8月8日)。

 今後も、各施設での感染対策について、情報共有の機会を設け、責任者による感染予防対策を支援します。


図表

 

  暑い季節ですが、基本的な感染防止策の徹底をお願いします


 

 

(1)マスク (2) 換気 (3) 消毒 (4) 距離


 ・これらの対策で、3つの感染経路(エアロゾル、飛沫、接触)を遮断しましょう

図表

 

 ・発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えましょう

 

  換気のご注意


 

 

 クラスターを防ぐためにも、夏は特に、換気を心がけましょう

 (通常のエアコンには換気機能がありません)


●時間を決めて定期的に2 方向の窓やドアを開けて換気を行いましょう

●サーキュレーターや扇風機は、開けた窓やドアに向けて一方向で作動させましょう

 室内の汚染した空気を室外に出すイメージ。首振り機能を使うと、空中に存在するウイルスを室内に均等に分布させてしまうことになります。

図表

 

●換気扇がある場合、換気扇で排気し、反対側から外気を取り入れましょう

zuhyou

 

※イラストは、政府新型コロナウイルス感染症対策分科会「感染拡大防止のための効果的な換気について」(令和4年7月 14 日)より抜粋。

 

  こんなところにもご注意


<車に乗るときは>

車は「外気導入モード 」で、最大風量の半分以上に。

同乗者は離れた席に座り、それぞれの窓を5センチほどあけましょう。

図表

<空気清浄機の使用にあたっては>

感染予防に有効な可能性はありますが、換気の代わりになるものではありません。

基本的には「換気」が最も重要で、空気清浄機は「補助的」な役割と考えて、まずは換気を確実に行いましょう

 

 

4.ワクチン接種の推進

 

  ワクチン接種の現状


 

 

○現在、3 回目接種、 4 回目接種(※)を実施しています。(1・2回目接種についても、接種機会は確保されています。)
 4回目接種者が大幅に増加する(7 月 20 日 知事定例記者会見時 48,
912 人→8月7日時点170,825人)一方、3回目接種(12~64 歳)の接種率は、6割以下に留まっており、3回目接種率向上が課題です。

○5~11歳の小児接種についても、引き続き、接種を進めています。

※4回目の接種対象者は、(1)60歳以上の者、(2)18歳以上60歳未満で基礎疾患を有する者その他重症化リスクが高いと医師が認める者、(3)医療従事者等及び高齢者施設等の従事者となっています。


図表

 

 

  ワクチン接種率向上に向けた取組


 

 

 県では、接種率向上に向けて、情報発信の充実、接種機会の確保などの取組を行っています。


 

○情報発信の充実

・「いまなら。キャンペーン2022 プラス」と連携した接種の検討を呼びかけ
・SNS や県民だより(7月号)での呼びかけ
・県 HP に掲載しているワクチン接種に係る Q&A を充実

○接種機会の確保

県広域ワクチン接種会場を9月も引き続き設置。(次項目参照)
・mRNA ワクチンよりも副反応が少ないことが期待される武田社ワクチン(ノババックス)を県広域ワクチン接種会場で使用
・市町村の接種会場へ県が確保した医師を派遣
・市町村や医療機関に対し、更なる接種機会の確保を依頼

○企業・学校への働きかけ

・企業に対し、その従業員の接種を働きかけるよう依頼(併せて、接種しやすい職場づくり(ワクチン休暇の導入など)も依頼)
・県立高校や私立学校に対し、積極的な情報発信を依頼

 

 

  県広域ワクチン接種会場の設置


 

 

○県広域ワクチン接種会場について、引き続き、9月も設置します。(~ 9/10)

○また、現在、モデルナの予約が取りづらくなっていることから、モデルナの接種日を計3日間追加します。( 8/22~24)

○加えて、8/11~8/20 の間、ノババックスの1回目接種も追加で行います。

○なお、上記新規日程の予約は本日(8月 10 日)午後 2 時から開始する予定です。


<接種会場>奈良県文化会館

<予約方法>これまでと同様、予約サイトかコールセンターで申し込みが可能です。

 

 図表

 

 

  ワクチン接種について前向きな検討をお願いします


 

 

○若年層(12歳~40代)の3回目接種率は、2~5割台に留まっています

○新型コロナウイルスに罹患すると、若い方であっても、重症化したり、倦怠感などの症状が長引いたりする可能性があります。

○ワクチン接種は、皆様ご自身を守るだけでなく、家族、友人、高齢者など、身近な大切な方を守る事にもつながりますので、接種について前向きな検討をお願いします

○小児接種(5~11歳)についても、引き続きご検討をお願いします。


図表

 

【3】 安心して過ごしていただくためのお願い

 

  リスクの低い場所では、多少リラックスして、できるだけ日常生活を維持


 

   夏場は、熱中症防止の観点から、屋外でマスクの必要のない場面では、マスクを外すことを推奨します。


 

(例えば)

・一人でいる時にはマスクを外す。一人で車を運転している時はマスクは不要

・同居家族内では過度な感染対策は不要

 (かぜ症状がある時は、家族とすごす場所・時間を分け、お互いマスクをつけ、換気・消毒をしましょう)

・外で距離が取れる場合はマスクを外す

・誰も触っていなければ消毒は不要

 

図表

 

  救急車の利用に関するお願い


 

   救急車を呼ぶべきか迷った時には、相談窓口をご利用ください


図表

 

 

 


新型コロナウイルス感染症に関連する人権への配慮について

― 差別や偏見をなくしましょう ―


 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、感染された方をはじめ、医療従事者やそのご家族、その方々が属する施設・機関などに対する差別的な言動や、SNSでの誹謗中傷、また、ワクチン接種に関する差別など、人権を侵害する事象が見受けられます。

 いかなる場合でも、差別、偏見、いじめなどは決して許されるものではありません。

 県民のみなさまには、新型コロナウイルス感染症に関連する憶測、デマ、不確かな情報に惑わされず、人権侵害につながることのないよう、行政機関の提供する正確な情報に基づき、冷静に行動していただきますようお願いいたします。