飛鳥・藤原を世界遺産に

県民だより奈良
2022年10月号

飛鳥 藤原を世界遺産に
飛鳥・藤原タイトル
【vol.3】
山田寺跡
山田寺跡(東から撮影):史跡公園として中門、回廊、塔、金堂の基壇(きだん)の跡が整備されています。
また、講堂跡には現在も法燈(ほうとう)を伝える寺院が現存し、境内で一部露出した礎石(そせき)や地覆石(ぢふくいし)を観察することができます。
回廊建物部材
復元された回廊建物部材(奈良文化財研究所飛鳥資料館図録『奇偉荘厳山田寺』より転載)

 

飛鳥の仏教寺院
最新知識の集合体仏教
 東アジアの国際交流により、中国、朝鮮半島を経由して日本へと仏教がもたらされました。古代日本の国づくりには、仏教と仏教寺院の存在が大きく関わっていました。
 日本に仏教が伝来したのは、6世紀半ばとされます。それより半世紀のち、飛鳥に日本で初めて金堂や講堂、塔、回廊をそろえた寺院・飛鳥寺が造営されました。
 仏教寺院には、経典に不可欠な漢字のほか、土木、建築、測量、造瓦(ぞうが)、金属加工などさまざまな最新技術が含まれていました。中国や朝鮮半島から伝わったこれらの知識や技術は、日本の国づくりの基礎となりました。
 寺院造営には朝鮮半島からの渡来人や中国から帰国した留学生、留学僧が大きく関わっていました。寺院の伽藍(がらん)配置や出土した瓦の種類などに、東アジア諸地域との国際交流の一端を垣間見ることができます。
飛鳥寺跡(明日香村)
飛鳥寺跡(明日香村) 別名法興寺。日本で初めて伽藍が整備された仏教寺院です。平城京遷都に伴い元興寺として移りましたが、飛鳥の寺院も存続し、飛鳥大仏とともに安居院(あんごいん)として現在も法燈を伝えています。
最古墳から寺院へ
 大陸より伝わった新しい宗教である仏教は、東アジアの最新文化であると同時に、中国や朝鮮半島、そして日本でも国家統治の手段として用いられました。
 推古天皇の時代、仏教受容と寺院の造営が奨励されました。古墳時代の300年間にわたって権力を誇示するため巨大な古墳を造ってきた豪族は、仏教寺院という新たなモニュメントを競って造り始めます。この豪族が造営した寺院が「氏寺(うじでら)」です。飛鳥の宮殿周辺には、蘇我氏一族の飛鳥寺や山田寺、渡来人集団である東漢(やまとのあや)氏の檜隈(ひのくま)寺、日本初の尼寺とされる橘(たちばな)寺などの氏寺が点在します。
 その後、天皇家により造営された川原寺は、公的な役割も担うようになりました。仏教は次第に国の統治機構に組み入れられ、藤原宮・藤原京の造営に際しては国家鎮護のための寺院が計画的に造られていきます。
奈良の世界遺産を知ることができる冊子を発行してます。
https://www.pref.nara.jp/59182.htm
山田寺跡 桜井市
 山田寺は蘇我氏の一族である蘇我倉山田石川麻呂(そがのくらやまだのいしかわまろ)の発願により641年に造営がはじまりました。649年に石川麻呂は謀反(むほん)を疑われて、この山田寺で自害し、造営は一時中断しました。その後、石川麻呂の孫である鸕野讃良(うののさらら)皇女(後の持統天皇)の援助のもと、685年ごろに完成しました。山田寺は中門、塔、金堂、講堂が一直線に並ぶ、百済の寺院にみられる伽藍配置です。平城京遷都後も隆盛を極め、壮大な伽藍は藤原道長も絶賛したとされます。その後、平安時代後期以降に災害などにより多くの建物を失いました。このうち東側の回廊が倒壊した当時の状態で出土しており、法隆寺よりも古い建築様式を伝えています。この建築部材は奈良文化財研究所飛鳥資料館で常設展示されています。
山田寺跡
桜井市山田
アクセス JR・近鉄「桜井駅」より奈良交通バス36系統「山田寺」下車すぐ
近鉄「橿原神宮前駅」・「飛鳥駅」より
明日香周遊バス(赤かめ)
「明日香奥山・飛鳥資料館西」下車 東へ800m
県文化資源活用課
電話 0742-27-2054
FAX 0742-27-0213
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