飛鳥・藤原を世界遺産に

県民だより奈良
2024年2月号

飛鳥 藤原を世界遺産に
飛鳥 藤原
Vol.11
壁画古墳と国際交流
壁画古墳と国際交流
左:キトラ古墳石室壁面に描かれた朱雀像(明日香村教育委員会提供)
右:キトラ古墳の墳丘。中国からもたらされた風水思想を反映し、南の斜面に造られています。
 
キトラ古墳内部
2001年朱雀像発見時のキトラ古墳内部。正面の北壁には玄武像、天井には東アジアで現存する最古の天文図などが見られます。
(明日香村教育委員会提供)
古墳壁画の発見
 キトラ古墳と高松塚(たかまつづか)古墳は、いずれも藤原宮が造られた頃に築造された壁画古墳です。
 1972年に発掘調査によって高松塚古墳壁画が発見され、1983年には発掘をせずに内部を見られるファイバースコープ調査によってキトラ古墳壁画が発見されました。
 どちらも発見から40年以上経ちますが、被葬者が誰なのかはわかっておらず、一説には遣唐使などに関わった皇族あるいは上位の貴族にあたる人物の墓と考えられています。
 墳丘の築造方法や、壁画の構図、題材、技法は中国からもたらされた技術・思想に基づいたものであり、「飛鳥・藤原」の時代における国際的な文化交流を示しています。一方で、石室の形態や規模については日本の伝統に沿ったものであり、中国文化を単純に取り入れるだけでなく日本の伝統と融合することで、東アジアにおける新たな日本のあり方を顕著に示した事例といえます。
守り、伝える
 2つの古墳壁画は、環境の変化による劣化から守るため一時的に取り外され、現地に隣接した施設で大切に保護されています。
 キトラ古墳の石室から取り外した壁画は、「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」内の保存施設にて保管され、高松塚古墳の壁画を含む石室の部材は、古墳近くの仮設修理施設にて修理・保存が行われており、いずれも時期限定で公開されています。
 このように貴重な文化財を守り未来に伝えていくため、保存環境を慎重に管理しながら、必要に応じて修理作業が行われています。
壁画公開の様子
国宝高松塚古墳壁画仮設修理施設での壁画公開の様子(文化庁提供)
高松塚古墳
明日香村
 高松塚古墳は、藤原宮の南の墓域に造営された墳墓です。古墳は国の特別史跡に、壁画は国宝に指定されています。
 壁画には中国の伝統的な思想に基づいた、男女それぞれの人物群像や四神、星宿(せいしゅく)図(星座)が描かれ、高句麗や唐の影響が顕著に表れています。中でも石室の西壁に描かれた女子群像は、環境変化によりカビの発生など劣化が起こりましたが、約12年間にわたる修理作業で蘇り、文化財保護の象徴的な存在として位置づけられています。
修理作業の様子
国宝高松塚古墳壁画仮設修理施設での修理作業の様子。これらの繊細な壁画の修理は、それぞれ手作業によって丁寧に行われます。写真の壁画である「西壁女子群像」は「飛鳥美人」の通称で親しまれています。(文化庁提供)
高松塚古墳(明日香村平田)
高松塚古墳(明日香村平田)
アクセス 奈良交通明日香周遊バス 「高松塚」下車 南東へ約450m
「飛鳥・藤原」を紹介する動画を作成しました。
下記よりご覧ください。
URL www.youtube.com/watch?v=dEs_fbBoc9U&list=PL2vjyFirKts-NHScwoRMjSCmxHWvb0reX&index=6
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