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飛鳥・藤原を世界遺産に
2024年4月号
Vol.12
中央集権国家の誕生
592年に推古天皇が豊浦宮(とゆらのみや)で即位して以降、飛鳥の地で新たな国づくりが行われました。
写真左は飛鳥宮・藤原宮の二つの宮殿が置かれた地域。写真右は飛鳥宮跡の井戸。
東アジアでの国際交流
6世紀後半以降、東アジアにおいて強大な国家が生まれました。隋(581~618年)と唐(618~907年)です。古代中国の統一を果たした隋は、すでに「律令」という法体系によって皇帝が中心となり国を統治する進んだ制度を持っていました。同じ頃、高句麗(こうくり)・百済(くだら)・新羅(しらぎ)といった朝鮮半島諸国は隋・唐の勢力拡大により、緊張が高まるなか、隋・唐への朝貢を通して各国で体制強化を進めていました。
緊迫する国際情勢を受け、当時の日本(倭)も、約120年ぶりとなる遣隋使派遣(600年)を決断し、東アジア情勢に対応できる新たな国づくりを始めました。その後もたびたび派遣された遣隋使・遣唐使により、最先端の知識や制度が取り入れられ、国の仕組みが整備されました。また、隋や唐、高句麗・百済・新羅からの渡来人によりもたらされた仏教思想や土木・建築をはじめとした最新技術などが大きな原動力となり、新たな文化も育まれていきました。
「飛鳥・藤原」で進められた新たな国づくりには、激動の東アジア情勢やそれに伴う活発な国際文化交流が大きく関係していたのです。
天皇中心の律令国家
「律令」による国家統治体制が整備されつつある中、天皇を中心とした強力な国家であることを、国内外に向け形で示す必要がありました。それを成し遂げたのが、7世紀後半に行われた藤原の地における新たな都の造営であり、これが現在の日本へと続く中央集権国家の誕生となります。
これまで紹介してきた構成資産を含む「飛鳥・藤原」の22の遺跡群は、まさに日本で初めて天皇中心の律令国家が誕生したことを示す証拠です。
藤原宮跡と香具山(西側より撮影)
藤原京は約5km四方に及ぶ、後の平城京や平安京をしのぐ大規模な都城でした。天皇の住まいであり政治が行われた藤原宮は京の中央に置かれ、天皇中心の国家が形づくられたことが象徴的に示されています。
もっと詳しく知りたい方へ
橿原市藤原京資料室
「飛鳥・藤原」の構成資産の解説パネルや藤原京復元模型、藤原宮跡で発掘された柱や瓦といった出土品などが展示されており、藤原宮跡を初めて訪れる方にもおすすめの施設です。特に藤原京復元模型は、藤原京の規模や宮殿の様子を理解するために必見です。模型を見てから藤原宮跡に足を運べば、当時の風景をより深く思い起こすことができるでしょう。
資料室建物外観
藤原京1,000分の1模型(6m×7m)
(写真はいずれも橿原市提供)
世界遺産「飛鳥・藤原」登録推進協議会公式サイトが新しく生まれ変わりました。
ぜひご覧ください。
URL
asuka-fujiwara.jp
所
橿原市縄手町178‐1
(JAならけん橿原東部経済センター2階)
アクセス
大和八木駅より橿原市コミュニティバス
「橿原市藤原京資料室前」下車すぐ
次回連載からコーナーリニューアルします。お楽しみに!
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