奈良の輝く企業×起業

　弊社は1930年に、海外向けに女性下着の生地を製造する会社として創業しました。1960年代には紙ナプキン（アンネナプキン）の登場をきっかけに、着用感を向上させるためのサニタリーショーツを開発し、それ以来インナーウェア製品の製造を主に行っています。当初は、インナーウェアメーカーのOEM生産や小売店舗への卸売が中心でしたが、競争と変化の激しい時代の中でタカギを次世代に繋いでいくために、2010年代以降はオリジナルブランドを立ち上げ、WEBや店舗などで自社製品の販売を行っています。

　タカギが立ち上げた3つのブランド「bodyhints」「アロマティック」「アヤメ」は、着心地の良さを追求するという共通の理念を持ちつつ、それぞれに違ったコンセプトがあります。bodyhintsは普段使いがしやすいリーズナブルなブランドで、アロマティックは厳選した素材にタカギの縫製ノウハウを最大限活かしたデザイン性のあるプレミアムブランドです。また、アヤメは創業者である祖母の名前からきており、SDGsの視点からジェンダーレスな社会を目指したいという思いが込められている、優しい素材にこだわったブランドです。さまざまな思いが詰まった3つのブランドから、自分の体と向き合う選択肢の一つとして選ばれるようになればうれしいです。　

　会社の成長と持続のため、若手や女性を積極的に採用しています。私自身が妊娠や出産時に働きにくさを感じた経験から、2016年にテレワークやフレックス制度の導入をはじめました。当初は反対の声もありましたが、2年間の試行錯誤でタカギにあう形を模索し、後のコロナ禍でもスムーズに業務ができたと実感しています。
　また、CSR活動の一環として、県内の小学校を中心に、月経の講義を行う「HAPPPY プロジェクト」を開始しました。月経の正しい知識と対処方法を紹介し、月経は女性の体にとって大切なものであり、ポジティブに向き合えるようサポートしています。
　今後は海外展開にも力を入れるため、2014年1月にはパリ国際ランジェリー展にアロマティックを出展しました。また、アメリカの店舗での取り扱いが決まり、これを機にいずれは世界中に販路を広げ、奈良から世界へ本物の「心地よさ」を提案していきたいです。