奈良は、古代よりシルクロードを通して中国大陸や韓半島、遠くは中央アジアなどと交流があり、国際性豊かな歴史を誇ります。県では、こうしたつながりを活かし、中国、韓国、スイス、ウズベキスタン、ベトナムの5つの地方政府と友好提携を結ぶなど、さまざまな国際交流事業を展開し、青少年を中心とした国際感覚の養成や、インバウンド・外国人材の受け入れなど地域の活性化に取り組んでいます。
今回は、第4回目として、令和3(2021)年12月に友好提携を結んだ、ウズベキスタン・サマルカンド州との交流をご紹介します。
奈良とのつながり
サマルカンド州は、かつてシルクロード交易を担ったソグド人の交易の中心地の一つとして栄えました。その痕跡は、当時、大陸からさまざまな文物を受け入れてきた奈良県にも残されています。
例えば、唐招提寺(奈良市)の4代目住職である安如宝(あんにょほう)はソグド人であったといわれているほか、現在も正倉院に残されている、東大寺の大仏開眼法要の演舞で使用されたとされる伎楽面の一つは、ソグド人をモデルにしたと考えられています。
このように奈良県とサマルカンド州には古くから深いつながりがあることから、令和3年12月に友好提携を締結しました。
サマルカンド州はこんな所
サマルカンド州は、首都タシケントに次ぐウズベキスタン共和国第2の経済的・文化的中心地です。特に、州都サマルカンド市は、古代からシルクロードの交差点として栄え、14~15世紀には、ティムール帝国の都も置かれました。現在も、当時の青を基調としたイスラム建築群が数多く残っており、「青の都」と評されています。平成13(2001)年には、「サマルカンド-文化の交差路-」として世界遺産に登録されており、世界中から多くの観光客が訪れています。このほか、主要産業としては、ブドウや穀物、綿花の栽培、食品加工、自動車組み立てなども挙げられます。
これまでの主な交流
ウズベキスタンやサマルカンド州の工芸品や食品、伝統芸能などを県民の皆さんに紹介するイベントを開催してきました。また、昨年には大学生をサマルカンド州へ派遣し、現地学生との交流を進めてきたほか、奈良県立国際中学校とサマルカンド州内で日本語教育を実施しているサマルカンド第8学校とのオンライン交流を始めています。さらに、今年は、大阪・関西万博にあわせ、7月にサマルカンド州との連携イベントの開催も予定しています。