
2025年5月号
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vol.53
木製品の魅力を奈良から世界へ発信!
ダイワ産業株式会社
代表取締役社長
中西 正智(なかにしまさとも)さん
時代に応じた新事業に挑戦
1970年の創業以来、木製品の製造・販売に取り組んでいます。創業時は、地場産業であった配置薬の木箱づくりを手がけていましたが、需要の低下に伴い、すし桶の製造を開始。全国の量販店やホームセンターへと販路を広げていき、経営も安定しました。
ところがすし桶の需要も減少してきたため、新たな製品を販売する必要が出てきました。その時始めたのが「ひのきまな板」の製造でした。市場では安価な外国産材を使った木製まな板が流通する中、当社は国産材を使った付加価値の高い製品にこだわり、今では年間20万枚ほどを売り上げています。
「木で何でもできる会社」へ
約10年前、経営に携わるようになった私は「従来品の製造だけでは成長できない」と考え、それまで断っていた依頼にもできるだけ対応する方向に路線変更。「木で何でもつくる」を信念にOEMやノベルティグッズなども手がけ、クライアントと共同開発する中でノウハウの蓄積や技術向上を続けてきました。同時に注力したのが、高品質かつ短納期での量産体制を構築するための設備投資。これにより売上向上はもちろん、専門的な技術がいらず誰でも作業が可能なので、幅広い人材の雇用創出に貢献しています。
木工が斜陽産業といわれる逆境でこそ、イノベーションを大切に商品開発にチャレンジしています。当社の「食器洗い乾燥機対応ひのきまな板」は、開発に約1年半をかけた自信作。「木の特性上、開発は困難」と言われる中で独自技術を駆使し、今までできなかった食洗機対応のひのきまな板を誕生させました。
また、県主催の「奈良県の宝物グランプリ」を機に製品化した知育玩具「HUI」(フーイ)は、「大阪インターナショナル・ギフト・ショー2021」でのグランプリ獲得やグッドデザイン賞受賞をはじめ、多方面で複数の賞を受賞。国産ひのきの魅力を、年齢に応じて長く楽しめる玩具を通して広めています。
デザイン性の高いひのきまな板と知育玩具「HUI」
木の新しい価値を創造する
当社が主に使用する奈良県産ひのきは、品質の良さと木目の美しさを併せ持つ優れた素材です。木製品が他素材に代替されることが多い現代ですが、それは木のデメリットにフォーカスしてしまっているからだと感じています。こういった流れの中で、当社の使命は、木の新しい価値を創造し、木製品として社会に届けること。これからも「何でもできる」を目指して新商品をどんどん手がけ、木の価値を奈良から世界へ発信し続けていきます。
ダイワ産業株式会社
木製品製造のスペシャリストとして、機能性やデザイン性に富んだ多様な商品を国内外に届けます。