特集2

県民だより奈良
2025年7月号

特集ロゴ
Aut inveniam viam aut faciam
 森を守り、森に守られる未来を創るために 
森林火災や土砂災害、洪水などの報道を見て不安になったことはありませんか?
 気候変動に伴う土砂災害や洪水、森林火災といった気象災害には森林が大きく関わっています。森林は、気候変動の影響を緩和し、その影響に適応していくうえで不可欠な存在だからです。そもそも森林は土砂の流出や崩壊を防止し、洪水を緩和する機能など重要な役割を担い、私たちの生活を支えてくれています。森林火災後の森林においては土砂災害防止や洪水を緩和する機能が低下しており、そのままでは土砂災害を招くこともあるので、森林の再生が重要となります。そのため、森林環境の保全は重要性を増しています。
土砂災害1土砂災害2土砂災害3
矢印
森を守ることは、わたしたちの未来を創ること
森林環境
 では森林環境を保全するには、どうしたらよいでしょうか?
 これまでの森づくりは、戦後復興と経済成長を支えるため、単一樹種を広範囲に植栽・育成することが推進されてきました。このような画一的な森づくりだけでは、気候変動の影響に対応する機能が低く、森林の荒廃を引き起こし、国土保全に支障をきたします。
 そのため、地域にどんな森林が適しているかを考え、土地の風土に適した多様な森林に導いていかなければなりません。
矢印
地域にあった多様な森づくりを実行していける人材を育てる
 地域にあった多様な森づくりの基本となるのが気候、日当たり、水分、土質・地質など森林の立地環境を考え、その土地にあった木を育てる「適地適木」、土地の災害リスクを考えながら山の地形に合わせた無理のない林業を行う「適地適業」です。
 森づくりの基本を理解し、自然環境や森林生態系の特性、歴史・文化・経済を踏まえ、将来を見据えた森づくり・地域づくりを考えて実行できる森づくりのプロフェッショナル。そんな人材を育成するため、奈良県吉野町に新たな森林管理を学び、森づくりのプロを育てる学校として「奈良県フォレスターアカデミー」を令和3年度に設立しました。
適地適木
奈良県フォレスターアカデミーで森づくりのプロフェッショナルを目指す
木のイラスト
 県フォレスターアカデミーでは、森と人の共生する社会の実現に向けて、豊富な知識と高い技術を備えたフォレスター(森づくりのプロフェッショナル)を育成しています。森林での現場作業に必要な技能はもちろん、森林管理・経営のノウハウ、森を中心とした地域づくりやコミュニケーション・合意形成スキルなど、森づくりで必要となる力を実践的に身に付けていきます。
授業例01
森林に潜む災害リスク評価
~林業と国土保全の両立に向けて~
 森林管理の適正化と林業経営の効率化が一体的に展開されることで、今後、林業は活性化すると考えられています。その一方で、林業活動によって山崩れなど土砂移動の活発化や国土保全上の問題が生じる懸念もあります。
 そのため授業では、林業振興だけでなく、森林の国土保全効果を低下させないことが重要という視点から「林業と国土保全の両立」の考え方を身に付けます。
 授業で森林利用の歴史や豪雨災害の事例、山崩れのメカニズムなどを学ぶだけでなく、実際に災害リスクの高い森林で地形の起伏、樹木の状態や植生変化を観察・スケッチすることで、技術者として現場を見る目を養い、判断力を身に付けます。
授業例01
授業例02
森林火災跡での「森の設計」による森林再生
 火災から約10年が経過したものの、シカによる植物の食害などの影響で、いまだに森林に戻っていない森林火災跡。土砂流出を防ぎ、将来の世代が恩恵を受けられる森にするためには、早期の森林化が必要です。
 この現場で行われる実習は、その場に合う木を植える「適地適木」を基本に、学生が「森の設計」を考えるところからスタート。学期の最後には木材として価値のある樹種に加え、早期に生長して根によって土を留める樹種も交え、実際に植栽を行います。
 学生たちは実習を通して、森林を見る目、適地適木の設計手法などを身に付け、森づくりのプロフェッショナルとしてのスキルを磨いていきます。
授業例02
 奈良県フォレスターアカデミーをもっと知る 
イベント情報
オープンキャンパス開催
8月24日(日)9時30分~16時
(1)県フォレスターアカデミー(吉野町飯貝)
(2)県林業機械化推進センター(吉野町香束) 
下記のURLから
nfa.ac.jp/blog/?p=2116
五感で楽しむ!ならの森林ツアー
〜森林を守り育てる!フォレストワーカー体験〜
10月31日(金)9時〜17時
県内の森林(川上村東川)など
下記のURLから
narawoodjob.wixsite.com/forestworker
7月下旬より受付予定
奈良県林業労働力確保支援センター
電話 0744-26-0202
県民だより奈良
バックナンバー
アカデミー卒業生が、どんな業務に、どんな形で森林・林業へ携わっているのか紹介しています。
ぜひご覧ください!
2024年6月号
2023年12月号
令和8年度入学
6期生学生募集
募集学科 森林作業員学科(1年制)
フォレスター学科(2年制)
定  員 両学科合わせて20人程度
一般入試 【第1回】
出願期間
令和7年8月18日(月)~9月26日(金)
試験日
令和7年10月5日(日)
合格発表
令和7年10月14日(火)
詳しくはこちら
県フォレスターアカデミー
電話 0746‐42‐8100
FAX 0746‐42‐8400
最新情報は公式インスタグラムに掲載!
県民だより奈良
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 森を守り、森に守られる未来を創るために 
森林火災や土砂災害、洪水などの報道を見て不安になったことはありませんか?
 気候変動に伴う土砂災害や洪水、森林火災といった気象災害には森林が大きく関わっています。森林は、気候変動の影響を緩和し、その影響に適応していくうえで不可欠な存在だからです。そもそも森林は土砂の流出や崩壊を防止し、洪水を緩和する機能など重要な役割を担い、私たちの生活を支えてくれています。森林火災後の森林においては土砂災害防止や洪水を緩和する機能が低下しており、そのままでは土砂災害を招くこともあるので、森林の再生が重要となります。そのため、森林環境の保全は重要性を増しています。
土砂災害1土砂災害2土砂災害3
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森を守ることは、わたしたちの未来を創ること
森林環境
 では森林環境を保全するには、どうしたらよいでしょうか?
 これまでの森づくりは、戦後復興と経済成長を支えるため、単一樹種を広範囲に植栽・育成することが推進されてきました。このような画一的な森づくりだけでは、気候変動の影響に対応する機能が低く、森林の荒廃を引き起こし、国土保全に支障をきたします。
 そのため、地域にどんな森林が適しているかを考え、土地の風土に適した多様な森林に導いていかなければなりません。
矢印
地域にあった多様な森づくりを実行していける人材を育てる
 地域にあった多様な森づくりの基本となるのが気候、日当たり、水分、土質・地質など森林の立地環境を考え、その土地にあった木を育てる「適地適木」、土地の災害リスクを考えながら山の地形に合わせた無理のない林業を行う「適地適業」です。
 森づくりの基本を理解し、自然環境や森林生態系の特性、歴史・文化・経済を踏まえ、将来を見据えた森づくり・地域づくりを考えて実行できる森づくりのプロフェッショナル。そんな人材を育成するため、奈良県吉野町に新たな森林管理を学び、森づくりのプロを育てる学校として「奈良県フォレスターアカデミー」を令和3年度に設立しました。
適地適木
奈良県フォレスターアカデミーで森づくりのプロフェッショナルを目指す
木のイラスト
 県フォレスターアカデミーでは、森と人の共生する社会の実現に向けて、豊富な知識と高い技術を備えたフォレスター(森づくりのプロフェッショナル)を育成しています。森林での現場作業に必要な技能はもちろん、森林管理・経営のノウハウ、森を中心とした地域づくりやコミュニケーション・合意形成スキルなど、森づくりで必要となる力を実践的に身に付けていきます。
授業例01
森林に潜む災害リスク評価
~林業と国土保全の両立に向けて~
 森林管理の適正化と林業経営の効率化が一体的に展開されることで、今後、林業は活性化すると考えられています。その一方で、林業活動によって山崩れなど土砂移動の活発化や国土保全上の問題が生じる懸念もあります。
 そのため授業では、林業振興だけでなく、森林の国土保全効果を低下させないことが重要という視点から「林業と国土保全の両立」の考え方を身に付けます。
 授業で森林利用の歴史や豪雨災害の事例、山崩れのメカニズムなどを学ぶだけでなく、実際に災害リスクの高い森林で地形の起伏、樹木の状態や植生変化を観察・スケッチすることで、技術者として現場を見る目を養い、判断力を身に付けます。
授業例01
授業例02
森林火災跡での「森の設計」による森林再生
 火災から約10年が経過したものの、シカによる植物の食害などの影響で、いまだに森林に戻っていない森林火災跡。土砂流出を防ぎ、将来の世代が恩恵を受けられる森にするためには、早期の森林化が必要です。
 この現場で行われる実習は、その場に合う木を植える「適地適木」を基本に、学生が「森の設計」を考えるところからスタート。学期の最後には木材として価値のある樹種に加え、早期に生長して根によって土を留める樹種も交え、実際に植栽を行います。
 学生たちは実習を通して、森林を見る目、適地適木の設計手法などを身に付け、森づくりのプロフェッショナルとしてのスキルを磨いていきます。
授業例02
 奈良県フォレスターアカデミーをもっと知る 
イベント情報
オープンキャンパス開催
8月24日(日)9時30分~16時
(1)県フォレスターアカデミー(吉野町飯貝)
(2)県林業機械化推進センター(吉野町香束) 
下記のURLから
nfa.ac.jp/blog/?p=2116
五感で楽しむ!ならの森林ツアー
〜森林を守り育てる!フォレストワーカー体験〜
10月31日(金)9時〜17時
県内の森林(川上村東川)など
下記のURLから
narawoodjob.wixsite.com/forestworker
7月下旬より受付予定
奈良県林業労働力確保支援センター
電話 0744-26-0202
県民だより奈良
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アカデミー卒業生が、どんな業務に、どんな形で森林・林業へ携わっているのか紹介しています。
ぜひご覧ください!
2024年6月号
2023年12月号
令和8年度入学
6期生学生募集
募集学科 森林作業員学科(1年制)
フォレスター学科(2年制)
定  員 両学科合わせて20人程度
一般入試 【第1回】
出願期間
令和7年8月18日(月)~9月26日(金)
試験日
令和7年10月5日(日)
合格発表
令和7年10月14日(火)
詳しくはこちら
県フォレスターアカデミー
電話 0746‐42‐8100
FAX 0746‐42‐8400
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お問い合わせ

広報広聴課
〒 630-8501 奈良市登大路町30
報道・広報制作係 TEL : 0742-27-8325
デジタル広報係 TEL : 0742-27-8056
県民相談広聴係 TEL : 0742-27-8327 / 
FAX : 0742-22-8653
相談ならダイヤル TEL : 0742-27-1100

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