
2025年8月号
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Vol.20
漆を秘める古墳石棺(こふんせっかん)
飛鳥時代(6世紀末〜8世紀初め)の古墳は、前方後円墳を代表とする古墳の形や規模によって身分を示す伝統から脱却した「終末期古墳」にあたります。7世紀中頃に造られた菖蒲池古墳(しょうぶいけこふん)は、内面に漆を塗り、蓋に棟飾りを表現した珍しい家形石棺(いえがたせっかん)を2基納めています。墳形が方形であることや、南を向く立地は中国の影響がみられます。被葬者は不明ですが、その内容から皇族もしくは当時の有力者にあたる人物の墓であると考えられています。
菖蒲池古墳
▲石室内には被葬者を納める石棺が南北に2基並んで安置されています。
甘樫丘から続く丘陵の南斜面に築かれた方墳。古墳時代の横穴式石室(石室は写真中央建物内)を踏襲しつつ、 石舞台古墳と比較して墳丘は小規模になっています。(南から撮影)

所
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橿原市菖蒲町 |
アクセス
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近鉄橿原神宮前駅より奈良交通バス
「菖蒲町四丁目南」下車東へ約350m |
世界遺産
「飛鳥・藤原」登録推進協議会
公式サイト 