文化活動は、人を成長させ、人生に豊かさをもたらす可能性を秘めています。
県では、奈良県文化振興条例(令和3年4月施行)や奈良県文化活動振興大綱(令和5年3月改定)に基づき、県民の皆さんの文化活動をより充実させるための支援や、地域での文化活動へのサポート、交流の場づくりなどに取り組んでいます。今回は、県が文化活動を振興する意義や、文化を楽しむ施策の一つとして行っている「奈良県みんなでたのしむ大芸術祭(通称:みん芸)」について紹介します。
文化活動には、自分で創ったり表現する「創作活動」と、ほかの人の作品を見たり体験する「鑑賞活動」があります。
創作活動では、気持ちや考えを表現することを通して、より深く自己理解することで、自分を大切にする気持ちや、想いを伝える力が育っていきます。
また、鑑賞活動では、美しさや感動を味わうことに加えて、創った人の気持ちや一緒に体験した人との共感を通して、思いやりの心も自然と育まれます。
このように文化活動には、自分を表現したり感じたりすることで、心に栄養を与え、私たちの内面を豊かにする力があります。
県では、誰もが文化活動を盛んに行い、生活を楽しむことができる心豊かな社会の実現と、地域のにぎわい創出を目指しています。
奈良県文化政策顧問
反田 恭平さん
文化や音楽を楽しむ
その純粋な気持ちが原点です
先日、海外にてプロのオーケストラと幅広い年齢の地元アマチュア奏者たちが共演するコンサートを観ました。アマチュア奏者は技術的には決して完璧ではないものの、一生懸命に演奏する姿に強く心を動かされました。芸術の本質は技術だけでなく、そこに込められた熱意や思いだと改めて感じました。私の子どもも最近ピアノの音を鳴らしてキャッキャと喜んでいます。こういう純粋に楽しむ気持ちこそが文化活動の原点であり、活動を続けるために大切なことです。クラシック音楽や文化に触れることで心に栄養が与えられ、精神を落ち着かせてくれます。また、文化を通じて広がる交友関係や地域のつながりも魅力の一つであり、人生をより豊かにしてくれると実感しています。
音楽と文化の発信拠点、奈良から世界へ
私が目指しているのは、奈良を演奏する人も聴く人も心地よく過ごせる音楽の都にすることです。そのために、若手音楽家を中心に持続的かつ発展的に音楽活動を行うオーケストラの会社を奈良に設立し、県と連携協定を結び、県内の学校や文化施設で楽器指導を行うなど、未来の演奏家を育成しています。また、子ども向け演奏会やまちかどコンサートなど、音楽を通じた特別な体験もお届けしています。こうした活動から、未来の文化を支える人が育ってほしいと願っています。そのためにまず「みん芸」で文化に触れることから始めてください。そして奈良県から関西へ、関西から世界へ文化がつくる歓びを皆さんで広げていきましょう。
反田 恭平(指揮・ピアノ)
第18回ショパン国際ピアノコンクールで2位受賞。2021年に設立した株式会社JNO(Japan National Orchestra)のプロデュースを行うほか、リサイタルやオーケストラとのツアーを国内外で実施。
「奈良県みんなでたのしむ大芸術祭(通称:みん芸)」とは、芸術文化活動をしている個人・団体と一緒につくりあげる「参加型」のアートフェスティバルです。障がいのあるなしや性別・年齢にかかわらず、「みんな」が参加して「たのしむ」ことを大切に、2021年から「奈良県大芸術祭」と「奈良県障害者大芸術祭」を一体化し、毎年9月1日から11月30日に開催しています。
今年も「みん芸実行委員会」が主催するイベントと、個人や団体による登録イベントの開催により、さまざまなジャンルの催事が秋の奈良県を彩ります。
日々の文化活動の成果を発表する団体からプロのアーティストまで、多様な出演者がステージパフォーマンスを披露します。また、社寺や町家などを会場にしたアート作品の展示など、多彩な文化芸術イベントが3カ月にわたり県内各所で開催されます。今年もより多くの人に「みん芸」を楽しんでもらえるよう一部ステージイベントのライブ中継も実施します。また、「みん芸アート・ライブ」会場の馬見丘陵公園では「やまと花ごよみ2025あきいろマルシェin馬見フラワーフェスタ」も開催しています。ぜひ「みん芸」を、文化を楽しむ第一歩にしてください。
奈良県みんなでたのしむ大芸術祭
実行委員会事務局
中山 裕貴さん
10月12日にみん芸アート・ライブに出演する
県立郡山高等学校吹奏楽部のお二人にお話を伺いました
県立郡山高等学校 吹奏楽部
(左から)内田さん・
林さん
さまざまな演奏機会を通じて音楽で表現する喜び、音楽が持つ力を実感しています
音楽をやって良かったのは、練習を通して自分を高められること、そして仲間と共にひとつの音楽を作り上げる喜びを感じられることです。郡山高校の吹奏楽部の場合、定期演奏会など舞台に立つ機会が多いので、観客から拍手をいただける感動も味わえます。
また、活動の中でいちばん楽しいと感じるのは吹奏楽部と野球部、応援局、郡山高校の在校生・卒業生が音楽で一つになり、音楽で選手を鼓舞できる野球応援です。毎回、音楽が持つ力のすごさを実感しながら演奏しています。
皆さんからいただく大きな拍手が私たちの励みになっています
昨年はじめて「みん芸」に参加させていただきました。屋外のステージで演奏する機会はめったにないので、すごく新鮮で楽しかったです。演奏が始まるとお客さんが続々と集まって来てくれ、最後には大きな拍手をいただくこともできました。今年もよりたくさんの人たちに耳を傾けてもらえるよう、J-popなど幅広い世代が楽しめる楽曲を演奏する予定です。3年生が引退し、新体制になってからの演奏を多くの人に聞いていただける貴重な機会なので、いつも以上に気持ちを込めて音楽をお届けします。音楽は年齢も性別も国籍も関係なく誰でも楽しめます。10月12日の「みん芸アート・ライブ」では、ぜひ私たちと一緒に盛り上がりましょう。

みん芸きらめき祭
※一部ワークショップ 要申込・有料
3カ月にわたる「みん芸」の最終日とその前日に開催されるフィナーレ・イベント。ステージイベントや多種多様なワークショップで盛り上がります!また、キッチンカーや県内の障がい者就労施設で作られる授産商品を販売する「みん芸ゆい結いマルシェ」も出店します。お楽しみに!

みん芸アート・ライブ
「みん芸」最大のイベントで、2回目となる今回は「フィジカルアート(身体性を活かした芸術)」がテーマ。プロゲストを含む2組のダンスチームの熱演、地元強豪校による吹奏楽コンサートのほか、公募出演者によるさまざまなパフォーマンスも繰り広げられます。
その他にもまだまだイベント盛りだくさん!
ビッグ幡(ばん)in薬師寺
ビッグ幡in東大寺

※薬師寺は拝観料、東大寺は大仏殿入堂料が必要
ビッグ幡in薬師寺
時
|
9月6日(土)~
11月30日(日)
(10月1日(水)除く)
|
所
|
薬師寺境内
ビッグ幡とは、障がいのある人の絵画作品を、オリジナルの幡にデザインして寺院に飾るプロジェクト。世界遺産の境内にアートな幡がはためく様子は見ごたえたっぷりです!
|

ビッグ幡in東大寺
時
|
11月1日(土)~
9日(日)
|
所
|
東大寺大仏殿前
|
みん芸ピアノ
時
|
9月1日(月)~
10月30日(木)
|
所
|
奈良公園バスターミナル東棟1階
|
時
|
11月1日(土)~
9日(日)
|
所
|
東大寺大仏殿東楽門横 ※東大寺は大仏殿入堂料が必要 |
「ビッグ幡in東大寺」の公募作品のデザインをもとに、ピアノを丸ごとラッピング!誰でも自由に弾くことができます。
まほろば あいのわ コンサート2025
時
|
11月1日(土)
14時〜16時(予定)
|
所
|
DMG MORI やまと郡山城ホール 大ホール
|
公募で集まった合唱団やスペシャルゲストのステージなどで、子どもも大人も障がいのある人もない人もみんなで一緒に楽しめるビッグイベントです!
プライベート美術館

※一部入館料・拝観料などが必要な場合あり
時
|
10月18日(土)~
11月9日(日)
|
所
|
近鉄奈良駅周辺ほか県内各所
|
県内の障がいのある人のアート作品が、カフェや町家、社寺など街なかのさまざまなスポットに展示されます。個性豊かな作品をご鑑賞ください。
公式ガイドブック「るるぶ特別編集 みん芸」好評配布中
「みん芸」のイベント紹介や出演者インタビューのほか、
観光・グルメ・お出かけ情報も多数掲載。
県内主要駅や県内公共施設などで無料配布中です!
問
|
奈良県みんなでたのしむ大芸術祭実行委員会事務局(県文化振興課)
|
電話
|
0742‐27‐8488
|
FAX
|
0742‐27‐8481
|