奈良県にはツキノワグマが生息しています。
奈良県を含む紀伊半島に生息するツキノワグマは、絶滅のおそれがある希少な動物です。古くからツキノワグマが生息し続けられているのは紀伊半島が自然豊かな証でもあります。
しかし、近年は集落付近でもツキノワグマの目撃が急増しており、残念なことに突然の遭遇でけがを負ってしまった人もいます。
人とツキノワグマが共存する未来のため、いくつかのことを知っておいてください。
ツキノワグマは本州以南に広く分布するクマの一種です。特に奈良・三重・和歌山にまたがる紀伊半島の森林に生息する地域個体群は、遺伝的特異性や個体数の少なさが指摘され、環境省レッドリストにも「絶滅のおそれのある地域個体群」として掲載されている希少な動物です。
一方、県内でのツキノワグマの目撃情報は近年増加傾向にあります。クマの生息域と人の生活圏の一部が重なるなかで共存を模索している今、私たちには何ができるでしょうか。
ツキノワグマは、どんな風に一年を過ごしているかご存じですか?季節ごとのクマの暮らしを知ることで、うっかり遭遇してしまうリスクを回避できるようになるだけでなく、クマと人が隣り合って生きていることを知るきっかけにもなります。
冬眠明けには新芽や山菜を食べてゆっくり過ごします。母グマと共に冬を越した子グマは、春が終わり夏に入る頃に親離れして独り立ちします。
パートナーを探してオスは山中を広く動き回ります。普段は単独行動が多いですが、この時期は雌雄のペアで行動することが多くなります。
冬に備えて多くの時間を食事に費やします。食べものを探してより活発に山中を動き回るので、生息地近くでは特に注意が必要です。
木の空洞や土穴の中などで冬眠します。ただし寝床を変えるなど、冬に移動するクマもいるようです。メスは冬眠中に出産〜子育てをします。
ツキノワグマは本来臆病な性格なので、よほどの理由がなければ人里に近づくことは稀です。クマの習性をきちんと理解し、日々の暮らしをほんの少し工夫することで、クマと遭遇する危険をグッと減らすことができます。

もしもクマに出会ってしまったら
万が一、ツキノワグマと出会ってしまったとしても、決して慌てないで、落ち着いて行動してください。驚いて急な行動を取ると、パニックがクマにも伝わり危険が増します。
問
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県農業水産振興課
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電話
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0742‐27‐7480
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