令和7年度 男女共同参画推進セミナー(男性視点で考える) 開催報告

 

男性視点で考えるジェンダー平等

令和7年10月4日(土曜日)10時00分~12時00分 

講師:京都大学・大阪大学名誉教授 

         国立女性教育会館監事 伊藤 公雄 さん

 

 日本では男性が優位とされがちですが、実際には男性の自殺率が高く、生活満足度も低い傾向があります。誰もがいきいきと暮らせる社会の実現に向けて、今回は「男性学」の視点からジェンダー平等について学ぶ講座を開催しました。

 講座ではまず、日本社会の停滞の背景として少子高齢化と労働力不足が取り上げられ、制度整備の遅れが男性の長時間労働や女性の非正規雇用、外国人労働者の問題など多くの課題を生んだことが説明されました。

 また、国際的には女性の社会参画が経済成長に寄与するとの認識が広がる一方、日本では構造的な課題が依然として残っていることが指摘されました。

 さらに「男性問題」にも焦点が当てられ、男性性が男性自身のウェルビーイングにも悪影響を及ぼし、さらに「男」というだけで維持されてきた権力の終焉(メンズ・クライシス)による剥奪感が男性に生まれつつあることで、男性の孤独死や自殺、DVやハラスメントなどの社会病理につながっていることが紹介されました。

 講師からは、男性対象のジェンダー政策の必要性や、男性が「ケアする力」「ケアを受け入れる力」を育むことの重要性が語られ、参加者にとって非常に有意義な学びの時間となりました。

 

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