県では、未来を担う子どもたちのための保育・学校教育活動の充実を目指し、現場を支える保育士や教員の働き方改革に取り組んでいます。県が独自で進める保育士の処遇改善事業や、学校教員をサポートする多様な支援スタッフの配置などを行うことで、保育・学校教育の質の向上を促進します。
今回は、その事業内容の一部と、現場で活躍する保育士や教員の思いを紹介します。
子どもの成長を支える
保育士の処遇改善でより働きやすく、続けやすく
人手不足が続く保育現場では、業務の質・量の困難度に見合った保育士の処遇改善が課題です。加えて、大都市に隣接する奈良県では、給与水準の高い他府県への人材流出も課題であり、国に対し、保育の公定価格の地域区分の格差の解消を要望しています。
県では、保育人材の確保・定着を強化する独自の取り組みとして「奈良県保育士等処遇改善事業」を令和6年度より開始。民間保育所などに勤務する常勤の保育士などへの給与加算に取り組む市町村への支援として、市町村が実施する給与加算に要する経費の2分の1を県が補助しています(上限1万円/人・月)。令和6年度の成果としては、県内指定保育士養成施設卒業者の県内就職率は57.8%と前年度と比べ5.5ポイント上昇し、保育士年間平均給与は約20万円増となりました。事業を活用した施設からは、職員の意欲向上や離職者の減少といった前向きな意見があがっています。


職員の士気とチーム力も向上!
保育士の資格取得や復職への後押しにもなっています
うみ保育園 園長 山本 弘二さん
当法人でも職員の処遇改善を進めている中、県の支援は大変ありがたいです。経験年数にかかわらず支援対象となるため、新人からベテラン保育士までが、各々の立場における今後のビジョンを描きやすくなったかと思います。個人面談など職員の率直な意見を聞く機会でも、一層の士気の高まりを感じています。
制度を活用すべく、非常勤の保育補助から、資格を取得して常勤の保育士にステップアップした職員や、保育士資格取得に向けて勉強中の職員、そして来年度は復職希望者も複数名おり、好影響を実感します。この事業が応募や継続、復職の後押しになるものと期待しています。
処遇改善で将来の不安が減り前向きに続けたい気持ちに!
今後目指す人にも心強い制度です
天理こだま認定こども園
保育教諭 角川 綾里
さん
子どもの大切な命を預かる保育教諭として、責任感は以前も今も変わらず強く持って働いています。そんな中で処遇改善による明確な給与増額は素直に嬉しく、保育現場でさらに貢献できるよう経験を積みたいという気持ちです。
保育教諭6年目の今年は、初めて幼児クラスを担任し大変なこともありますが、かわいい子どもの成長を見守るやりがいと学びにあふれた毎日です。将来のライフプランを描く上での給与面の不安も軽減され、今後もし出産や育児を経ても復帰したいと考えています。
この事業の内容が、保育者を目指す人を含めてより広く周知されるといいなと思います。
保育士等のためのSNS相談(LINE)
保育現場で働く皆さん、保育現場における困りごとはありませんか?働き方や人間関係などで不安や悩みはありませんか?
県ではそんな皆さんに寄り添うため、SNS(LINE)を利用した相談窓口を開設しています。経験豊富な専門家が対応します。ぜひ、気軽にお友達登録をしてください。
●火曜・木曜・日曜
18時~21時30分(受付は21時まで)
※祝日・年末年始は除く
奈良県保育人材バンク
奈良県保育人材バンクは、子育ての仕事(保育園や放課後児童クラブなど)を希望する方々と、人材を求めている事業所を無料でおつなぎします。気軽にご相談ください。
県内保育施設への就職・復職の支援は
バンクにおまかせください
●子育ての仕事に特化した情報の提供
●オンライン相談や出張相談
●職場見学や体験の調整
(希望があれば同行も)
●就職後のアフターフォロー
●就職準備金貸付(諸条件あり)相談
●保育施設からの求人相談
3月8日(日)
県コンベンションセンターにて就職フェア開催!
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所
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橿原市大久保町320-11
(福)奈良県社会福祉協議会 内
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電話
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0744‐29‐0160(平日9時〜17時)
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所
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県こども保育課
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電話
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0742‐27‐8733
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FAX
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0742‐27‐2023
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子どもと向き合う時間を大切に
教師にゆとりを、子どもに笑顔を
現場の教員たちが時間的・精神的な余裕を持って子どもたちに向き合い、全ての子どもたちが生き生きと楽しく学校生活を送れるよう、県では「教師にゆとりを!こどもに笑顔を!プロジェクト」を令和6年度に始動しました。
これまで、スクールカウンセラーの配置やスクールソーシャルワーカーの派遣など、さまざまな課題を抱える子どもたちへの支援、ヤングケアラーに特化した取り組みなどを推進してきました。
それとともに、教員の事務的な業務をサポートする教員業務支援員や、子どもの学習を支える学習支援員といった支援スタッフの配置も促進。支援スタッフにかかる市町村への支援を大幅に拡充し、教員の負担軽減・教育の充実に取り組みます。
教員が子どもと向き合う時間を確保すること、教育の質の向上を目指し
支援スタッフの配置促進に取り組んでいます
教員業務支援員
教員業務支援員は、教員が子どもへの指導や教材研究に力を注ぐことができるように、印刷物の準備やデータの入力などの業務を教員に代わって行う職員です。市町村への補助を拡大することで、全校への配置を目指します。
学習支援員
学習支援員は、子ども一人一人にあったきめ細かな学習指導や、不登校児童生徒への支援などに従事する職員です。また、教職に関心のある学生の積極的な活用を推進することで教職への意欲を高め、人材不足の解消にも努めます。
部活動指導員
部活動指導員は、中学校や高等学校などの部活動で、教員に代わって指導や引率を行うことができる職員です。
県では、中・高等学校に部活動指導員を配置することで、部活動の質の向上と教員の負担軽減を目指します。


※ 支援員等採用について関心のある人は、市町村の教育委員会にお問い合わせください。
教員業務支援員
●学校のことをよく知る元教員の方
●教員を志す学生の方
●事務経験(事務スキル)がある方
●「学校・先生の助けになりたい」「子どもが通っていた学校で働きたい」という方
●学習プリントの印刷・準備
●採点補助
●学校行事の準備補助
●来客・電話対応 など
求人情報で募集を見つけ、学校の賑やかな雰囲気の中で働きたいと思い応募しました。現在は週3日(1日6時間)勤務で、小さい子どもの育児と両立できています。多忙な先生方の縁の下の力持ちになれたらと思い、授業などで配布する印刷物の用意をはじめ、掲示物の作成、テストの簡単な丸つけなどを行っています。子どもたちとは直接関わる機会は少ないですが、私が作成した小道具を運動会の障害物競走で使ってもらったり、牛乳パックで作った展示台に図書館の本を飾っていただいたりと、子どもたちの楽しい学校生活に貢献できることもやりがいです。


学習支援員
●学習指導などの経験豊富な元教員の方
●教員を志す学生の方
●学習指導の経験豊富な塾講師の方
●個別指導の経験豊富な家庭教師の方
●NPOなど教育関係に携わる地域の方 など
●児童⽣徒の学習サポート
●学校⽣活適応への⽀援
●進路指導・キャリア教育
●教師の指導⼒向上 など

橿原市立真菅北小学校
学習支援員
片岡 絵美子さん
以前、真菅北小学校で体育の指導補助をしていたご縁からお声がけいただき、ちょうど子育てが一段落したこともあり、「お役に立てれば」という思いで学習支援員として働き始めました。主な業務としては、授業中にサポートが必要な子どものそばで学習支援を行うほか、朝の登校時になかなか教室まで行けない子どもの誘導や、給食・掃除のサポートなど、学校生活全般での適応支援にも携わります。2学期、3学期と共に過ごして、先生方との連携も深めながら、「計算できるようになった!」「書き順、覚えたよ」と嬉しそうに話す子どもたちの成長に触れる日々が原動力そのものです。
教員の仕事は多岐に渡り、特に小学校教員は担当授業も多く、勤務時間管理は重要課題です。当校では教員業務支援員を昨年から導入しましたが、早くも教員の間で引っ張りだこ!支援員さんへの依頼のために業務を前倒しするなど、教員のスケジュール管理能力も向上しています。さらに業務分担を見直し、教員の負担軽減を目指します。一方、学習支援員さんはさまざまな学級をみているので視野が広く、新たな気づきを与えてくれます。多様な価値観をもった人の活躍は子どもたちにとっても意義深く、大切な存在です。

橿原市立真菅北小学校 教諭
三苫 重和さん
日々の事務作業の一部を教員業務支援員さんにお任せすることで、私自身は授業準備や打ち合わせ、保護者や子どもへの対応に注力できて助かっています。
そして学習支援員さんは今や必要不可欠で、授業中に教員ひとりでは対応しきれない、きめ細かい個別支援をしてくれる頼もしい存在。子どもたちにしてみると、4月に担任教諭が変わっても、教室に顔見知りの学習支援員さんがいることで安心するようです。今後も支援員さんと教員間の連携を深め、教育の充実を図ります。