平等坊のノガミサンは稲作の守護神である「野神(のがみ)」を祀る行事の一つで、「大和の野神行事」として国の無形民俗文化財に指定され、県の至る所に伝わっています。天理市平等坊町では、ノガミサンは毎年5月5日の端午の節句に行われる行事です。 平等坊の野神行事では、麦わらや稲わらで編まれた蛇(じゃ)を小学生の男の子たちがみんなで担いで、ノガミサンを納める場所まで運んでいきます。大人たちが作成した蛇を氏神の熊野神社にお供えして五穀豊穣を願い、お酒や塩をかけてお清めします。その後、旧村の中を通る水路に沿って練り歩き、田んぼの中の塚に納めて行事は終わります。かつては道中の水路で蛇が暴れまわる所作も行われていたといいます。
行事の催行は代々、熊野神社の守りをする頭屋組(とうやぐみ)で行われています。頭屋1人と補佐役5人が組となって前々から調達しておくのが、蛇を作るための稲わらと麦わら。稲わらは前年の秋に刈ったものを蓄えておき、麦わらは5月に実った麦を刈り取って使います。平等坊の男性たちがこれらの材料を使い、5月5日の朝から蛇を作ります。 蛇の制作場所は熊野神社の境内にあります。外での作業のため、新型コロナウイルスが流行した際も感染対策を講じて平等坊のノガミサンは行われました。戦後、農村の大変化があった中でも、平等坊町の村行事として大切に守られてきました。
昔から旧村の決まった家で構成された頭屋組で順番に協力し合って続けている平等坊のノガミサン。しかし、年々頭屋の家も子どもも減ってきており、大きな課題となっています。蛇の素材であるわらの準備のために手間も時間もかかるうえ、そもそも農家でないと調達ができないというのも壁になっています。稲作主体の地域の行事であるからこその問題です。どうしたら継続していけるかが今後の課題ですが、現在のままメンバーも減らさず、現状維持で行事を続けていけたらと考えています。
左から山下さん、武田さん
0742-27-8124
0742-27-5386
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