「僕、今日から寝るとき自転車のヘルメットをかぶる。」夏のある日、息子が言いました。友達から「もうすぐ僕の住んでいる近くで大変なことが起こるかもしれない。」という話を聞いてきたとのこと。不安なまなざしの先には、ヘルメットが置かれていました。「その友達はどこでそんな話を聞いたの?」と息子に聞くと、少し考えてから「ネットで見た。」との答えが返ってきました。さらに、「どこで見たか聞いた?」と聞くと、「分からない。」と答えるだけでした。 「ネットには本当のこともあるけど、ウソもあるし、どちらかわからない話もいっぱいあるんだよ。うわさを信じすぎると、自分が困ったり、周りに迷惑をかけることもあるんだ。そのまま信じるのではなく、自分で調べたり、詳しい人に話を聞くことが大事だよ。」そう教えると、息子はコクッとうなずきました。 情報があふれる現代社会で、不確かな情報は、時に偏見を助長し、深刻な差別を生む刃になります。「正しく知る」とともに「誰かを傷つけないか」という想像力をもつことが大切です。「偏見をなくし、互いの尊厳を認め合えるような社会にしたい。」息子と話しながら思いを新たにした出来事でした。
中上(なかうえ) 滉大(こうた)さん
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