令和7年度 男女共同参画推進セミナー(教育とジェンダー) 開催報告

 

文系・理系を分けるのは何?~教育とジェンダーの壁を乗り越えて~

令和8年2月6日(金曜日)14時00分~16時00分 

講師:京都工芸繊維大学 基盤科学系 准教授 伊佐 夏実 さん 

 

 日本は世界に比べて理工系分野の女性の割合が少なく、その背景にはジェンダー・バイアスやロールモデルの不足などがあると指摘されています。本セミナーでは、性別に関わらず教育や職業を主体的に選択できる社会の実現を目的に、進路選択に影響するジェンダー・バイアスについてご講演いただきました。

 冒頭ではまず、日本の女子の進学状況に関するデータが示され、四年制大学への進学率が男子より低いこと、特に理工系分野への女性進学率がOECD加盟国の中でも最下位レベルである現状が説明されました。一方で、女子の数学・科学の学力は国際的に高く、能力ではなく社会的要因によって進路選択が制約されていることが示されました。また、都市部と地方の進学率の格差や、家庭の経済状況、受験情報へのアクセスの差、「女の子を遠方に出すのは心配」といった保護者の価値観が、女子の進路の選択肢を狭めている具体例も紹介されました。

 続いて、「男性脳・女性脳」論の科学的限界や、「女性は数学が苦手」という示唆だけで成績が低下する「ステレオタイプ脅威」が取り上げられ、さらに、「理系は男性向き」「文系は女性向き」といった無意識の思い込みが、家庭や学校の何気ない言動を通して形成され、子どもの興味や自信を奪ってしまう実態が説明されました。学校現場では、教師の指導や質問に男女差が生まれる“隠れたカリキュラム”の存在や、理系で活躍する女性ロールモデルの不足が、女子の自己効力感を低下させる要因になっていることも示されました。

 最後に、私たちができることとして、「無意識のバイアスへの気づき」「多様なロールモデルの提示」「仕組みづくり」の重要性がまとめられました。クイズやデータ、講師の体験談を交えた説明は大変わかりやすく、参加者にとって有意義な学びの機会となりました。

 

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