試験研究の方向
1.奨励品種決定調査
・本県に適した水稲良食味品種、小麦・大豆では加工適性の高い品種の選定を行っています。

品種系統の比較試験

小麦新品種のそうめん加工適性試験
2.水稲・小麦・大豆の消費者ニーズに沿った高品質・省力・低コスト栽培技術の確立
【水稲の疎植による省力・低コスト栽培技術の確立】
・慣行の栽培基準(株間18cm) より株間を広げて植え付けることで植え付けに必要となる苗の数を削減でき、低コスト・省力化につながります。
水稲疎植栽培マニュアル(平坦ヒノヒカリ)はこちら

植栽培試験
【平坦部「ヒノヒカリ」のべたがけ被覆による省力的な中苗育苗】
・出芽揃いから不織布を用いて15日間被覆することで、播種から1ヶ月後には田植えに適した草丈20cm程度のガッチリした良質苗が生産できます。
べたがけ育苗
3.水稲・小麦・大豆奨励品種の種子の安定供給のための原種生産
【品種特性維持のための原原種生産と採種圃への安定供給のための原種生産】
・県内で栽培される水稲のうち6品種(「ヒノヒカリ」、「ひとめぼれ」、「キヌヒカリ」、「あきたこまち」、「露葉風」、 「旭糯」)および大豆(「サチユタカ」、「あやみどり」)、小麦(「きぬいろは」)の品種特性(熟期、食味など)を維持するため、原原種生産を行っています。 また、採種圃へ安定して種子を供給するための原種生産を行っています。
網室を用いた大豆の原種生産
(ウイルスを媒介するアブラムシを防除するため 網室内で栽培しています)
4.県内民間企業等との共同研究による技術開発
【水稲に光害を与えない照明の開発】
・短日植物であるイネは夜間に光を浴びることで、本来、穂を出すべき時期より穂の出る時期が遅れてしまう「出穂遅延」を起こすことが知られています。
・「出穂遅延」が発生するとイネの成熟期が遅れ、収量が低下したり、収穫時に未熟粒が混入し品質が低下する原因のひとつとなります。

水稲出穂遅延の様子 (□枠内が光の影響により出穂遅延)
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