大和青垣国定公園


●概要

 奈良盆地の四周を囲む山地は、昔から青垣山と称されていますが、この公園は盆地の東部の丘陵線を保護・整備するために昭和45年末に指定された公園です。

 公園地域は、笠置山地に属する大和高原西辺の春日断層崖とその麓で大和盆地の東辺を南北に連なる帯状の台地からなっています。

 春日断層は急傾斜して大和盆地に臨み、その東線上に北から高円山・八伏峠・城山・竜王山・巻向山・三輪山・初瀬山・天神山などが連なり、大和高原西部稜線を形成しています。奈良市柳生地区より南へ天理市・桜井市にわたって長い帯状を呈しています。

 本公園の北部の春日山と高円山、南部の天神山と三輪山は、それぞれ原始林と二次林の対称的な植生を持ち、春日山原始林は大正13年に天然記念物に、昭和32年には特別天然記念物に指定され、天神山は与喜山暖帯林として、昭和32年に天然記念物に指定されています。

 青垣山公園を形成する山麓地帯の斜面は、大和における古代文化を育成・産出したところで、特に、古墳時代から奈良時代までの史跡や文化財が豊富です。

 北から白毫寺・正暦寺・円照寺・弘仁寺・石上神宮・長岳寺・大神神社・長谷寺など有名な古社寺や崇神・景行天皇陵あるいは古跡・古墳が無数に存在し、また、我が国で最も古い道といわれる山の辺の道がこれらを結ぶように蛇行して、周辺の自然環境と融合して素晴らしい歴史文化景観を形成しています。 

 このように大和青垣国定公園は、単に自然的、地形的問題にとどまらず、古代大和の文化の残像を色濃くとどめている特異な公園ということができるのです。

 山の辺の道や剣豪の里に通ずる柳生街道は、東海自然歩道として整備され、歴史・文化財の探勝に最高のハイキングコースとして多くの人々に利用されています。



●関係自治体

  奈良市  天理市  桜井市



●沿革

  昭和45年12月28日  大和青垣国定公園指定
  昭和56年04月08日  公園区域の一部変更(削除)



●地種別面積(ha)

特別保護地区

特別地域

普通地域

公園区域

第1種

第2種

第3種

合 計

奈良市

 -

123

1,149

1,343

2,615

90

2,705

天理市

-

53

1,218

330

1,601

46

1,647

桜井市

-

402

311

674

1,387

3

1,390

合計

-

578

2,678

2,347

5,603

139

5,742