私たちのチャレンジ



 

 ~“頑張る”より、
“顔晴(がんば)る” をモットーに
温もりのあるお菓子を、
ひとつひとつ丁寧につくる毎日。
今は、
3人の子どもたちが最強の応援団です~

  まほろば大仏プリン本舗  パティシエ
  高岸有紀さん
 (奈良市在住)

 

「手づくりの心のこもったお菓子をつくりたい・・」という想いで、パティシエへの道をスタートした高岸さん。
公私ともにパートナーである、夫の洋之さんから “ホントの気持ち” も伺いました。

-パティシエになるきっかけ-

子どもの頃、我が家の土曜日は『パンの日』。学校から帰ってくると、家からは母が焼くパンの香りがしていました。
私自身も手づくりは好きでよくお菓子をつくっていましたが、高校時代の先生が被服を専攻されていて、その先生の影響を受け大学はアパレル学科へ進むことに決めました。
父が転勤族で、兵庫、山口、千葉、神奈川・・と色々な土地に住みましたが大学進学を機に奈良での一人暮らしが始まりました。
ある日、春休みに通っていたアルバイト先の人から、「兄がイタリア料理店をオープンするにあたって手伝ってくれる人を探しているんだけど、ここの契約期間が終わったら手伝ってくれない?」と声をかけてもらい、そのお店でアルバイトをすることに。実はそこのオーナーシェフが後に夫となる彼です。
大学卒業後は、大学での専攻を活かそうと総合アパレル会社に就職。営業担当としてデパートへ商品の納入をしていました。
楽しくやりがいもあった職場で、彼と結婚した後も続けていましたが、妊娠6ヶ月の時に退職しました。
出産後3~4ヶ月経った頃、当時店でお菓子を担当していたパテシェが退職し、私がスイーツ部門を引き継ぐことになったのです。
「何かオリジナルのスイーツをつくりたい・・」そう考えた時に思い浮かんだのは、母が作ってくれた温かくてどこか表情の違うお菓子。そんなお菓子をつくろうと、まずは母のレシピを元にして試作を始めました。
寒天やゼラチンを使わず卵本来の力でつぶれない硬さにするため、試行錯誤を繰り返した結果、できあがったのが『とろけるプリン』。調理に時間がかかるため当時の鍋で蒸すことができた数、1日10個限定での販売でした。

-そっか!保育園があったんだ!!-

当時は、お店で子どもの面倒をみながら仕事を続けていました。
ある時来店された保育園の先生から、「保育園に子どもを預ける方法もあるよ」とのアドバイスが。 専業主婦の母のもとで育った私は、保育園に預けるという発想がなくて、「あぁそうか!」とそこで初めて気付きました(笑)。子どもも割と早く保育園に慣れ、楽しく通っています。
今は、夫と協力して仕事・育児・家事を分担しています。
夫との2人3脚の日々を支えてくれるのは3人の子どもたち。「行ってきます。お仕事頑張ってね!」 「おやすみなさい。明日もお仕事頑張ってね!」と、毎朝毎晩応援してくれる、一番の理解者で最強の応援団です。

-“奈良を感じる”スイーツを-

奈良に来て16年が経ちました。
奈良に惚れ、この地で生まれ育った夫に惚れ・・(笑)。
平成19年、「第2回奈良県観光みやげもの大賞」で、大和茶や大和の地酒を使った『大仏プリン親子セット』が菓子・食品の部で最優秀賞をいただきました。
この賞は「奈良らしいみやげもの」を創出するため県が始めたもので、受賞してから、「改めて奈良の魅力を知ったよ」と言ってくださるお客様が増え、嬉しく思っています。
今後はよりスイーツに力を入れた店づくりを考えています。特産品をふんだんに使ったスイーツで、皆さんに「奈良」の魅力を感じて頂けるようなお店にしていけたらと考えています。

-夫が語るホントの気持ち-

店のオープン準備で忙しい中、彼女は他のスタッフをとりまとめるリーダー的な存在でした。お店の飾り付けなど私の目が届かないところを積極的に手がけてくれ、おかげで私は料理面の準備に専念することができ本当に助かりました。
人生のパートナーに選んだのもそんなところに惹かれたから・・(照笑)。
結婚後、彼女にスイーツ部門をまかせるようになった頃のこと。それまで飲食業界とは全く違う世界にいた彼女のアイデアは、視点とかモノの感じ方が違うんです。僕は今までの経験から、「そんなのうまくいくわけないよ」って言ってしまう。業界経験が長い分、知らず知らず考え方がさび付いた部分があって・・。
最初は彼女の考えに半信半疑だった私も、徹夜でスイーツを試作したり、さまざまなメディアでPRしたりといった、彼女の“有言実行”ぶりを目にし、そしてそれが結果となって現れているので認めざるを得ない(笑)。
今は彼女が企画部長、私が実践部隊という感じです。彼女が種をまき、私が育てる・・。お互いに相手を尊重しつつ補い合う関係を築いてゆけたらと思っています。


高岸さんから女性へのチャレンジメッセージ
ある方から、『“頑張る”ではなく“顔晴る”という
気持ちでいるといいよ』という言葉を頂いたこと
があります。
私も、子どもたちと接する時間がとれず寂しい
想いをさせているときなどは、仕事や子育てに
自信が持てなくなることもあります。
でも、笑顔でこつこつとがんばっていると不思議
と気持ちが前向きになってきますよ。 お互いに“顔晴り”ましょう。 

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