奈良伝承

 



奈良は日本清酒発祥の地と聞きましたが。
 酒は古くから造られ、平安時代には寺社でお供えをする酒として自家製造していました。室町時代には、有力寺院では寺領で収穫された米を利用して酒造りが競われ、酒造技術が格段に発展しました。その酒は僧坊酒と言われ ①酒母の製造 ②諸(もろ)白(はく)造り ③もろみを搾るなどの新しい手法が開発されました。その技術革新の中心であったのが正暦寺でした。
 今は、正暦寺の協力を得て、県内9社の酒造メーカーと県の産業振興総合センター(当時の工業技術センター)で室町時代の酒造法を復元し、酒母(菩(ぼ)提(だい)酛(もと))の仕込みを毎年1月に行っています。

正暦寺で菩提酛の仕込みをし、各社の銘柄を付けて販売される



松澤さんが、酒造りを始めたきっかけは?
 「菩提酛」づくりが始まった当時、私の父は県工業技術センターで酒について研究していました。当時の酒造りを復元するため実験を続ける父を見ていて、「酒造りっておもしろいなぁ」と興味を持ったのが始まりです。

酒造りに魅力を感じるときは?
 清酒の香味を左右するといわれる酵母が、思うように育ってくれたときです。子どもを育てるように会話をしながら育てています。
 また、うちの酒を飲まれた方から「おいしい!うまい!」という声をいただくとやりがいを感じます。

松澤さんにとって日本酒とは?
 自分の人生を変えてくれた飲み物です。酒造りは楽しくもあり、大変でもあります。

酵母の発酵を確認しながら目指す酒造りを続ける松澤さん



今後どんな酒を造りたいですか?
 飲まれた方がぞくっとするような、きらきらした透明感のある酒を造り続けたいです。仮説を立てて、温度管理など次々と手を変えて研究を進めていきたいです。

最後に社長さんにお聞きします。若い方に一言お願いします。
 初めて酒を飲む方にもおいしいと思ってもらえるような酒を造りたいですね。自分たちが造った酒が、世界中で飲まれ、楽しんでもらえることをやりがいに繋げてほしいです。




「古き文化を守りつつ、常に進化した酒造りをしていきたい」と語る
油長酒造株式会社 取締役社長
山本嘉彦(よしひこ)さん

油長酒造の日本酒「風の森」を12名様に
プレゼントします。詳しくは23・27ページへ。




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