優良賞

 現代の読書と本屋さん

                    天理市立北中学校 2年 大友 優理

 私は、本を読むのが好きで、よく本屋さんに本を買いに行きます。本屋さんとは大型の店舗や町にある本屋さんですが、店内はマンガ、雑誌、小説、絵本、実用書などジャンル別にたくさん陳列されています。特に新刊はお客さんの目に付くように、平積みされ、ディスプレイされています。書店員おすすめの本が紹介されていたり、心のこもった手作りポスター、POP(本を紹介する小さいポスター)など、本を売るために書店員さんはとても工夫しています。さらにサイン会などのイベントもたくさんだし、お客さんを楽しませています。このように、本屋さんはお客さんに、本やマンガを買ってもらうために様々な工夫と、たくさんの努力をしているのです。
 私は、本屋さんを見て回るだけでも、とても面白いし、楽しいのでよく行きます。
 でも、今はインターネットで色々なものが買える時代です。スマートフォンやタブレット、パソコンが普及して、たくさんの人がインターネットショッピングを使っています。もちろん、本もその一つです。インターネットショッピングでは、売れ筋、新刊がトップにきます。インターネットショッピングの良い点は、欲しいと思った時に、すぐに買えることです。どんな時間でも本を買えることができ、古い本から新しい本まで、たくさんの種類豊富な本が売ってあります。本屋さんの店頭にない本を一度インターネットショッピングで調べてみるとすぐにたくさんの情報(値段など)が出て、とても驚きました。簡単にクリック一つで買うことができてとても便利です。
 しかし、インターネットショッピングは「欲しい本」だけしか買えません。本の題名と作者を検索するので、それしかでてきません。
 でも、本屋さんはその作者の違う作品や関連本などが近くに置いていたり、色々見て回って、本を手に取って見たりすることができます。また、違うジャンルで面白そうな本や興味のある本を見つけることもうれしいことです。
 ただ、本は重ばると、とても重いものです。置く所にも困ります。そのため、本屋さんにも品数や在庫はインターネットと比べてとても少ないです。わざわざ本を買いに行くのに外に出て行かないといけないのが欠点です。在庫が少ないので古い本が売っていません。売っていたとしても、あまり売れないようです。
 その点、インターネットは何かと便利です。本を読むことも買うこともできます。タブレットやスマホがあれば、荷物にならず、すぐ簡単に本を読んだり買ったりすることが利点だと思います。
 そんな気軽で早くて便利なものを世界中の人が利用していますが、私は少し違うと思いました。実物があるのとないのとでは、本は全く違う顔を見せます。それは、紙の質感や、インクのにおい、ページをめくる時の手ざわりや楽しみが何とも言えないのです。気になった所や気にいった文を何度も読み直すこともできます。実物があることによって、ここにくるまでの過程や小さな思い出を想像することもすばらしい魅力です。本の厚みを感じたり、それを書いた作家さんの想いや、編集する人、それを売り出す人の想いをくみ取ることもできます。
 目的を持っている時には、インターネットに頼っていくのもいいと思いますが、私は、本屋さんで運命のような出会い方を「本」としたいと思っています。
 そして、その運命の出会いによって自分の生き方や考え方が前向きになれば、よりすばらしい「出会い」になると思っています。
 一冊の本との出会い ― 私が一人一人の友達をつくり広げていくように ― 大切にしたいものです。