優良賞

 大人料金
                       大和高田市立高田中学校 1年 福井 俊瑛

 ぼくは、今年四月に中学生になりました。これまでと変わったことは、たくさんあります。例えば、部活に入ったり、勉強が難しくなったりしたことです。でも、他にも日常で変わったことがあります。電車の料金も、そのひとつです。
 電車の料金は、小学生は大人の半額だったのに、中学生になるといきなり大人と同じ料金です。ぼくは、ここがとても不思議です。普通、一般的には、中学生は子供扱いです。だったら、中学生は、小学生と同じ半額の料金で、よいのではないでしょうか。
 ぼくの家の近くには、大和高田市のコミュニティバスの停留所があります。この停留所は今年四月にできたばかりなので、ぼくは、まだこのバスに乗ったことがありません。でも、このバスは電車とは違い、中学生までは無料で乗ることができます。ぼくは、このバスの料金のほうが、電車と比べて、納得がいくと思います、無料だからという理由ではありません。働くことができず、子供という点で、小学生とほぼ同じ扱いを受ける中学生が、大人と同じ料金をはらわずにすむことが、公平だと思ったからです。だから、電車も中学生が大人と同じ料金をはらうというのをやめ、大人料金は中学校を卒業して、働けるようになってからはらうというシステムの方が、だれもが納得できるのではないでしょうか。
 でも、なぜ中学生から大人料金なのか不思議に思ったので、調べてみました。すると、「鉄道運輸規程」の中で、「十二歳未満の子供料金は大人の半額とすること」と定められていることが分かりました。どうして、十二歳未満なのかなど、詳しい事は分からなかったけれど、この法律ができた昭和十七年から現在まで、子供の料金について見直されることなくきたことが、中学生が大人料金をはらうことの大きな原因になっています。
 数日前、部活動の練習試合で、ぼくは電車に乗りました。ぼくは、今回初めて、大人料金で電車に乗りました。今回乗ってみて、初めて分かったことは、中学生にとって、大人料金は高いということです。ぼくが今回はらった料金は、片道二百十円、往復四百二十円で自転車の駐輪場代百五十円を足すと、五百七十円です。これが月に二回あるだけで、千円以上もお金を使うことになります。もし半額だと二回乗っても、七百四十円で、元の値段より四百円も低いです。四百円もあれば、ノートを五~六冊も買うことができます。中学生に、「勉強をしなさい」というならば、電車料金にあまりお金をかけず、勉強するための、本やノートなどを買うことにお金を使えるように、電車の料金を見直してほしいです。
 大和高田市のコミュニティバスのように、中学生を無料にしたり、小学生と同じ半額にしてほしいとはいいません。でも、中学生には大人の料金よりも安い「中学生料金」を作ってほしいのです。そうすることで、働くことができる大人と、働くことができない中学生の不公平感がなくなると思います。「中学生料金」を作るには、「鉄道運輸規程」を改正する必要があります。これを改正する立場の大人たちにとっては小さな事なので、今まで取り上げられなかったのかもしれません。でも、中学生にとっては大きな問題なのです。できるだけ早くこの問題が取り上げられ、だれもが納得できる電車の料金になることを、ぼくは心から願っています。