第5回 奈良県食品安全・安心懇話会


第5回 食品安全・安心懇話会議事録

第5回   奈良県食品安全・安心懇話会
 
  平成18年3月2日 於:猿沢荘わかくさ  

出席委員 車谷委員・上野委員・福原委員・瀧川委員・大川委員
景山委員・植田委員・福山委員・清水委員
資料

資料1 BSEに係わる状況について[PDF:136KB]

資料2 農薬等のポジティブリスト制の実施について[PDF:1,000KB]

資料3 周辺の農作物への農薬飛散にご注意を[PDF:700KB]

資料4 平成18年度奈良県食品衛生監視指導計画(案)について
資料5 大豆イソフラボン及びアガリクスを含む製品について[PDF:119KB]
      →大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&Aについて
      →アガリクス(カワリハラタケ)を含む製品に関するQ&A




○食品・生活安全課長挨拶

○車谷会長
・議事1の(1)BSEに係わる状況について意見交換を行いますが、その前に事務局から説明をお願いします。

○事務局
・資料1について説明

○清水委員
・確認ですが、ピッシングについて平成19年度中に対応完了予定と考えてよろしいですか。

○食品・生活安全課主幹
・そのつもりでやりたいと思っています。

○瀧川委員
・県におきましてはそうでありますが、ここの調査に出ておりますように中止している施設はすでに沢山ありますし、現在中止に向かってどんどん進んでいっているわけです。以前にもお願いしましたが、先進的に中止している所等を見ていただいて端的に事例を奈良に当てはめたらどうなるか検証して頂きたい。そんな訳で現在は中止しておられないという状況を、どういう状況でどこが無理なので実施していないのか、こういった事はなかなかわかりにくいので、その内容について教えて頂きたい。

○車谷会長
・奈良県の現況についてということですね。

○食品・生活安全課主幹
・ピッシングを中止することは、何らかの不動化施設を設置する必要があります。
と畜した場合、脳しんとうを起こさせてその後頭にワイヤーみたいな物で突くことによって強制的に筋肉収縮の部分を破壊する、次の工程に入る前に急に足を跳ね上げたりした場合の従事者に対しての安全ということで、どこのと畜場も対応が遅れているのが現状だと思います。不動化スペースをどこにつけたらいいのか、面積的にも財政的にも公社と相談をしているところです。
今までは公設のと畜場でのみピッシングの不動化施設の補助が出来るようになっておりましたが、18年度からは、比較的公的な本県のような組合的な所も補助の対象とするように国も広げてきていますので、それも活用出来ないかどうかを踏まえながら今後、公社と詰めていきたいと考えています。出来るだけ早く導入することによって消費者の理解も得られるわけです。それだけと畜場の価値が高くなるということもありますので、関係者と話し合いを進めて行きたいと思います。

○車谷会長
・確認ですが、奈良県のと畜場は一ヵ所で、その説明だったわけですね。
不動化というのは、次の作業工程に移る前に牛が動かないようしておく意味ですか。

○食品・生活安全課主幹
・いつ筋肉収縮が起こるかわからないので、それを防ぐ施設が必要となってくるわけです。その代替としてピッシングで脊髄を破壊することによってある程度動かなくなる状態となります。

○車谷会長
・今、瀧川委員から先進県等の視察を参考にして導入出来る部分とできない部分があると思うがどうでしょうか、という意見がありましたが。

○食品・生活安全課主幹
・今年度は食品衛生検査所が3月中に兵庫県と三重県に視察に行く予定にしています。公社とは一緒にいく予定にはなっておりません。18年度から19年度に向けて話し合いをしながら対応出来るものがあるのかないのか検証していくつもりです。

○瀧川委員
・申し上げたのが一昨年だと思いますから、ご対応は決して早くないと思います。
不動化施設という施設そのものがそんなに多額の費用が必要かどうか、私も素人ではありますがと畜場は見ておりますし、ピッシングや不動化の意味はよくわかっているつもりですが、実際の不動化施設とはどんなものか簡単に教えていただけませんか。

○食品・生活安全課主幹
・私も現実には見ておりませんので、ただ熟練した作業員がいたら必要ないと聞いています。ただ現実に、ピッシングを中止した時点で牛の動きがどうなるのか、それぞれの作業員が検証していないこともありまして、すぐに導入するということがなかなか出来ないということもございます。

○車谷会長
・今のことに関して追加等ありませんか。

○上野委員
・それは日本の状況ですよね。国際的にはどうですか。日本の方が進んでいるのですか。

○食品・生活安全課主幹
・ピッシングについては日本が一番後進です。米国では全く行っておりませんし、ヨーロッパでもほとんど行っておりません。

○車谷会長
・どういうふうにしているのでしょうか。

○食品・生活安全課主幹
・不動化の施設を作ったり、ピッシングをしない方法を経験されてたらということもあるかと思います。スペースが広かったら筋肉収縮がなくなるまで待っていたらいいわけですが、面積的な問題等があって、日本では日常的にピッシングが昔ながらの方法で行われていたのではないかと思われます。それとピッシングすることによって、きれいに血液が出て、肉質がよくなるということも検証はまだされていませんが、そういう考え方がと畜従事者の中であるというのが現実です。

○上野委員
・スピードの問題と技能者不足というのか、技能が継承されていないこともあって、技術化しているというのもあっていろんな分野と共通しているところも感じました。

○車谷会長
・先ほどのご説明では、19年度までにはということですね。

○食品・生活安全課主幹
・という目途で持って行きたいと思っていますので、出来るだけ早くにお願いをするつもりでいます。

○車谷会長
・ピッシング関連について、他に何かありますでしょうか。

○清水委員
・お金がないから広い所がとれなくてできないのか、話し合いの中でうまくいってないのか、検討するという状況なんですね。

○食品・生活安全課主幹
・両方あるんですが、中で働く従事者の方を納得させることが一番問題になるかと、それも含めてということになると思います。

○瀧川委員
・問題は、一旦気絶をさせて頭部を落として足の先を落とす間ですね。それは4つの足が動かない状態で頭部を切断、放血までいけばいいという理屈なんで、4つの足を何かの枠に固定をすることが出来ればそのままつり下げることも出来るわけですから、そんな施設じゃなくても工夫は出来るんじゃないかと。我々が見ている範囲で言うとそういうことであって、動かない方法とういうのは時を待って動かないようにするのではなくて、拘束するということが出来ると思うんですね。それをもっと検討する必要があるんじゃないかと勝手に思ってます。

○車谷会長
・瀧川委員はどこかでご覧になりましたか。

○瀧川委員
・いいえ、ピッシング中止の施設を見た訳ではありませんが出来るんではないかと。出来なければ何故出来ないか教えてもらえればいい訳です。

○車谷会長
・そういうことも含めて先進県の視察をということですね。

○瀧川委員
・そうです。

○食品・生活安全課主幹
・わかりました。年度内に食品衛生検査所を2班に分かれて、三重県と兵庫県に行かせますので、どういう対応をとっているのかそれも含めて、それ以外の方法をとっているのがないのかどうかも検討させて頂きたいと思います。

○車谷会長
・三重県、兵庫県を選ぶのは、何か理由があるのですか。

○食品・生活安全課主幹
・近隣でピッシングを中止している所です。

○車谷会長
・他にピッシングに関しての情報はないですか。視察の際に必要だと思うんですが。
ピッシングに関しては従事される作業員の方の了解、理解が、作業手順も含めて、必要と思うのですが、その辺の働きかけはどういうふうにお考えですか。

○食品・生活安全課主幹
・中で働いている従事者については民間の食肉会社の従業員になっておりますので、会社と話し合いを持ったり、と畜場を管理しているのは公社ですので、公社と併せて三者で話し合いを持っていくことになるかと思います。

○車谷会長
・実際には何人くらいですか。

○食品・生活安全課主幹
・人数については把握していないんですが、牛だけではなくて豚も行っていますので、それを含めたら十数名おられることになります。

○車谷会長
・以上、まとめると、ピッシングについては、資料1-7にもありますように、処理する時にプリオン等が肉を汚染する危険性があるので、中止する方向で話が進められている。いろんな討議がありましたが、懇話会としては視察の話と実際それを食肉会社の方でも受け入れていただくための従業員に対する理解等を進めていくのが適切との意見であると考えます。それでは次の議題に移りたいと思いますが、いかかでしょうか。

○瀧川委員
・非常に細かいことであり、大変だと思うんですが、こだわっている理由をご理解いただきたいという意味で申し上げます。私の方も生活協同組合ということもありまして、食べ物のことではいろいろとうるさいなと言われることをやっているわけなんですが、あくまで、現在のBSEというのは一旦罹病すると必ず死ぬわけです。今は治療法が無いわけです。そういうことを担当されている方も、食肉にあたる方を含め、もっともっと理解をしていただきたい。消費者がそれについて思っていることを理解いただきたい。まだ、消費者もそこまで認識している方も少ないと思うんですが。後で出ます農薬の問題とはまったく違う問題ですから、我々はこれには相当力を入れざるを得ないと思うのです。世界からBSEを撲滅するために、今徹底的に押さえ込まないといけない時ですので、少しでもプリオンを成長させたり広めたりするものを防ぐこと、これは非常に重いことなのだけど、現状としてはきちんとやっていく必要があるという意味なのでよろしくご理解をお願いします。

○車谷会長
・ありがとうございました。BSE関係に関して他の部分で質問等いかがでしょう。
よろしいですか。それでは次の議題に移らせていただきます。
ポジティブリスト制度の導入について、事務局から説明頂けますか。

○事務局
・資料2について説明

○車谷会長
・ありがとうございました。ポジティブリスト制が、5月29日から施行されることについての事務局からの説明でした。今までのやり方をネガティブリスト制、今回からポジティブリスト制になるわけですが、私自身あまり聞き慣れない言葉でしたので、どういう意味なのか等基本的な質問も含めていかがでしょうか。

○福原委員
・この制度ができまして、5月29日から施行されるわけですが、それをどうやって調べるのか、また、どこが調べるのか、基準を決めて規制する場合どんなふうな方法をとられるのかについてお伺いしたい。

○事務局
・まず、輸入食品につきましては、検疫所でこの制度に合わしたかたちの分析を実施されます。国内流通される物は当然今まで食品衛生法の中で基準値もありましたので、その流れの中で、各地方公共団体がその分析を実施するかたちになると思います。ただ、今回799という多くの物質が規制されるわけですから、これを全て漏れなく分析をするというのは、非常に難しいと思いますので、それぞれの地方公共団体ができる範囲のなかで進めていくことになるのかなと考えています。

○車谷会長
・今までのやり方を基本的には踏襲しながらやっていくという理解でよろしいですか。
そうだとすると、今までのやり方というのは例えば具体的にどういうふうなやり方でしょうか。

○事務局
・奈良県の例をとりますと、現在1農作物等を検体としてする場合に現在では、91農薬を一斉分析というかたちで実施させていただいております。次年度につきましては、少しそれを分析機関の方で検証等をしていただいた分析法で116まで上げる、今までほとんど検出されなかった農薬を削除して、新たに追加して今回116くらい実施することになっています。799と比較すると非常に少ないという事になるのですが、現在までにそういうかたちで分析を実施した中で過去5年間をみますと、暫定基準での問題はなかったのですが、一律基準で見たときに2作物について基準をオーバーするという事例がありました。検疫所等でもその辺を検証されていて、17年の4月から9月30日までに実施した検査で21件違反が発見されています。これを新しいポジティブリスト制に移行してみた場合、今まで実施されているのがモニタリングの実施数ですが、
200少しの延べ数になりますけれど、135と約6倍くらいの基準違反が出てくる調査結果が出されています。

○福原委員
・例えば今市販されている生鮮食品、野菜とかは消費者の考え方として、検査されていると考えていいのか、それとも出荷されている方に聞きますと、自分のところで使った農薬をいつ、どれくらい使ったかということを自分で付けて、それを出荷するんだと聞いているのですが、そうなってくると生産者の自主性ということになってくるのかなと思うのですが。その辺のところを教えて頂きたい。

○車谷会長
・その前に質問なんですが、ポジティブリスト制は799品目ですよね。
従来は250農薬というように違いますね。品目と農薬というように使い分けしてるんですね。

○事務局
・250農薬、33動物用医薬品となっています。

○車谷会長
・いずれにしても従来は農薬という呼び方をしていて、今回から品目となっていますよね。799品目がポジティブリスト化されるというふうに。

○事務局
・というのは、農薬等ということでその中には農薬、飼料添加物、及び動物用医薬品の3つが含まれるということになっています。

○車谷会長
・了解しました。それに関連した質問ですが、9ページのポジティブリスト制施行による基準値を例示した表ですが、799品目に相当するのは農薬A、B、C、D、E、F、この表では6つだけに相当しているということですか。

○事務局
・これはあくまでもイメージです。
こういうかたちで横に農薬が入って、縦に食品関係があるとすれば、この中に健康基準の中で基準値が決められる、合わせて国際基準、コーデックス基準あるいは今回協力を得た外国の基準があります。そういう物を参考にして暫定基準というかたちで、下の三角のように決められるものは基準値として入れてきています。

○車谷会長
・799品目というのは、この表ではどこに相当しますか。その上で、福原委員のご質問に対する回答をお願いします。

○事務局
・右の横に799が広がると思っていただければ。縦にいろんな食品があり、食品ごとに基準が定まっているということです。
福原委員のご質問ですが、現在流通する食品関係全てにこの検査を実施できるものではなく、あくまでも行政関係は抜き取りの中で検査をして検証しているとしかいいようがないのではないかと思います。履歴については、生産現場の方からどういうかたちでそれを使用したのか、それが農薬取締法の中で使用基準等きっちり守られていれば問題はないと思っています。

○農業水産振興課課長補佐
・資料3について説明

○植田委員
・道の駅で農産物が多く出回っていますが、余暇で作られている野菜が多いのですが、その指導は農協がされているんでしょうか。

○農業水産振興課課長補佐
・今お話になりましたように、県内でも直売所がかなり出来ています。農協の施設につきましては、農協の営農指導員が相談させてもらっていることがあるし、県の出先機関でも会合の時には出て行って説明させて頂いています。

○植田委員
・お年寄りの方が沢山作って出されるところが多いのでどうかなと思いました。

○清水委員
・これは消費者として望ましい方向に行くんだなと思います。今日は生産者の方がいらっしゃらなかったので、本当は本音を聞きたかったんですが。実際現場はどうだったのか、国の説明会も県からも聞かせて頂きましたが、どうも今生産現場がおたおたしている状態で、まして加工メーカーからもだいぶ意見が出てましたね。大丈夫なのか自分自身も不安だというようなことを言ってらしたんで、これが適用する前に事前に検査をする場合があるんですか。それに伴って予算配置も必要なのかなと、それとも予算がないということで工夫があるのか、流通の禁止の可能性がどのくらいあるのか、実際やってみないとわからないと思うんですが。そんなことで消費者がパニックを起こしたりしないように消費者自身も十分コミュニケーションをとらなければいけないなと思いますので、議題にして頂けないかなと思って、今回提案したんです。

○農業水産振興課課長補佐
・生産現場から申しますと、特に今まで農薬安全使用についてはいろんな機会を通して説明させて頂いていたんですが、食品衛生法の制度が新しくでき、どういう対策をとってもらわなければならないかを研修会や講習会の機会あるごとに説明をして、そういう取り組みをみんなに広げていくというかたちでさせて頂いています。

○農政課主幹
・市場流通関係の検査方法については、市場へまず着きますと奈良県の中央卸売場には常駐の検査員がおられます。食品衛生検査所の4名の職員が年間やっております。品目が多岐にわたりますので、すべてはできませんので抽出して検査しています。3年前に市場に行っておりましたが、3年間のなかでは問題は全然ありませんでした。ただ、以前農薬の違反があり、出荷止めをやった経緯があるんですが、それ以後は聞いておりません。ただ最近かなり農薬についてはそういう問題が、顔の見えるというか、生産者番号と個人生産者登録をされておりますので、それについては産地が大きな打撃を受けるということで、かなり厳しく対応をしてきているという経緯はあります。

○景山委員
・このポジティブリスト制が5月29日から導入されますと、表9にあります、新しいポジティブリスト制の基準値の網掛けの部分0.01と非常に厳しい基準、ここの横に新たに799品目ということでいきますと、やはり現実的に販売禁止、流通停止と相当多頻度にわたって出てくるであろうことが想定されます。この時の行政の対応は、どういう手続きを経て停止処置、販売店からの回収等を実行されるのか、この辺の考え方についてお聞かせ頂きたい。

○事務局
・分析で奈良県産、他府県産でされるわけなんですが、全国都道府県で実施するわけで、基準オーバーというかたちになれば、それぞれ行政間の連絡によって、どういう作物でどういう農薬でどういう基準が出ましたと、こういうかたちで情報が入ってくることになっております。その中でまず1つはロットという考え方、1つの構成をどれでみるのか、それと同じ食品の同一ロットについては、当然その中で流通を止める、流通していれば回収となるし、そういうかたちの行政指導がなされていくと思われます。これにつきましては、現在基準値が定まっている現行法でも同じような取り扱い、これから当然農薬等も増えましたし、行政の中でも増えていくと考えられます。

○景山委員
・どの程度現行奈良県では、先ほどの説明では停止にした品目はありませんでしたと報告いただいたかと思うんですが、現行から比べてどの程度増えると想定されているのか。想定されている部分が現実的な対応の中で限界点もあろうかと思いますので、その辺も踏まえて行政としての現状の想定される状況についてお聞かせいただきたい。といいますのは、極端に流通・販売停止等が増えますと、我々販売店にとって対消費者に対して、清水委員も言われましたように、非常に混乱をもたらすという部分がありますので。
それと、生鮮食品ですのですでに販売してしまった物、すでに胃袋に入ってしまった物は回収できないわけでして、その辺の我々販売責任としての情報開示の仕方、この辺も非常に懸念される部分でありますので、その点も踏まえて行政としての考え方をお聞かせ頂きたいと思います。

○事務局
・まず、どれだけ増加するかという想定なんですが、奈良県であれば保健環境研究センターという所が分析するのですが、そこでの処理能力的な部分もありますので、枠の中で若干品目を増やして実施することになります。国等が言っている中では、今新しく基準を作っている部分につきましては、それほど大きな影響はないと思っております。ただ全く基準を作らなかったところに0.01が適応されますので、この部分につきましては、分析をしていく過程の中でいくらかは上がるかなと思います。奈良県でも過去5年間を見ますと、2作物について0.01以上という違反がありましたので、そういうかたちで出てくる可能性はあるのかなと思っています。
それと一旦、生鮮等を食べられた後ということでおっしゃっておられるのであれば、この基準が若干超えたからといって健康被害等がすぐ生じるものではないという、一つの考えがあるかと思います。あくまでも基準を作ってその基準の中でどういうふうに行政が関与するかというところでの回収となっていくと思われますので、非常に高濃度で出てくるケースはまずないのかなと思われます。
その中で行政としてどうこれをとらまえて進めていくか課題でもあるかなと思います。

○景山委員
・現段階では、対応できる範囲に収まるだろうという考え方ですね。
我々販売サイドの部分で、人体に与える影響とか非常にリスク的に少ないと、継続的にこれを食することがない限り人体に与える影響はないというような部分でいきますと、販売してしまった物に対しては情報開示をして、まだ冷蔵庫に入っていた場合については回収するという処置を講ずる必要もないであろうという事でよろしいですか。

○食品・生活安全課長
・素直にいって非常に難しいことだと思います。個人的な気持ちとして非常に怖い、基準の場合安全率が含まれていますので、基本的にはその場その場で判断をし、それが重篤な被害等を起こすのかどうかという今までの経験数によるかと思いますが、その判断の積み重ねだと考えております。手続き的には非常に難しい問題だと思っております。

○瀧川委員
・おっしゃる通りで大変な問題だと我々は受け止めております。生産者の皆さんはもっと大変かなと思うんですが。やはり出た場合は行政の皆さんと、(私どもは常に相談の上でなんでも対応しているんですが、)相談して対応せざるを得ないと思います。今の場合であれば、先程出来ているこの基準のオーバーがあったとしても重篤な問題にはならないということで、食べた物はどうしようもないのであって、我々のところであれば、(具体的にはその企業で決められると思うんですが、)家庭に残っている物は回収する可能性は大と思っております。問題は食べてしまった物はどうするのかという事だと思います。よっぽどの問題があればいろんな補償問題も出てくると思いますが、それは別にそこの企業の問題だけではないと思いますし、行政も含んで全体の問題として対応していかなければいけないと思うんです。補償問題に至るようなことは今の生産の流れの中はでとんでもない間違い、農薬のバケツをひっくり返してそのままにしたとか、何かがないとそんなことは起こらないかと思います。ただ、本当に何が起こるかわからないので、厳しい監視、起こった場合の対応などいろいろと考えていかなければならないというので、消費者の要望で実現したのですが、頭の痛いところです。

○景山委員
・大変難しい質問をして申し訳なかったんですが、我々販売責任という部分の中で出来る限りの事をして消費者の皆さんに安心・安全な食品を提供したいと考えています。今後も行政といろんなリスク管理の部分で事前にいろいろ相談をさせて頂いて、こういったケースはこうするという事を事前にマニュアル的に取り組みをしまして、迅速な対応をすることがお客様への安心感に繋がりますので、今後も鋭意行政と相談させて頂きたいと思いますのでよろしくお願いします。

○車谷会長
・ポジティブリスト施行に向けていろいろ意見交換を行いましたが、特にこれに関連して何かありますでしょうか。

○清水委員
・消費者として違反の有無だけではなくて、流通のあり方を認識しなければいけないなと。そういう意識のきっかけになるといいですね。最近新聞にもとりあげられるようになってきたし、違反になったから怖いというのではなくてぜひ消費者の方も現状を知るということが大切だなと思います。

○瀧川委員
・先程来問題になっているんですが、消費者も理解を示すこと、現状を知るということが大切だと。特に生産者の皆さんは記帳、帳面をいちいちつけるということがなかったと思いますので、大変です。すべての農家の皆さんにそれをやって頂かないと出荷出来ないということになろうかと思われますので、そのへんの意識の転換が大変だと思います。当然、今日はお越しになっていませんがJAさん等努力されていますし、行政の方も大いに協力出来る体制にご協力をお願いしたいと思います。

○車谷会長
・それでは、ここで議事1の意見交換はこれで終了させて頂いて、議事2の情報提供に移りたいと思います。

○議事2情報提供
・平成18年度奈良県食品衛生監視指導計画(案)について資料4
事務局より説明

・大豆イソフラボン及びアガリクスを含む製品について資料5
事務局より説明

○車谷会長
・ありがとうございました。何か質問等ありませんか。

○福山委員
・平成18年度奈良県食品衛生監視指導計画(案)の2ページ目の輸入食品関係のことについてですが、「これまでの中央卸売場から流通する物を対象としていたが、次年度は、一般消費者が普段購入する流通品を検査することとしている。」となっていますが、参考までに具体的にご説明をお願いしたいと思います。

○事務局
・今まで実施していた内容としまして、中央市場は県内に流通するということでそちらの方で検体を採取したかたちで分析を実施していましたが、それと合わせまして各地方に地方市場があります。そこでも食品を採取して検査を実施してきた経緯があります。その中で今回、一般消費者に目を向けたかたちでそこでの対象商品を検体として実施すると記載させて頂きました。

○車谷会長
・輸入野菜は今までは中央卸売市場からの分を対象としていて、次年度からはそれ以外のところというわけですが、一般消費者がどこから購入する流通品を検査するのですか。

○事務局
・市場では輸入野菜を含め、食品の検査を実施しておりました。また、各保健所が検体を採取していますし、一般流通する中からも輸入野菜についても実施していくかたちにしております。

○車谷会長
・他に1、2についていかがでしょうか。
特別養護老人ホームでノロウィルスの集団感染がありましたが、ここには出てこないんですか。

○事務局
・監視計画の中では施設の対象ということで資料13ページに立ち入り検査の実施計画ということで示させておりますが、その中の1で食中毒予防対策ということで細菌性食中毒及びノロウィルス等のウィルス性食中毒の予防等々の衛生管理の徹底というかたちで考えています。

○車谷会長
・発生状況の中には含まれていないんですね。

○事務局
・あくまでも感染症の取り扱いになりますので、食中毒とは切り離して考えております。

○車谷会長
・食中毒ではなく、一般感染症として取り扱っているという事ですね。

○事務局
・共通性の食品があってノロウィルスということになれば、当然食中毒の扱いになりますが、共通食がない場合にでもそういうかたちで発生しますので、その辺で分けております。

○車谷会長
・この表には載ってなくても、監視計画の中では集団発生として。

○事務局
・食品からということにもなりますので、その部分につきましては、合わせて注意をしていくということです。


○清水委員
・県の予算が大変苦しいとは思うんですが、食の安全に関する予算はぜひ、確保してほしいなと思います。

○食品・生活安全課長
・検査の薬品等の消耗品、物件費といいますが、そういったものに関しては、一律2割カットとなっています。その中でやりくりをしていく、極力スリムにはなっていきますが、合理的なかたちでやっていきたいと考えています。

○瀧川委員
・収去検査で品目数が増えますね、そうするとその分は増えざるを得ないですね。他を削ってそこを増やしているんですか。

○事務局
・ポジティブリスト制につきましては、平成15年に示されております。その関係で
16年度の検査関係から県内の農協や生協の協力を得て検査を実施してきた経緯があります。言われますように、検査項目を上げれば当然需用費関係は上がることになります。検査の手法も一斉分析、機器分析等を導入している部分もありますので、なんとか切りつめて実施をお願いしているのが現状です。
収去計画は資料14ページです。17年度880から18年度は871となっていますが、できるだけ維持するかたちで、検査項目を若干絞って実施を検査機関と調整をとっております。

○瀧川委員
・アガリクスの関係なんですが、報道範囲内でしかわからないということがあります。一つは製法の違いによってこの一品目がなったんですけど、その特徴といいますか、どういうことからひっかかったのか、また他は大丈夫だという内容があるのかないのか、やっぱり報道の範囲しかわからないでしょうか。

○事務局
・Q&Aで示されているぐらいの情報しか無くて、品目等を見ていただいた中では、まず1の問題となった部分については細胞壁破砕アガリクス顆粒という表現がされていますので、かなりアガリクスの植物の細胞関係をなんらかのかたちで処理したということで、若干他とは違うかなと推測にしかすぎないです。具体的にそれが何かということはまだ示されてはいないと思います。

○車谷会長
・それでは、議事1・2についてはこれで終わらせていただいて、次の情報提供をお願いします。清水委員が地域の住民の方を対象に食育基本法の関連で600件余りのアンケート調査されておられます。内容的に非常に優れたものでありますし、この懇話会に関連したものもありますので、情報提供をお願い致します。

○清水委員
・食育基本法が制定されてまして、私たちならコープで、本当に奈良県民は野菜摂取が全国ワースト4位、しかも油も全国で一番摂ってる、本当なのかその疑問点からまず組合員を対象にアンケートを取ってみようかということで、1,031名に配布しました。昨年の秋、9月から11月までにそのうちの651名、63.1%を回収しました。

○「食生活と食に関するアンケート調査結果報告書」について情報提供。

○車谷会長
・貴重な資料でしかもうまくおまとめになっているようで、問題点やご指摘も頂きました。せっかくの機会ですので、ご意見等ありませんでしょうか。

○植田委員
・回答をされている方は自信を持ってしていますという感じの回答をされているが、未提出の方をどのようにするかですね。それをきちっととって頂いて、私たちもこれを基にやっていきたいと思います。

○車谷会長
・これで本日の議事を全て終了致しました。長時間にわたりご協議ありがとうございました。活発で貴重な意見交換が出来たように思います。後で事務局にバトンタッチをしますけれど、今日が5回目の懇話会でした。委員は2年間の任期だったと思います。正確に言うとこの3月31日まで任期があるんですが、実質今日で任期2年の、この懇話会の委員としての役割が終わることになります。
私は、この分野につきましてはほとんど素人に近くて、迷走する発言も多々あったかと思いますけれども、委員の皆様方の御協力また的確なご発言、ご意見で無事、ここまで懇話会が出来て県行政に一定のリスクコミュニケーションの役割をうまくはたせたのではないかと思っています。ひとえに皆様方のご協力の賜物だと感謝しております。どうも2年間ありがとうございました。

○食品・生活安全課長
・今、車谷会長からご発言がありましたが2年間本当にありがとうございました。いろんな事を教えて頂きましたし、皆様方のコミュニケーションも図られたのではないかと思います。新年度も引き続き進めてまいりますので、ご協力よろしくお願い致します。皆様方には本当にお忙しい中、ありがとうございました。
これで第5回奈良県食品安全・安心懇話会を終わらせて頂きます。